赤玉土を用いたミヤマクワガタの産卵セットの割り出し

以前より、虫吉の公式ホームページやこのコーナーでミヤマクワガタの黒土を用いた産卵法を紹介していました。

ただし、今年に入って乾燥黒土を製造している会社が少なくなり入手が困難になっているというお問い合わせを頂く様になりました。

※実際に近所の園芸店やホームセンターに尋ねてみたところメーカーの製造中止で廃盤になっている様でした。

そこで天然の幼虫を土の中から何度も掘り当てた事がある経験を活かして代用品を使って試験的に産卵セットを組んでみました。

使用した物は、ホームセンターの園芸コーナーで見つけた園芸用の赤玉土(細粒子)です。

※色々な大きさの粒子が出品してますが小粒では無く更に細かい粒子の1から1.5ミリ前後の物(細粒)になります。

加水の方法は黒土と同様に霧吹きで少しずつ色が変わる程度まで行います。

赤玉土の場合は、若干赤茶色っぽくなる程度で問題が有りません。
(多過ぎるとマズいです)

その後で産卵用マットを加えて良く撹拌します。

セット方法は黒土産卵法と全く同じです。

飼育容器は深さが有るコバエ防止ケース(大)が最適です。
※あくまでも実験的に行ったので詳しい画像が無くて申し訳ございません。

詳しいセット方法を紹介した過去のブログ記事>>

本日、早速9月上旬にセットした分を確認してみました。

容器をひっくり返した様子

まだ初齢が殆どでしたので上手く写っていませんが実際は固まりの中に無数の幼虫が潜り込んでいます。(小さな塊の中にも初齢や卵が入っています)

理想的なマットの粘り気は、堅い固まりの様で指の腹で軽く押すとパラパラと崩れる感じでベチャつかない程度です。

※泥状にしてしまうと卵が腐りやすくなります。

自然界では日当りが悪い山の中の腐葉土と水はけが良い山砂が混ざった様な感じの土壌に生息していますので、出来るだけ近付けてあげる様にします。

土に潜る幼虫

赤玉土+産卵用マットの粒子の拡大画像と潜り込んでいる初齢です。

(土を砕いて行くと面白い様に出て来ました)

ミヤマクワガタは、真っ黒の泥状マットにしか産卵しないと思われがちですが実際は異なる事が証明出来ます。

野外採集では、不思議なほど普通の山中の土壌(やや腐葉土質)から出て来ます。

固まった土を砕いて行くと幼虫や卵が出て来ました。

朽ち木の周辺の幼虫

産卵の補助用の障害物として入れておいた朽ち木(通称:捨て材)の周辺から出て来た幼虫です。

他の種類と異なり朽ち木を食い進む事は余り有りませんが表面の柔らかい箇所にいる事も多いです。

土から出てきた卵

土の中から出てきた卵です。

結構な大きです。

60匹の幼虫

1つの産卵セットから60匹に迫る幼虫が出て来ました。

一時管理用のカップに無添加虫吉幼虫用マットを入れて二齢になるまで養生します。

二齢になってから無添加マットボトル800cc(超固詰めタイプ)にいれても大丈夫です。

今回は、卵を合わせると70匹近くの大爆産でした。

是非、来年(2015年)夏の繁殖の参考にしてみてください。