2014年秋のスジブトヒラタクワガタの羽化状況です【2014年11月23日】

スジブトヒラタクワガタ現在、離島産ヒラタの羽化ラッシュの真っ最中です。

画像は、最新羽化のスジブトヒラタクワガタ(奄美大島)特大64ミリのオスです。

昨年(2013年)夏に入荷した天然のメスを室内無加温(寒い状態)で越冬させて今年の春に産卵セットを組んで得られた幼虫を育てました。

(天然メスの子供=WF1です)

※クヌギ材Mサイズを産卵マットで埋め込むオーソドックスな方法で大丈夫です。

この種類は、奄美と徳之島に生息する日本固有種です。

※本土や離島産の亜種とは全く異なる種類です。

上翅にあるシマシマの綺麗なスジが名前の由来です。

羽化して直ぐに活動可能な種類で自然界では現地の梅雨入り前後の5月上旬頃から気温が下がって来る10月頃まで活動します。

それ以降は、休眠(冬眠)に入ります。

発生のピークは、こちらと同じで梅雨明け後の7月から8月上旬になります。

※昆虫採集は夏休みの子供の楽しみという点は、日本全国共通です。

寿命は長く、2から3年です。(飼育下では3年以上の例も有ります)

この種類の幼虫の特徴は兎に角、加齢速度が速い事です。

早く加齢してしまうので高温や菌糸ビンの暴れ(かき混ぜ行動)に注意しながら飼育する必要が有ります。

※暴れてしまうと50ミリ台になる事も多々有ります。

そこで下記の方法で羽化させています。

■今回の個体の交換リレーです。

  • 1本目(4月21日):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 2本目(7月8日):無添加マットボトル850cc

※1本目の時点では、余り大きく無かったので2本目からの切り替え後に伸びています。

なお、10月は蛹室を作り始めたので3本目の交換は発生していません。

菌糸ビンからマットボトルへの切り替えタイミングの駆け引きが重要です。

マットボトルについて

無添加なのでボトル内で窒素系の発酵ガスや発酵熱が一切発生しないので幼虫に優しいです。

劣化が遅く持ちが良いのでスジブトヒラタの場合、4ヶ月に1回の交換頻度に抑える事が可能です。

最初の1本目の菌糸で大きく育つ条件を満たした幼虫に育ててしまえば、持ちが長いマットボトルで交換時のストレスや刺激を与えずに飼育した方が確実に大きく育っているように思えます。

現在も60ミリオーバーが羽化していますので更なる大型個体が羽化しましたら紹介したいと思います。


2014年秋のスジブトヒラタクワガタの羽化状況です【2014年11月23日】” への2件のコメント

  1. スジブトヒラタが休眠無しで活動可能だとは知りませんでした。

    今年は忙しく新たなクワガタに手が出ませんが、来年にはぜひ挑戦してみたい種です。

    • ツキ様
      いつもコメントありがとうございます。
      スジブトヒラタは、日本にしか生息しない固有種のクワガタで自然界でも1年1化で成虫になります。
      春になると樹液が出始める季節を逆算するかの様なタイミングで急ピッチで蛹化から羽化に向けての準備が進んで行きます。
      ※一見、短命の様に思えますが晩秋以降は約半年間の休眠に入るので飼育下でも冬場の過度な加温を避けて冬眠させると長期飼育が可能です。

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