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生活環境と体の色について

クワガタやカブトムシの体の色は活動時間や生息域などの生活環境に大きく左右されています。

先ずは、簡単に写真で説明したいと思います。


ノコギリのオス

ノコギリクワガタのオスです。

黒から赤褐色の色で細身な体型を利用して機動性、俊敏性に優れます。


ヒラタのオス

ヒラタクワガタのオスの画像です。

この種類は、真っ黒な色で平べったく、樹皮や樹洞に隠れます。


カブトのオス

カブトムシのオスの画像です。

基本的に黒から赤褐色で個体差が大きいです。


これらの昆虫は、なぜ色が黒っぽいかと言うと夜間に活動する(夜行性)だからです。

色が黒ということは夜間の闇にまぎれる為の保護色です。

昆虫の王様と呼ばれる存在の彼らの最大の敵(天敵)はカラス等の野鳥や小動物です。

これらの野生鳥獣から身を守る為に樹液に集まる昆虫たちは、進化の過程で「夜行性」となり色が「黒っぽく」なりました。

赤褐色が発生する種類は、薄暗い時間帯でも目立ちにくい事が考えられます。


ミヤマのオス

ミヤマクワガタのオスです。

体の色が茶褐色で体に細かい毛が生えています。

無数の毛には、湿度によって微妙に体色を変化させる役割があるとされています。

※濡れると黒っぽくなり、乾燥すると黄土色に見える。


自分達の採集の経験から前述の種類との競合を避けて、明らかに異なる時間帯に活動をしています。

誰もがご存知のとおり、カブトムシは日本最大、最強の昆虫です。

加えて体重、大きさ、パワーがあるので昆虫界の頂点に近い存在です。

なので同じ時間に活動してしまうとケンカに負けてエサを食べることが出来ません。

そこで、一部の昆虫は、夕方から夜間さらに夜明け近くまでの広い時間帯で活動しています。

明るい時間帯でも野鳥に食べられない様に体の色が木の幹の色になったと考えられます。

厳しい自然の中で生き抜く為、遺伝子に組み込まれた情報なのかもしれません。

同じ種類でも色が違うのはなぜ?

私も小さい時からカブトムシやクワガタを沢山採集していますが、同じ種類のカブトムシやクワガタなどで色が「赤っぽい物」と「黒っぽい物」がいます。

同じ種類なのに1匹ずつ色が微妙に異なっているのが分かります。


赤い色のカブトムシの画像

赤い個体

黒い色のカブトムシの画像

黒い色の個体

よくお客様から「赤」か「黒」で寿命が違うのか?と聞かれます。

結論から言いますと「赤」も「黒」も寿命は同じです。


で、なぜ、2つの色が存在するのか?という疑問が生じます。

前項目で「カブトムシ、クワガタの生息環境と体の色の秘密」を話しましたが、絶滅しない為に基本的な色(夜に鳥獣に見つかりにくい黒系統)は、決まっています。

更に種の生き残りや環境の変化に対応できる様に2つのパターンが微妙な色の違いという形で用意されています。

生物が絶滅しない為には、いくつかの環境の変化に対応できる様に「多様性」という物が必要となります。

絶滅しない為のちょっとした「保険」みたいな物と考えて下さい。

社会人の多くの方がされていると思いますが、預金の分散みたいな物です。

「1つの銀行が倒産しても他の銀行の預金が有るので大丈夫!」みたいなリスクの回避です。

カブトムシやクワガタの色も1つだけだと気候の大変動やそれに伴う棲息環境(活動時間の変化やエサ場の消滅など)の変化に対応できなくなります。

もし、環境や気候の大変動で仕方なく、夕方や朝方の比較的明るい時間帯に活動する様になったら黒一色では天敵であるカラスなどの野鳥に目立ち過ぎてほとんどが食べられてしまい絶滅してしまいます。

絶滅しない為に夏場の夜明けと夕日の中でも目立たない赤という色も用意されてないといけません。

そうです。体の色の赤と黒の2種類が有るのは生き残る為の保険(多様性)です。

これはメンデルの遺伝の法則の優劣遺伝の法則(対立形質の遺伝)という法則である一定の確率で赤と黒が出現する様に出来ています。

赤い色のノコギリクワガタの画像

赤い色の個体

黒い色のノコギリクワガタの画像

黒い色の個体

動かない!冬眠?死んでるの?弱ってるの?生きてるの?

オスの画像
クワガタといえば写真の様に威風堂々と威嚇する姿や活発に動き回って決闘を繰り返す姿をイメージしますが
実際は、種類の違いや性格(個体差や個性の様な物)があり決してそうでは無い場合も有ります。
また、気温が下がってくると体温が無い昆虫は徐々に動かなくなって冬眠してしまいます。

そういったクワガタ特有の動きが心配と思われるお客様の為に特にお問い合わせが多い2つの事例の説明をしたいと思います。


まず、最初に紹介するのがクワガタが警戒した時に見せる事がある通称:カメさんポーズです。

 
警戒時のかめさんポーズ(メスの表)
メスの警戒時のカメさんポーズ(表)
警戒時のカメさんポーズ(メスの裏)
メスの警戒時のカメさんポーズ(裏)

クワガタは、闘争心が強い種類が多いですが人間や天敵の小動物など決して敵わない相手が接近すると
6本の脚全てと触角を折り畳んで網羅に入った亀の様な姿勢を取り死んだ振りをします。
※外敵から脚を守る為という一説も有り、無防備な冬眠中も同様の格好で過ごす事も有ります。

勿論、下記の写真の様にオスも同様です。

 
警戒時のかめさんポーズ(オスの表)
オスの警戒時のカメさんポーズ(表)
警戒時のカメさんポーズ(オスの裏)
オスの警戒時のカメさんポーズ(裏)

一般的に闘争心が高いとされるオスも死んだ振り=カメさんポーズを普通に取ります。
(冬眠時も同様のポーズを取る事が有ります)

上記の様に動かなくても背筋がピンと真っすぐに伸びて力が入っていれば元気なのでご安心ください。
※触角に軽く触れるとピクピクと動かして反応してくれます。


次に紹介するのは、冬眠時に見せる事がある仮死状態のポーズです。

 
メスの冬眠時の仮死状態のポーズ
メスの冬眠時の仮死状態のポーズ(裏)
冬眠時の仮死状態のポーズ(オスの裏)
オスの冬眠時の仮死状態のポーズ(裏)

上の2枚の写真の様に寒くなると脚を力なく伸ばして殆ど動かなくなる(グタグタに見える)事が有りますが実際は冬眠中で元気にしています。
冬眠中でピクリとも動かないクワガタでも爪がチクチクと指や皮膚に引っ掛かる様であれば元気な証拠です。
※死んでいると腐敗してカビや強い死臭(腐敗臭)がするので爪の鋭さと合わせて確認すると見分けが簡単です。

冬眠中は、急激に温度を上げない様に注意してください。(急な温度差はマヒや衰弱の原因になります)


クワガタは、カブトムシと動きが異なり『動かない=死んでいる(衰弱している)』という訳では御座いません。
間違った認識で外来種(移入種)などを野外に放してしまう事が無い様に十分にご注意ください。
(帰化すると将来的に生態系が壊れてしまう恐れが有ります)

夜になると急に活発に動いたり飛び回るのは何故?『夜行性』と『走光性』について

クワガタが夜になると急に活発に動き始めたり、場合によっては容器の中を飛び回って心配されたり驚かれる方も多いと思います。
そういった疑問を解説していきたいと思います。


先ず、よく知られている事ですがクワガタやカブトムシは『夜行性』(夜に活動する)昆虫です。
理由として2つの事が考えられます

・天敵の鳥獣(主にカラス等の鳥類)のエサにならない様に鳥が活動しない時間帯に活動する為。
※その為に体の色が黒主体の茶褐色(赤褐色)の種類が多いです。

・もう一つの理由は、単純に暑さを避ける為です。
※前述のとおり、黒い色の体色は兎に角暑くなりやすいです。

勿論、飼育下でも明るい時間帯や気温が高い時間帯は余り動かずに夜になると別人の様に活発に動き回ります。


最近、急にお問い合わせが多くなった事があります。
それは、「異常に飛び回る」「冬眠せずに動き回る」といった感じの内容です。

長年疑問に思いながら過ごしていましたが最近、照明器具を交換したところ偶然に原因が判明しました。
色々と試してみましたが近年の照明技術の進化により、電球に大きさに関係なく強い光を発する物が多くなりクワガタが小さな灯りにも反応して飛び始める様です。

クワガタは、夜間『(正の)走光性』(光に向かって近付く)昆虫です。
その為、夜間(暗い時間帯)に一定の波長の光に向かって動き始めたり飛び回ったりします。
人類の文明が進化する前迄は、夜間の光と言えば月の明かりだけでしたが現在は人工的な光で満ち溢れています。

皆様も家のベランダや網戸付近、自販機や街灯(水銀灯)の下でクワガタやカブトムシを見つけた記憶をお持ちかもしれませんが「虫が光に集まる」とは、走光性という特徴があるからです。

飼育下でも夜間に照明が当たったり、窓から街灯の明かりが入る場所に飼育容器を置かれた際に異常なくらい飛び回る事がありますので暗くて静かな場所での飼育をお勧めします。
照明だけではなくオーディオや家電の待機電源のランプにも反応する事があります。
LEDランプに虫が集まらないと言うのは根拠が無い情報で実際は集まる種類の方が多いかもしれません。
※虫が来ないLEDランプは、特定の波長をカットした光が出る様に加工してあります。
また小さな常夜灯(豆電球)にも反応する場合もあります。

飛ぶ飛ばないは、雌雄の差や個体差が大きいですが確実に光に反応して行動しています。
※勿論オオクワガタも例外ではありません。
因にメスの方が若干飛行性が高いです。

自然界におけるキノコと昆虫の役割り

カブトムシやクワガタはキノコ(菌床や菌床が腐った木)が大好きな昆虫です。

私達は30年以上前の小学生の時にこのことに気付き、学校にも登校せずにシイタケの廃材や放置された大木を叩き割ってクワガタを採集していました。

冬場でも冬眠中の成虫が採集できることに感激して、思わず学校を不登校、先生に「クワガタを採りに行っていました。」と不登校の理由を話しても「冬場から虫がおるかい!」と叩かれていました。(笑)


私達は、これらの二種類の昆虫の生態とキノコの関係を調べる為に虫吉のドングリの森の一角でシイタケ栽培をした事があります。

少しご紹介させて頂きます。


丁度、温度的にホダ木からシイタケが出ています。

管理にもよりますが、大体、シイタケを植菌してから1年から1年半くらいからシイタケが出始めます。

シイタケのほだ木


クワガタが大好きなシイタケをはじめとするキノコの活動の寿命は約2年です。

大まかですが、キノコが出始めてある程度成熟したころ(キノコが出る様になってから1から2年目くらい)からメスが産卵に訪れます。

実際に寿命が近い4年物のシイタケの廃材を見てみます。

シイタケの廃材


中を少し割って見るとコクワガタの幼虫が出てきました。

幼虫


ちなみに自然界のクワガタは成虫になるまでに1年半から2年掛けて成虫になっています。

寿命が近くなったキノコの廃材から無事に羽化して出て行った後に今度はカブトムシがやって来て産卵をします。

ご存知のお客様は多いと思いますが、カブトの幼虫は大食漢でこれらの腐植土を全て食べ尽くし、土にしてしまいます。

一見すると栄養が無さ そうな朽ち木や腐葉土を食べて幼虫が大きく育つメカニズムは、キノコの菌糸や土壌菌を 腸内バクテリアの力を借りて糖質に変換して朽ち木や土に1割ほど付着しているとされる自然由来のミクロの微生物(土壌分解生物)を食べて動物性タンパク質を同時吸収しているからです。

●菌糸(土壌菌)と微生物のバランスが良い環境は、幼虫が大きく育ちます

幼虫


この様に幼虫は自然界の遺物(倒木や枯れ木)をキノコ→クワガタ→カブトムシと力を合わせてリレーで繋ぎ、土に近づける分解という大きな役割りを持っています。

そして、出来上がった栄養価が高い土を作り上げ新たな緑の誕生を促しています。

クヌギ

カブクワは戦国武将?

自分は子供の頃、強くて大きなカブトムシとクワガタ、その動きや迫力の魅力に惹かれて採集に明け暮れていました。

昔はブリード(産卵させて育てる事)とかいうものは存在していませんでした。それでも楽しかったです。

友達と一緒に採集に行ってジャンケンで負けてメスしかもらえなかった時なんかは泣いていました。

そこまで夢中にさせる魅力を考えてみました。


兜

『兜の形をしたカブトムシ』、その兜の前方についているカッコいい装飾品の『鍬形の形をしたクワガタムシ』。

兜と鍬形と言えば戦国武将。戦国武将とこれらの昆虫に共通する特徴は「戦好き」です。

更により強い戦国武将や戦国大名になると「大きな兜」に「大きな鍬形」が持てる様になります。

多くの人が強い武将の象徴の真田幸村、伊達政宗、黒田長政などにはロマンを感じます。

自分も厳しい戦国時代を生き抜こうとした「生き様」に憧れさえ抱きます。


こんな感じで昆虫や武将には、カッコ良さだけでなく、同時に強さや大きさへの魅力も感じさせてくれる共通点がある様に感じます。

更に好奇心を駆り立てるのは豊富な種類と豊富なバリエーションです。

日本に棲んでいる種類だけでも個性が全く異なり「どうしてこんなに違うの?」と子供ながらにカッコ良さや強さ、大きさに憧れを感じていました。

大人になった今現在、進学や東京への就職で一度はカブトムシやクワガタを辞めた自分が再び、興味を示し始めたのは「大自然での強さ」にひかれているからです。

それぞれの個性の裏には大自然の中で絶滅しないために色々な形や色、大きさや強さを身に付けています。
また、後世により強い遺伝子を残そうとする自然界の生き物の神秘もあります。

同時に大自然で生き抜こうとする「生き様」の様な物が伝わってきます。

これが「厳しい戦国時代を生き抜く戦国武将」=「厳しい大自然を生き抜くカブトムシ、クワガタ」の魅力の共通点なのかもしれません。

「力強さ」と「自然に生きる生物」、子を持つ親の多くが子供に見せてあげたい昆虫の第一候補に挙げる理由も分かる気がします。

樹液の季節に合わせて活動する?

樹液に集まるクワガタ

自然界のクワガタは、夏から秋に掛けて羽化すると地中や朽ち木内の蛹室(蛹になる時の部屋)の中から出ずに1回冬眠してから翌年の初夏から夏に活動します。

勿論、冬眠中(休眠中)は、飲まず食わずの状態です。

実は、樹液が出る季節まで体内に栄養分を蓄えて生き続ける特異な能力を秘めています。

※これらの事は自然界では短命と言われるノコギリやミヤマにも当てはまります。

複数年の寿命を持つヒラタやコクワ、オオクワも同様に樹液がる初夏から夏が終わると翌年の初夏まで冬眠します。

樹液に集まるカブトムシ

一方、こちらは夏に羽化すると直ぐに活動して秋になる頃には命が尽きてしまうカブトムシです。

こちらも実は、樹液の季節に合わせて羽化して活動や繁殖を行い夏が終わって樹液が止まる頃には死んでしまいます。

※羽化後、数ヶ月で寿命が尽きてしまう事がクワガタとの大きな違いです。

2枚の写真でも分かりますが樹液に集まる昆虫は、エサ場やオスとメスの出会い(繁殖)の場となる貴重な樹液が出る季節にしか活動しません。

日本は、熱帯雨林のジャングルと違い四季が有り、四季に合わせた美しい自然が有る国です。

その為、日本には常緑樹(葉を落とさない木)で樹液が出る木が殆ど無く、落葉広葉樹(秋になると紅葉して葉とドングリを落とす木)が樹液を出す木です。

落葉広葉樹とは、クワガタやカブトムシが大好きな事で有名なクヌギ、ナラ、ブナ科の植物になります。

これらの木の特徴は、秋になると紅葉が始まり、冬には落葉してしまいます。

初夏の新緑の季節が始まると平べったい葉を沢山付け始め、夏が近づくと樹液が出始めます。

秋が近づくと種子(ドングリ)を実らせ始め、秋になる頃には徐々に紅葉が始まります。

実は、樹液が出る季節は落葉広葉樹が緑の葉っぱを付けている時だけです。

落葉広葉樹は、日照が短くなる秋になると栄養分を葉っぱ(上方向)では無く、根っこ(下方向)に向かわせる為に樹液が止まります。

この短い夏の間だけが、これらの大型甲虫(こうちゅう)のエサが自然界にある季節です。

この季節は、昆虫界の恐竜的な存在でもあるカブクワが最も活発な季節です。

ただし、短命な種類(カブト、ミヤマ、ノコギリなど)の生涯は、秋に樹液が止まると同時に終焉を迎える事になります。

冬眠する事が出来るヒラタやコクワ、オオクワは、樹液が止まる秋になると徐々に活動を止め、次の樹液の季節まで半年前後の長さに及ぶ冬眠に入ります。

但し、飼育下では厳しい自然界と違って環境が良いので秋以降も常温でエサを食べ続けます。エサ切れにはご注意ください。


冬眠中のコクワ
自然界で冬眠中のコクワガタの画像です。

カチカチになって動かずに仮死状態ですが体内に栄養分を蓄えており、次の樹液の季節になる頃には元気に活動を開始します。


上記の事から日本のクワガタの場合は、冬場はヒータなどで加温をせずに冬眠させた方が長く生きてくれる傾向が有ります。

繁殖(産卵)時期も自然界の個体が活動している5月下旬から8月に行うと最も効率的です。

それ以外の季節は、本来の冬眠の時期なので加温しても産卵しない事が多いので冬眠させておいた方が無難です。

◆ここ数年の亜熱帯化した猛暑で飼育下の昆虫も羽化日に関係なく梅雨明けを挟むと急に活発に動き始めてエサを食べたり、産卵可能になる事が多いです。