無添加プレミアム幼虫マット(虫吉マット)の使用方法の説明書【クワガタ版】

マットボトル800ccに幼虫を入れる様子

無添加虫吉プレミアム幼虫マット及びマットボトルでのクワガタ飼育に関する説明ページです。

クワガタの飼育推奨温度やマットの詰め方、幼虫の入れ方、交換タイミングなどを詳しく説明しております。

クワガタとカブトムシは、全く異なる昆虫なので飼育方法や幼虫期間も全く異なります。

また、最適な環境で飼育しなければ、大きく育たなかったり、羽化できずに死んでしまう場合もあります。

飼育が初めての方は、是非参考にしてみてください。

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保管や使用の注意点

・保管について

お受け取り後に必ず箱から完全に出して涼しい場所で保管してください。

例え箱の上を開けても空気の流れが遮られて菌類や微生物が窒息してしまいます。

酸欠で嫌気性の発酵を起こすとマットの品質が低下する場合もあります。

絶対に箱に入れたまま保管しないでください。


・ガス抜きについて

無添加につきガス抜き不要です。(直ぐに使えます)

無添加ですが気温や保管環境により、袋の開封時に少し酸っぱい匂いがする事がございます。

オガクズの自然発酵の匂いなので使用上の問題はございません。

※ガス抜きは、乾燥やコバエの混入による品質の低下を招きますので絶対に避けてください。

ガス抜きとは、添加剤が入ったマットで発生するアンモニアなど幼虫の死亡の原因になる有害なガスを広げて飛ばす面倒な作業の事です。


・水分調整について

適切な水分調整を行い発送しておりますので使用時に水を加える必要がございません。

水を加えると劣化が早まってしまいますので避けてください。

飼育中の加水は、高さ10センチ以上のボトルを用いて、固く詰める事で不要です。

※表面は、空気に触れるので、どうしても乾燥しますが、基本的に乾燥する前に交換を迎えます。


・使用期限について

ホームページの説明のとおり、お届けから3ヶ月前後です。

お届けから3ヶ月以上経過したマットは、微生物や菌類による分解が進んで本来の品質を保てません。

こうした理由で未使用でも古くなったマットの幼虫への使用はお勧めしません。

必ずお早めに使用及び交換を行ってください。

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【飼育温度】

・夏季の温度

25℃以下(冷房が必要)を推奨します。

※ミヤマクワガタの場合は、高温に弱いので20℃前後(22℃以下)を推奨します。

記載の温度を超えると死亡率が上がってしまいますのでご注意ください。

■真夏に温度管理が必要な理由
クワガタの多くは、森の中の地面(林床と呼ばれます)の温度が30℃を超える場所では生息できません。
※特に暑さに弱いミヤマクワガタは、林床温度が25℃を超えると厳しいと言われています。

クワガタは、【暑さに弱い夏の昆虫】なので風通しが悪い高温多湿な環境だと死んでしまいます。

飼育下の場合、容器内のマットや菌糸の温度は、外気温よりも3℃前後、高くなると言われています。

例えば、外気温が25℃の場合、中の土の温度が28℃前後に上昇する事を意味します。
※外気温がそれ以上になると内部は30℃に達します。
これが25℃以下(ミヤマは22℃以下)を推奨する理由です。

こういった理由で夏季(概ね5から10月まで)は、必ず冷房が効いた涼しい環境で飼育をお願いします。
(飼育環境を森林内部の冷んやりとした環境に近付けてあげる事がポイントです。)


・冬季の温度

5から20℃の範囲内で大丈夫です。
日本に生息する種類の場合は、基本的に室内常温で飼育可能です。

■冬場の加温の注意点
真冬にエアコンを用いて終日20℃前後の一定の温度管理を行い、幼虫を冬眠させずに大きく育てる方法もございます。

★但し、ミヤマクワガタの場合、過度な温度管理はお勧めしません。
暑さに弱いので、真冬でも温度が高くなると潜らずに上に出てくる(小型化と死亡)リスクが上がります。
※室内常温の5から10℃台の温度でも十分です。

また、エアコン以外の温度管理は、異常加熱や酸欠によるトラブルが発生しやすいのでお勧めしません。

真冬に25℃を超える温度管理を行うと幼虫の季節感覚がなくなり、成長サイクルが狂ってしまい蛹になる事ができない場合があります。

また季節を問わず、飼育温度が高いと死亡や小型化のリスクが上がります。

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【飼育方法】

幼虫割り出し後の管理やボトル詰めの方法などを紹介しております。

途中の説明が不要な場合は、下記の項目を選んでください。


■カップから割り出した幼虫に使用する場合

クワガタの産卵セットの割り出し

産卵セット(産卵の容器)から取り出した幼虫を直接ボトルに入れると外傷や異常があった場合、すぐに死んでしまい餌のロスが発生してしまいます。

その為、3から7日だけ小さなカップ一時的に管理して異常の有無を確認後にボトルに入れるのが一般的です。

割り出したクワガタの幼虫をカップで一時管理

管理用のカップにマットを固めずに入れて取り出した幼虫を1匹ずつ管理します。

カップに通気穴を開ける場合、あらかじめ本体の側面に2箇所だけ針で穴を開けると良いです。

あくまで幼虫の異常を見極める為の一時的な保管につき、問題がなければ早めにボトルに入れてください。

成長不良や小型化の原因になってしまいますのでカップの中で放置しないでください。

下記のページに異常がある幼虫を紹介しています。参考にしてみてください。


■ボトルの詰め方

マットをボトルにプレスする様子

当店でも販売しているマットプレスなどを用いてボトルに固く詰め込む必要があります。

一度に沢山のマットを入れると上手く詰める事ができませんので園芸用スコップで2から3杯ずつ入れてプレスするを何度か繰り返してください。

マットを詰めるボトルの位置

必ず、ボトルの肩口よりも数ミリ上の首に掛かる部分までしっかりと詰めてください。

しっかりと詰める事で乾燥や糞食を防いで次の交換の3ヶ月後まで確実に持たせる事ができます。

■虫吉のワンポイントアドバイス

乾燥や糞食による成長不良や死亡を避ける為、必ず高さ10センチ以上のボトルを使い、固めたマットの層が10センチ以上になる様に詰めてください。
※500ccのクリアボトルは、マット飼育に不向きです。

なお虫吉では、約1.7から1.8倍の圧縮で詰めることを推奨しています。
(800ccのボトルの場合、約1400ccのマットを使用)


詰めるのが大変だとお感じの方へ
ボトル詰め商品(マットボトル)のご紹介

マットボトルの画像

ガツンと渾身の超固詰め!虫吉マットボトル
(ヒラタ、ノコギリ、ミヤマなどの幼虫専用)

実際に詰めてみて大変だったというお客様も多くおられます。

そんなお客様の為、一本入魂の超固詰めの虫吉オリジナル商品です。

固くても酸欠しないように計算された詰め方で丁寧に詰めています。

次の交換まで絶対に3ヶ月間放置可能な超人級の固さです。

(手に取った時の重量感が半端ない?)

光による幼虫のストレスを軽減する為、遮光タイプのボトルを使用!

▼雌雄や幼虫年齢に関係なく幅広く使える800cc▼

▼離島産など大きなオスの終齢に最適な1400cc▼


■幼虫の入れ方

マットボトルに幼虫を入れる様子

幼虫を入れる際は、専用スプーンもしくは、穴あけシャベルで幼虫が入る大きさの穴を掘って行ってください。

その際、必要以上にマットを掻き出す必要はございません。

※直接、幼虫を手で摘むと傷付けたり、潰して死んでしまう恐れがありますのでスプーンを用いると良いです。

幼虫を入れたら蓋を閉めて風通しが良い環境を保ってください。

絶対にボトルを重ねたり、箱状の物の中に入れたり、周囲を布などで覆わないでください。

酸欠によるトラブルの原因になります。

【意外に重要】虫吉のワンポイントアドバイス!

マットには、幼虫の成長を助ける菌類や土壌生物、バクテリアなど目に見えない微生物が沢山生息しています。

これらを安定させる為、ボトルに詰めてから3から5日ほど飼育環境で保管した後に幼虫を入れた方が幼虫の落ち着きが良くなります。
※マットボトルをご購入の際は、箱から完全に取り出して同様の事を行なってください。

また、常時サーキュレーター(送風機)を用いてお部屋に空気の流れを作る事で飼育中の酸欠トラブルを回避できます。


◆交換のタイミングについて

幼虫の大小や雌雄に関係なく蛹(蛹室)が確認できるまで必ず3ヶ月後に交換してください。

食べる量に関係なく、時間と共に微生物などによる分解が進んで劣化するからです。

また、カブトムシよりも成長速度が遅く、2本目以降の交換で一気に大きく育つ場合が殆どです。

★餌が劣化する前(3ヶ月毎)に1本目→2本目→3本目・・・とリレーの様に交換する事で健全に大きく育ってくれます。

【交換リレー】と呼ばれ、エサ交換のタイミングは最も重要です。

※絶対に放置プレーにしないでください。


■蛹室について

ボトルの中のクワガタの蛹

蛹室とは、蛹の部屋(横穴の空洞)の事です。

穴の内側の周囲を唾液や糞で塗り固めて壊れない様に形成します。

蛹室は、前蛹→蛹化→羽化という順番で全く異なる姿に変態(形状や性質が変化)して行く為の大事な「ゆりかご」の様な存在です。

壊してしまうと寝返りができず、正常な蛹化や羽化が出来ない【蛹化不全】【羽化不全】を起こし死んでしまう事もあります。

交換の前にボトルを確認していただき、蛹室(空洞)が見えていたら交換せずに様子を見てください。

※絶対に蛹室を壊して中の幼虫や蛹を掘り出さないでください。

空洞発見時の蛹室か食痕(坑道)の見分け方

判断が難しい場合は、交換を半月ほど延期して「前蛹」と呼ばれる蛹の前段階(伸びた状態)か蛹になっているかを見極めてから交換を行なってください。

以前と見比べていただき、空洞がなくなっていたり、幼虫が明らかに移動している場合は、蛹室ではなく食痕(坑道)なので交換していただいて大丈夫です。

▼卵から羽化までの成長過程の紹介▼

・万が一、蛹室の上を少し壊してしまった場合、慌てずに手を止めて下記のページをご覧ください。

・万が一、蛹室を全壊させてしまった場合は、下記の方法で羽化させてください。

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【飼育の注意点】

■幼虫期間について

クワガタは、カブトムシと異なり、必ず1年後の夏に羽化する昆虫ではございません。

種類や飼育環境(温度など)により、幼虫期間が大きく変わります。

特に初めての方は、カブトムシと同じ感覚で飼育される事が多いのでお間違いの無い様にお願いします。

なお、自然界で成虫の寿命が一夏だけの種類(主にノコギリやミヤマ)は、その分だけ幼虫期間が長い傾向があり、1年で羽化しない事があります。

特に大きく育ったオスは、羽化までに2年前後掛かってしまう事もあります。

その場合、同じ兄妹でもオスとメスの羽化タイミングが数ヶ月から1年ほどズレてしまう事もあります。

★勿論、幼虫期間が長い種類やオスの場合、交換回数が多くなります。


■無闇に掘り出さない事!

★【注意点】クワガタの幼虫は、滅茶苦茶デリケートです。

餌交換と羽化の時以外は、絶対に幼虫を掘り出したり触らないでください。

また、ボトルに強い衝撃を加えないでください。

上手く育っているか気になるかと思いますが、興味本位でボトルに触ったり、掘り出してしまうと圧迫による外傷で死んでしまったり、極度のストレスで縮んで小さくなってしまいます。

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【マットの変色について】

マットの変色

飼育中にボトルの表面や側面のマットが黒もしくは茶褐色に変色する場合があります。

原材料のオガクズに含まれる菌糸(食用キノコの菌)が空気に触れ、乾燥した部分だけが変色した状態です。

また、環境によっては、白い菌糸が発生する事もあります。

見た目が悪いですが、飼育上の問題はありませんので取り除いたり、交換の前倒しの必要もございません。

※真っ黒な泥状のマットと異なり、どうしても変色が目立ってしまいますが害はございません。