スジブトヒラタクワガタの産卵方法

スジブトヒラタの画像

今日も九州北部は、晴れの過ごしやすい天気でした。

こういう晴れの日は、朽ち木の加水に最適な日です。

今日は、スジブトヒラタクワガタの産卵セットの紹介をしたいと思います。

今回は、昨年(2014年7月)に奄美大島から入荷した天然のメス(越冬個体)を使用します。

※天然個体は自然下で交配している事が多くメス単独で繁殖可能です。

この種類は、越冬しないという誤った情報が出回っている様ですが実際は冬眠して翌年も活動や繁殖が可能です。

飼育下の場合は、室内飼育で5から10℃程度で越冬させた方が良いコンディションを保てて効率が上がります。

但し、本来は夏に入荷した天然採集品は、年齢や寿命(コンディション)の関係で夏のうちにセットを組んだ方が成功率が高いです。

エサは化合物が入っていない国産昆虫ゼリーの方が産卵数が伸びる傾向があるのでお勧めします。

また、新成虫の場合は、羽化して3ヶ月以上経過して夏を迎えると繁殖可能になっている確率が高いです。

常温=無加温飼育の場合、秋以降に羽化した個体は越冬後の翌年の初夏から夏にセットを組むと良いです。

自然界のスジブトヒラタは、初夏に羽化して梅雨明けの頃から野外活動を開始して気温が下がり始めると冬眠(越冬)して次の年の初夏に活動する個体もいます。

※孵化から1年で羽化して活動までが早い(休眠期間が短い/後食が早い)種類です。

◆今回使用しする主な飼育用品の紹介です。

それでは、セットの手順を紹介します。

朽ち木の加水

先ず、産卵木を加水します。

今回は、2セットを組むので2本使用しています。

木の上から水を入れたペットボトルなどで重しをすると短時間で加水が完了します。

加水時間は30分程度で大丈夫です。

日陰干し(水切り)

カゴの上に乗せて6から8時間ほど日陰干し(水切り)を行います。

(湿度が高い日は、もう少し長く干したりもします。)

因にカゴ状の物に乗せた方が早く水が切れます。

※黒いカゴは、近所のおばちゃんに貰った農業用の苗カゴです。

樹皮を全部剥ぎます

樹皮をステーキ用のナイフ(100円均一ショップで購入)を使って完全に剥きます。

マットを固く詰めます

コバエ防止ケース(中)に産卵用マットを入れて木製プレスを用いて底の部分に3から5センチほどの硬い層が出来る様に固めます。

その際、飼育容器が割れない様に注意してください。

画像は、割れ防止の為に玄関マット(ラバー製)を下敷きにして詰めているところです。※雑誌や新聞の束でも代用できます。

朽ち木を上に乗せます

固めたマットの上に先程の樹皮を剥いだ朽ち木を乗せます。

※コバエ防止ケース(中)だと画像の様に丁度良い感じに収まります。

このサイズの飼育容器がコンパクトな割に高さがあるので直径10センチ前後の朽ち木がスッポリと収まります。

手で押さえて埋め込みます

次に上からマットを被せて埋め込みます。

隙間が出来ない様に軽く手で押さえて固めます。

※上の部分はガチガチに固める必要はありません。

セットの出来上がり

これでセットの出来上がりです。

プチエサ皿にホワイト高タンパクゼリーをセットして入れています。

※エサ皿は、スペースが無ければ無くても良いです。

それとスジブトヒラタは、セットに投入してから産卵を開始するまで天然個体でも少し時間が掛かる事があります。

今回は、自然下で交配率が高い天然のメスの使用につき、単独で行なっています。

新成虫の場合は、オスのアゴを縛ってペアリング後にセットに投入するとメスが挟まれる心配が無くなって安全です。