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クワガタの卵から羽化までの成長過程

クワガタの卵から成虫になるまでの様子や成長段階別の飼育方法等を画像を載せて紹介致します。

期間は、エサや温度などの環境で多少変わるので参考程度にしてください。


卵です。

卵

産みつけられた卵は、10日から20日前後で孵化が始まります。

孵化が近づくにつれて少しずつ大きく丸くなります。

卵の大きさは種類によってまちまちですが約2から3ミリ前後です。

乳白色か少し黄色っぽい色をしています。

卵は、管理用カップに無添加幼虫用マットを入れて1匹ずつ管理をして孵化を待ちます。


孵化したばかりの初齢(一齢)幼虫。

孵化したばかりの初齢

孵化直後の小さな幼虫です。(頭部は真っ白で未だ卵の殻をかぶっています。)

卵から孵化した直後は、白っぽく貧弱な姿をしていますがエサの朽ち木やマットを食べながら少しずつ大きくなって行きます。

傷や虚弱の有無を見極めるために菌糸ビンやマットボトルには入れずに管理用カップに無添加虫吉幼虫用マットを入れて1匹ずつ管理をして成長を待ちます。

※4から10日ほど養生させる感じです。


成長した初齢幼虫です。

初齢(一齢)幼虫

孵化して数日経過した初齢幼虫です。

既にエサ(マットや朽ち木)も食べておりお腹(腸内)が茶褐色に色付いています。

体長は種類によってまちまちですが約5から10ミリ前後です。

頭の大きさは約1から2ミリ前後です。

初齢幼虫も卵同様管理用カップに各種幼虫マットを入れて1匹ずつ管理をします。(最低でも4から7日前後)

オオクワガタの菌糸ビン飼育の際、写真の状態の大きさでクヌギ500ccに入れないと大きくなりにくいです。

但しマット飼育やその他の種類は次で説明する二齢になるまでカップの中で育てます。


脱皮したばかりの二齢幼虫です。

脱皮したばかりの二齢幼虫

初齢幼虫が約2から3週間後に最初の脱皮を行った直後です。

体は透き通った様な綺麗な白色をしています。

少し頭でっかちな状態です

割り出しやエサ交換の際にこの状態で出て来たらカップにマットを入れて頭がオレンジ色になるまで待ちます。


成長した二齢幼虫です。

二齢幼虫

脱皮して数日が経過して頭部もオレンジ色になりエサを食べて少し大きくなった状態です。

体長は種類によってまちまちですが約15から25ミリ前後です。頭の大きさは約3から6ミリ前後です。

この時点で菌糸ビン500ccもしくは、800ccボトルに各種マットを詰めて入れます。

※初齢から入れると死んでしまう事が多い種類もいます。

なお、ミヤマやネブトはマット飼育です。

ヒラタの仲間、ノコギリの仲間の1本目のエサは、マットボトル、菌糸ビンどちらでも大丈夫です。

オオクワは、前述のとおり初齢から入れても大丈夫です。


終齢(三齢)幼虫の前期です

終齢幼虫(前期)

二齢が3から4週間後に脱皮した最終段階の幼虫です。

大きな種類では頭部も1センチ前後の大きさになります。

体の大きさは、オスの場合だと5センチ以上になり、メスも500円玉よりも大きくなる種類もいます。

この時点でオスとメスの区別が可能です。

幼虫の雌雄の見分け方はコチラ>>>

画像の幼虫は未だ体が白いので更に大きく成長可能です。


終齢(三齢)幼虫の後期です

終齢幼虫(後期)

終齢幼虫は前期(成長期)⇒後期(成熟期→老熟期)の大きく2つに分けられます

成長しきった終齢幼虫が成熟期を過ぎて完全に黄色みを帯びた姿(老熟期)です。

この段階を迎えると大きくならないので菌糸ビンを使っても効果が余りありません。

殆どの種類は、マット飼育に切り替えても蛹になってくれます。

※老熟期は蛹室を作り始める段階に達した幼虫の事で飼育下では越冬幼虫(2年目)の物も含まれる事もあります。


前蛹(ぜんよう)です。

前蛹

成熟した幼虫は、暖かい季節を迎えたり気温が上がって蛹になる為の空洞(蛹室)を作り始めます。

その直後に迎える蛹の準備段階を「前蛹(ぜんよう)」と呼びます。

撮影の為に出していますが、実際は絶対安静ですのでマネはしないでください。

気温や幼虫の大きさにも左右されますがこの状態が2から3週間続きます。


サナギ(前期)です。

蛹(前期)

前蛹の期間を過ごした幼虫が脱皮を行ってサナギになった姿です。

※画像はノコギリクワガタの仲間のサナギです。

最初は画像の様にクリーム色っぽい色をしていますが羽化が近づくと茶褐色に変化して行きます。

体が折れ曲がった様な姿をしています。

撮影の為に出していますが、無理に出すと羽化不全(羽化の失敗)の原因になります。

気温や性別、サイズにも影響されますが約3から4週間後に羽化します。


サナギ(後期)です。

蛹(後期)

サナギになってから2週間前後が経過して大アゴや頭部、胸部、脚部が徐々に茶褐色に色付き始めた状態です。

※画像はヒラタの仲間のサナギです。

昆虫の雑学になりますがサナギのお尻には左右一対の突起が有り、それを蛹室の壁に引っ掛ける様に寝返りを打ちます。

また外的が近づいたり警戒した際にも巧みに利用して音を立てて防衛しているという説も有ります。

この状態まで進むと羽化はもう目の前です。
※実際は出さずに安静に羽化を待ちます。


羽化直後の成虫です。

羽化直後の成虫です。

最初は、上翅が真っ白で下翅も畳んでいません。

胸部と頭部は、蛹の姿同様に前屈姿勢で折れ曲がったままですが時間と共に徐々にまっすぐに伸びて下翅も畳みます。

羽化している時は、揺らしたり、ひっくり返さないようにしてください。


羽化して数日後の成虫です。

羽化して数日後

羽化して数日経過したクワガタの新成虫です。

体が徐々に黒く色づき、固まって行きます。
体が固まるまで約1ヶ月前後掛かります。

種類や気温(季節)、個体差にもよりますが数ヶ月間(半年以上)エサを食べない事も有ります。

反対に羽化後1から3ヶ月以内でエサを食べ始めて活動を開始する個体もいます。

心配な場合は羽化から約1ヶ月が経過した時点でボトルから出して飼育容器に移し替えてあげると良いです。

オオクワガタの幼虫飼育方法

オオクワガタの画像

このコーナーでは、日本に生息する通称:国産オオクワガタ の幼虫飼育についてご紹介致します。

●推奨温度:5から28℃(真夏は冷房が必要です)

成長を促す為(大型個体作出)の推奨温度として秋冬は20℃以下(5から10℃台でも可)、春夏は21から26℃前後をお勧めします。

高温に弱いので30℃以上の環境を避けてください。

★一般的に餌の種類を問わずボトル内の温度は、外気温よりも2から3℃(場合によっては、それ以上)も高くなると云われています。

一方、最低気温は記載した温度よりも多少低くても問題はありません。

種類や個体差、環境にもよりますが15℃を大きく下回ると冬眠してエサを余り食べなくなります。

冬眠中は、成長が一時的に止まりますが問題は御座いません。

※但し、氷点下の環境は、ボトル内が凍ってしまいますので避けてください。

オオクワガタの場合は、若干低い温度でも成長(加齢)しますが15℃以下の環境のだと少しずつ成長が遅くなります。

常温(温度管理無し)の場合、エサの種類に関係なく真夏の高温で大きく育つ前に早熟してしまい小型化して羽化する傾向があります。

また真冬に気温が低いと冬眠してエサを食べずに成長が止まるので幼虫期間が長くなってしまいエサの交換回数が増えてしまう傾向があります。

真冬の25℃を超える過度な加温環境は、エサの乾燥や劣化だけでなく成長のサイクルが狂ってしまい蛹化しない等のトラブルの恐れがあるので余りお勧めしません。

※冷暖房などで温度管理をされる場合、夏と冬の気温の逆転を避けた方が良いです。

寒い時期に常温に近い低温管理をして、幼虫に季節を感じさせる事で【セミ化】と呼ばれる蛹化しないトラブルを軽減できます。


◆産卵木から割り出しについて

産卵木から出て来た初齢

産卵木から出て来た初齢幼虫の画像です。

菌糸ビンで大型個体を狙う場合は、初齢で割り出した方が断然有利です。

詳しい産卵方法について>>

幼虫の成長過程について>>

カップに入れます

産卵木から割り出し採取したら画像の様に一時管理用カップに虫吉オオクワマットを固めずに入れて4から7日前後養生させてから各種ボトルに入れ替えると良いです。

※上記の養生日数は、割り出し時に傷付いたり、潰していた際に数日後に死んでしまう事が多いので見極める為の期間です。

・管理ラベルに種類や日付を記載して貼っておくと今後の飼育に役立ちます。


■割り出し時に必要なアイテム

オオクワマット
オオクワマット
カップ
管理用カップ
管理ラベル
管理ラベル
スプーン
交換用スプーン

★これから紹介する3パターンの飼育方法は、お客さまのお好みで選んでください。

手軽なマット飼育、最も一般的な菌糸ビン飼育、当店が実際に行なっている菌糸ビン→マットへの切り替え飼育といった感じになります。

※飼育例に乳白色のボトル(旧製品)の画像がある事がございますが現在は、茶色い遮光クリアボトル(新製品)を用いた商品のみを販売しております。


●マット飼育について>>>


●菌糸ビン飼育について>>>


●切り替えについて>>>


マット飼育について

幼虫をマットに入れる様子

こちらの方法は、菌糸ビンと異なり『コンディション(劣化)』や暴れ(掻き混ぜ行動)、コスト面を気にせずに気軽に飼育が出来ます。

また羽化不全(羽化の失敗)も少ない傾向があります。

一方、大型個体が羽化しにくい事や成長速度が遅く交換回数が多くなる傾向があります。

「大きさ重視」ではなく、「手軽さ重視」の方法になります。

マットのみだと大きな個体を羽化させる事が困難というのが一般的です。

沢山殖え過ぎて手間やコストが大変な場合に割り切って活用すると良いかもしれません。

幼虫の年齢、大きさ、雌雄に関係なく、オオクワマットを木製プレスで800ccもしくは1400ccボトルに固く詰めた物に投入します。

※基本的に高温に弱いので30℃を超えない環境で飼育する必要があります。

夏季は、冷房が効いた25℃以下の環境を推奨します。


◆詰め方について

ボトルに詰めている様子

木製プレスという道具を用いてボトルに固く詰め込む必要があります。

固く詰めるコツは、一度に沢山のマットをボトルに入れない事です。

園芸用のスコップ2杯相当の量を入れて少量ずつ固めると良いです。

※兎に角、朽ち木に見立てて強く詰めます。

添加剤配合タイプにつき固く詰めた状態で発送すると再発酵によるガス発生のリスクがあるのでボトル詰め商品の取り扱いができません。

お客様の方でボトル詰め作業をお願いします。

・詰め方について>>


交換のタイミングとして、基本的に【蛹室】と呼ばれるサナギの部屋(横型の空洞)を作り始めるまで3から4ヶ月毎の交換の必要があります。

マットは、目に見えない良質な土壌菌や微生物が絶えずオガクズを分解しているので時間の経過と共に劣化します。

真冬に余り食べていなくても4ヶ月後の交換をお勧めします。


■理想の交換リレーについて

・1本目:800cc

・2本目:800cc

・3本目以降:800ccもしくは、1400cc(大型のオス)

上記は、参考例につき環境や気温によって実際の成長速度が異なる場合も御座います。

冬場の常温(無加温)環境の際は、越冬後の5月以降に蛹化する事があります。

出来れば6から8月の交換を避ける為に4から5月迄に交換を済ませてしまう事をお勧めします。

なお、マット飼育は成長速度が遅いので気温や産卵の時期によって2年掛けて羽化する場合も御座います。

その場合も蛹室を作り始めるまで4ヶ月毎の交換を続ける必要が御座います。


■必要なアイテム

オオクワマット
オオクワマット
800cc
800ccボトル
1400cc
1400ccボトル
木製プレス
木製プレス

◆投入方法について

穴を空けます
表面に穴を空けます。
スプーンを用いて投入します
ボトル内に投入します。

専用のスプーンを用いて表面に幼虫が入る大きさの穴を空けて余分なマットを取り除いてください。

※特に終齢の場合は、潜る際に土が盛り上がって通気口が塞がってしまう恐れが御座いますので思い切って捨ててください。

終齢は、穴に入れると勝手に潜って行きますので特に埋め戻す必要は御座いません。

初齢や二齢は、上からマットを軽く掛けて埋め戻してあげても大丈夫です。

投入後は、フタを閉めて涼しい静かな場所に保管します。

また、ストレスに弱いので無闇にボトルを触ったり、掘り起こしたりしないでください。


◆交換方法について

ボトルから幼虫を慎重に取り出します。

オオクワガタの幼虫は、とてもデリケートです。

衝撃や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり衝撃を与えるなどの乱暴な扱いをしてしまうと傷付いたり自爆(自傷行為)の原因になってしまいます。

交換用スプーンを用いて慎重に掘り出したり移動させると良いです。

エサ交換に関する説明>>


◆蛹室について

蛹室

蛹室の画像です。

空洞を作っていたらエサ交換を中止してください。

◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)

慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。

※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

露天掘り
露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室ついて


菌糸ビン飼育について

幼虫の画像

菌糸ビンとは、キノコの栽培に使用される菌床を幼虫のエサとして改良して作られた商品です。

栄養価やオガクズ、含水率など成長に最適な状態に整えられている物が多く、爆発的な大きさに育つ事が見込まれます。

近年のオオクワガタ飼育では、「大型個体の必需品」的な存在になっており、始めての方でも80ミリオーバーのご報告がある程です。

最大のメリットは、『爆発的なデカさ』の一言で済ませる事ができる程です。

菌糸の食性が強いので出来れば「初齢」と呼ばれる卵から孵化して二齢への脱皮する前(5ミリから1センチ未満の大きさ)で入れると比較的簡単に大型個体が狙えます。

『 物事は最初が肝心』の言葉が当てはまります。

成長速度が早い反面、高温下だと劣化や早期羽化(小型化)の原因になってしまうので25℃以下の環境を推奨します。

※大型個体を目指す場合は、25℃以下(理想として20から24℃前後)をお勧めします。

それでは、簡単な流れを紹介します。

★最初の1本目の投入の適齢期は?

初齢
初齢の画像
二齢
二齢の画像

最大の魅力の一つ『大きな成虫を羽化させる』為には、上記の若齢と呼ばれる初齢と二齢の段階で投入する必要があります。

※出来れば初齢で菌糸ビン500ccへ投入する事をお勧めします。

500ccのボトルは、後ほど詳しく説明しますが若齢時の1本目に最適なサイズです。

終齢

終齢の画像です。

この状態で投入しても効果が得られにくいので冒頭でお伝えしましたとおり、早めの産卵木の割り出しをお勧めします。

小さなうちに投入して終齢まで育った幼虫の方が2本目以降の成長の伸びが大きい傾向があります。

※終齢の場合は、800ccをお勧めします。


◆若齢時の最初の1本目の投入について

菌糸ビンに初齢を入れる

専用シャベルもしくは、餌交換用のスプーンを用いて菌糸ビン500ccの隅に軽く穴を掘って幼虫を入れます。

投入した後は、フタを閉めて、出来れば20から25℃以内の環境で保管します。

エサ交換の時以外は、フタの開け閉めや中身の掘り出しをしないでください。

また、不用意な移動や振動は、ストレスになりますので避ける事をお勧めします。


■初齢、二齢(一本目)に最適な菌糸ビン

クヌギ500cc
クヌギ500cc
ブナ500cc
ブナ500cc

★ボトルの容量と消費期限の関係について

菌糸ビンは、ボトル内で生きたキノコの菌が常にオガクズを分解しています。

なので2から3ヶ月後には、見た目は綺麗でも実際は、分解(劣化)が進んでしまいます。

従って小さな若齢(初二齢)のボトルのサイズは、上記の2から3ヶ月で食い尽くしてしまう容量でなければなりません。

若齢には、500ccが最適な理由です。

若齢時にいきなり大きな容量の物に投入してしまうと食い尽くしてしまう前に劣化が進んでしまい効率が悪くなってしまいます。

特に大型個体を狙う場合、1本目に大きなボトルに入れて長期間引っ張る方法は余りお勧めしません。


■理想の交換リレーについて

・1本目:500cc

・2本目:800cc(終齢時) 

・3本目以降:800ccもしくは、1400cc(大型のオス。)

※上記の交換パターンは、参考例につき温度や環境で大きく異なります。

寒い季節に割り出した幼虫の場合、気温が下がるので1本目から2本目への交換の際に若齢のまま出て来る事もあります。

その場合は、外見で判断出来る様でしたら2本目も500ccに投入していただいても問題ありません。

多くの場合、1年前後で蛹化(羽化)しますが気温や割り出しの時期、サイズによっては、『二年一化』と呼ばれる羽化までに2年掛かってしまうケース発生します。

秋以降に産卵木から割り出した場合、無加温(低温)で飼育すると冬眠して成長が止まってしまうので羽化までに2年掛かってしまう確率が増えてしまいます。

交換する菌糸ビンは、菌種が同系統同士の交換であれば特に問題は無いのでクヌギかブナの樹種に関してはお好みで大丈夫です。

例)1本目クヌギ→2本目ブナなどの交換もOK!【当店で検証済み】


■交換タイミングについて

白い部分がなくなった状態

エサ交換のタイミングは、画像の様に6から7割ほど白い部分が無くなってしまった状態か白い部分が多くて余り食べていなくても2から3ヶ月で交換する必要があります。

従って、冬場に余り食べていなくても菌床が劣化しているので最低でも3ヶ月後の交換が必要になります。

2から3ヶ月での交換の理由として前述の『劣化』と中心だけを食い尽くして外見が真っ白のままの『居食い』と呼ばれる食べ方があるからです。


◆『居食い』についての解説

居食いです。
外見上は、綺麗な居食いのボトル。
中央だけ食い尽くした様子
中央だけ綺麗に食い尽くしています。

★1本目→2本目以降の交換について

菌糸ビン800cc

2本目は、基本的に終齢(頭部のオレンジ色の部分の大きさが1センチ前後)になっている事が多いので雌雄を問わず、画像の800ccの菌糸ビンで大丈夫です。

※800ccの理由として、若齢で1本目に投入しているので掘り出すまで雌雄や大きさを予測できないからです。

終齢まで育っていれば雌雄の判別が可能になっている事が多いので管理ラベルに性別を記載しておくと以降のエサ交換や管理に役立ちます。

※2本目で大きなオスだった場合、次の交換時に1400ccを準備すると良いです。


◆雌雄の判別に関する解説

オス
・オスの終齢
お尻から腰に掛けて斑紋がありません
メス
・メスの終齢
後部(腰)に左右一対の斑紋(雌班)あり。

■二本目への交換に最適な菌糸ビン

クヌギ800cc
クヌギ800cc
ブナ800cc
ブナ800cc

◆取り出す際の注意点

菌糸ビン交換の様子

取り出しの際は、エサ交換専用スプーンを用いて慎重に行います。

その際に手で触ったり落下等の衝撃を与えると幼虫が自分の腹部やお尻を噛み切ってしまったり肛門から直腸が飛び出して戻らない状態(脱肛)になってしまいサナギになれずに死んでしまう報告例もあるので慎重に行う必要があります。


特に終齢と高温時は、動きも活発になるので要注意です。

エサ交換の方法について>>


◆終齢時の投入方法について

終齢幼虫を菌糸ビンに入れる様子

専用スプーンまたは、シャベルを用いて幼虫が入る大きさの穴をあけて、その中に投入して蓋を閉めます。

終齢は、大きいので潜った際に菌床が盛り上がって通気口が塞がってしまう恐れが御座いますので画像の様に端っこに穴を開けると良いです。

穴をくり抜いた際に出た余分な菌床は、思い切って捨ててください。

なお、大きく育っている為、勝手に潜って行きますので埋め戻す必要は御座いません。

3本目以降も基本的に800ccへの交換で大丈夫です。

オスの30グラム級の終齢

極稀に30グラム級の特大サイズのオスの終齢が出て来る事があります。

その場合、800ccでは手狭になるので下記の1400ccをお勧めします。

1400ccに投入する様子

オオクワガタの終齢を1400ccに投入した様子です。

直径が約12.4センチなので80ミリ級でも安心です。

クヌギ1400cc
クヌギ1400cc
ブナ1400cc
ブナ1400cc

◆蛹化について

サナギの画像

サナギの画像です。

サナギになる数週間前から終齢は、画像の様な空洞(蛹室)を作り始めます。

蛹室と思われる空洞を作っていたら交換を避けて様子を見てください。

蛹室を壊してしまうと羽化出来なくなる恐れが御座いますので十分にご注意ください。


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)

慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。

※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

蛹室の露天掘り
蛹室の露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室の作り方について

◆ご自身で菌床をお詰めになられる場合

前述の説明のコーナーで紹介した各菌糸ビンは、ご自身でお詰めいただく事も可能です。

但し、詰める強さや温度によっては、菌が回らない(白くならない)というリスクも御座います。

初めての方や温度管理ができない場合には余りお勧め出来ません。

ボトルに詰めて白く発菌させる為の推奨温度は、20から24℃です。

20℃を下回るほど白くなるのに時間が掛かります。

したがって真冬の寒い状態では、菌が回らずに失敗の恐れも御座います。

また、25℃以上の環境の場合、菌が回らずにカビてしまう事も予想されます。

真夏の高温下での作業は、菌が死滅して白くならない場合があるのでご注意ください。


◆詰め方について

菌床を詰めています

ハンド(マット)プレスという道具を用いてボトルに砕いた菌床を詰めます。

強く詰め過ぎると酸欠で菌が死滅して白くならない事もあり注意が必要です。

※マットと異なり菌糸が広がると勝手に固まりますので絶対に強く押さえ付けないでください。

温度や詰め方に不備が無ければ概ね5から7日後には真っ白になります。

・菌床の詰め方について>>

■必要なアイテム

クヌギ菌床
クヌギ菌床
ブナ菌床
ブナ菌床
500ccボトル
500ccボトル
800ccボトル
800ccボトル
1400ccボトル
1400ccボトル


切り替え飼育について

これからは、当店が実際に行っている菌糸ビンとマットの『いいとこ取り』の飼育方法を紹介します。

下記の双方のメリットを活かす方法です。

・菌糸ビンのメリット:成長が早い。大きく育つ。

・デメリット:交換回数が増えるとコストが掛かる、劣化が早い、暴れる、交換タイミングに気を使う。


・マットのメリット:エサの持ちが良い、低コスト、羽化不全が少ない、暴れの心配が無いなど。

・デメリット:成長が遅い(羽化までに時間が掛かり過ぎる)、交換回数が増える、若齢から入れると大きくならない。

上記の緑色のメリットの部分を上手く組み合わせ、菌糸ビンで大きく育ててから暴れによる大きな縮みを回避する為にマットへ切り替えるという方法です。


■切り替え時の交換例

・1本目:菌糸ビン500cc

・2本目:〃〃800cc(終齢時)

・3本目:虫吉オオクワマット(ボトルのサイズは、800ccか1400cc) 

※加齢していない場合は、4本目からの切り替えでも構いません。

上記の交換例は、参考であり温度や成長具合で大きく異なる場合があります。

基本的に温度に関係なく交換直後に暴れ(掻き混ぜ)を起こして、2週間経過しても蛹室を作らない場合は、切り替えて問題無いです。

朝晩や季節に関係なく20℃以上の一定の気温管理の場合は、成長が早まるので2本目もしくは3本目で暴れて直ぐに蛹化してしまう事もあります。

無加温飼育(冬が寒く、夏が高温)の場合は、春から初夏の最後のエサ交換で切り替えて蛹化させるという方法が良いかもしれません。


◆菌糸ビンの暴れ(掻き混)行動について

暴れについて

暴れに関する解説>>


終齢末期

終齢は蛹化が近付くと徐々に黄色みが強くなるので画像の状態を切り替えの目安にしてみてください。

エサの種類に限らず、交換直後の高温下の環境は、極端に落ち着きが悪くなってしまうので少し温度が低い涼しい場所へ移動させるか温度を下げるなどの工夫が必要です。

切り替えについての解説>>

ヒラタクワガタの幼虫飼育方法

《↑本土ヒラタ70ミリオーバー2連発の動画↑》

このコーナーでは、離島産を含む日本のヒラタクワガタ の飼育方法を紹介しています。

●推奨温度:5から25℃

※大型個体を狙う場合は、秋冬15から20℃前後、春夏20から25℃前後をお勧めします。

高温に弱いので30℃以下で管理してください。

★一般的にボトル内の温度は、外気温よりも2から3℃(場合によっては、それ以上)も高くなると云われています。

一方、最低気温は記載した温度よりも多少低くても問題はありません。

幼虫は、個体差や環境にもよりますが15℃を大きく下回ると冬眠してエサを余り食べなくなります。

冬眠中は、成長が一時的に止まりますが問題は御座いません。

※但し、氷点下での飼育はボトル内が凍ってしまいますので避けてください。

ヒラタクワガタは、大きさに似合わず成長速度が早く、気温が高いほど早く羽化して小型化する傾向があります。

その為、常温(温度管理無し)でも孵化して翌年の初夏から夏に掛けて蛹化(羽化)する事が多いです。

因に後ほど紹介する「マット飼育」「菌糸ビン飼育」共に大きく育ち、どちらの方法でも1年以内に羽化する事が殆どです。

※二年一化(二年掛けて羽化する事)の発生率は他の種類よりも遥かに低いです。

25℃を大きく超える環境は、早期羽化(幼虫期間の縮小)を招き大型個体を狙いにくい傾向があります。

大型個体を狙う場合、温度管理(冷暖房)使用時にも下記の様にサーキュレーターとの併用をお勧めします。

サーキュレーターにて空気循環

画像の様にサーキュレーターや扇風機を用いて空気循環を促し、ボトルの微生物やバクテリアを十分に落ち着かせてから幼虫を投入する事や投入後もボトル内に円滑に空気が取り込まれる事が重要です。

サーキュレーションと微生物への酸素供給について


◆割り出しについて

産卵セットから出て来た幼虫

産卵セットから出て来たヒラタクワガタの幼虫です。

傷付けない様に専用スプーンを用いて慎重に一時管理用のカップに入れると良いです。

大型個体を狙う為には、出来れば初齢もしくは二齢幼虫の段階で割り出した方が良いです。

・産卵方法について>>

・成長過程の説明>>

カップに入れます。

産卵セットから割り出し採取した幼虫は、画像の様に一時管理用カップに無添加虫吉マットを固めずに入れて4から7日前後養生させます。

※割り出し時に傷付いたり、摂食障害などで成長出来なかったり死んでしまう場合もあるので見極める為の期間です。

その後、健康な二齢幼虫から菌糸ビンまたはマットボトルに入れ替えると良いです。

その際に幼虫管理ラベルに種類や日付を記載して貼っておくと今後の飼育に役立ちます。


☆幼虫の摂食障害(通称:ブヨブヨ病)について

摂食障害(ブヨブヨ)の幼虫
摂食障害の幼虫
正常な幼虫
正常な幼虫

左の画像の様に体の半分以上が透き通っている幼虫は、摂食障害を起こしてしまい成長出来ずに死んでしまいます。

気になる場合は、無理に菌糸ビンやマットボトルに入れずにカップの中で様子を見ていただく事をお勧めします。

産卵セットの割り出しの遅れ等の幼虫にとって不衛生な環境が長引くと目に見えない真菌の仲間が体内に入り込んで発症率が上がってしまう事が推察されます。

摂食障害(ブヨブヨ病)に関する説明>>


■幼虫割り出し時に役立つアイテム

無添加虫吉幼虫マット
無添加幼虫マット
管理用カップ
管理用カップ
管理ラベル
管理ラベル
専用スプーン
専用スプーン

★これから紹介する3パターンの飼育方法は、お客さまのお好みで選んでください。

手軽なマット飼育、ギャンブル性を伴う菌糸ビン飼育、当店が実際に行なっているお勧めの菌糸ビン→マットへの切り替え飼育といった感じになります。

※飼育例に乳白色のボトル(旧製品)の画像がある事がございますが現在は、茶色い遮光クリアボトル(新製品)を用いた商品のみを販売しております。


●【手軽でお勧め】マット飼育について>>>


●【あまりお勧めしません】菌糸ビン飼育について>>>


●【当店お勧め】菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>>


マット飼育について

ヒラタクワガタの幼虫のマット飼育の様子

マット飼育は、エサの劣化や暴れ(菌糸の掻き混ぜ)を気にせずに低コストで気軽に飼育が出来ます。

また、羽化不全(脱皮失敗)も少ない傾向があります。

手軽でシンプルに飼育したい方に最適です。

※前述のとおり、高温に弱いので30℃を超えない環境で飼育する必要があります。

真夏でも25℃以下の環境を推奨します。

菌糸ビンに比べて加齢速度が遅い分、じっくりと大きく育ちます。

当店の無添加マットだけでも本土ヒラタの20グラムオーバーや70ミリ前後の羽化のご報告もあります。

上記の商品は、「幼虫に優しい無添加」につきボトルに固く詰めて使用しても安全です。

幼虫の年齢、雌雄、サイズに関係なく、下記のマットボトルと呼ばれるアイテムに投入します。


■超固詰めタイプ!マットボトルのご案内

マットボトル800cc
マットボトル800cc
マットボトル1400cc
マットボトル1400cc

◆ご自身でボトルを詰める場合

ボトルに詰めている様子

木製プレスというボトルに強く詰める道具を用いて固く押し固めます。

時間と体力が必要ですが既にボトルをお持ちの方は、経済的に済ませる事が可能です。

固く詰めるコツは、一度に沢山のマットをボトルに入れない事です。

※園芸用スコップ2杯程度の少量ずつを何回かに分けて固めます。

・詳しい詰め方について>>


■ボトル詰めの際に必要なアイテム

無添加幼虫用
無添加幼虫マット
飼育ボトル800cc
飼育用空ボトル800cc
飼育ボトル1400cc
飼育用空ボトル1400cc
木製プレス
木製プレス

◆投入について

穴を空けます
穴を空けます。
幼虫を投入します
幼虫を投入します

専用のスプーンを用いて表面に幼虫が入る大きさに合わせて穴を空けて余分な部分は取り除きます。

特に終齢の場合、潜る際に土が盛り上がって通気口が塞がってしまう恐れが御座いますので思い切って捨ててください。

勿論、小さな幼虫の場合だと殆ど取り除く必要もありません。

終齢の場合、穴に入れると勝手に潜って行きますので埋め戻す必要は御座いません。

若齢(初、二齢)は、軽く埋め戻した方が早く潜って行きます。

投入後は、フタを閉めて涼しい静かな場所で飼育します。

また、ストレスや潰しなどの原因になりますので無闇にボトルを触ったり幼虫を掘り起こしたりしないでください。

産卵セットから割り出して間も無い若齢幼虫(初齢、二齢)に使用される場合、摂食障害の有無を見極める為に出来れば二齢幼虫で投入される事をお勧めします。(初齢の場合は、二齢までカップで育ててから)

冒頭の説明のとおり、ブヨブヨ病と呼ばれる致死率100%の病気があるので見極めが大切です。


交換のタイミングとして、基本的に蛹室(サナギになる為の空洞)を作り始めるまで3から4ヶ月に1回の頻度で行う必要があります。

大きなオスの終齢は、食べる速度が早いので糞食による痩せを避ける為に3ヶ月毎の交換をお勧めします。

マットは、良質は土壌菌(目に見えない生き物)が絶えずオガクズを分解しているので時間の経過と共に劣化します。

真冬に余り食べていなくても4ヶ月後の交換をお勧めします。


■エサの交換例について

・1本目:800cc

・2本目以降(終齢):800cc(大型のオスは1400cc。)

上記は、飼育例につき飼育環境や気温によって成長速度が異なります。

成長速度が早いので気温が高い場合、メスが2本目で蛹化してしまう場合も御座います。

冬場の常温(無加温)飼育の際は、終齢幼虫で越冬して気温が上がり始める5月以降に蛹化する場合が御座います。

初夏から夏の蛹化の時期を避けて、春先の4から5月上旬に交換を済ませてしまう事をお勧めします。


◆交換の方法について

交換用スプーンで幼虫を取り出します。

幼虫は、振動や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり衝撃を与えるなどの乱暴な扱いを避けてください。

強い衝撃や傷が原因で死亡してしまう事も御座います。

交換の際、専用のスプーンを用いて慎重に掘り出して移し替えると良いです。

エサの交換方法に関する説明>>


◆蛹室について

蛹室

蛹室の画像です。

空洞を作っていたらエサ交換を中止してください。


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(サナギの救援策)

慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。

※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

露天掘り
露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室について


菌糸ビン飼育について


菌糸ビンで大きく育った幼虫

菌糸ビンとは、キノコの栽培に使用される菌床を幼虫のエサとして改良して作られた商品です。

栄養価やオガクズ、含水率など成長に最適な状態に整えられている物が多く、爆発的な大きさに育つ事が見込まれます。

また、前述のマット飼育に比べて成長速度も速いです。

近年の飼育で「大型個体の必需品」的な存在になっています。

但し、ヒラタクワガタの幼虫は、早く終齢まで育ちますが突然『暴れ』と呼ばれる菌床の掻き混ぜ行動を起こして逆に縮んでしまう場合もあります。

また、25℃を超える高温下の飼育の場合は、メスが1本目、オスが2本目で早く羽化してしまい小型化してしまう事もあります。

高温下の飼育は、小型化だけで無く、死亡や菌糸ビンの劣化を招くので25℃以下での飼育をお勧めします。

※大型個体を狙う場合は、24℃以下(理想として秋冬18から20℃前後、春夏20から23℃前後)をお勧めします。

前述のとおり、成長が早いので大型個体を狙う際は、温度管理や暴れの回避がポイントになります。

※大型個体を狙う場合、真冬の20℃を大きく超える過度な温度管理だと成長が加速して直ぐに暴れてしまい小型化のリスクが上がってしまいます。

(高温下の場合、2本目で暴れやすくなります。)


★最初の1本目の投入の適齢期は?

二齢
二齢の画像
終齢
終齢の画像

投入後の死亡によるエサのロス率を抑えるために、異常が無い健康な二齢を投入する事をお勧めします。

因に初齢や二齢は、『若齢幼虫』と称する場合も御座います。

若齢時に菌糸を食べずに育った終齢に関しては、既に成長の伸びシロが決まっているので大型化しない事が多いです。

割り出し時に終齢だった場合は、マット飼育の方が無難です。

終齢からの菌糸ビンは、暴れるだけで結果が出にくいです。

他の種類にも言えますが『 物事は最初が肝心』の言葉が当てはまります。


◆若齢幼虫の最初の1本目の菌糸ビン投入

菌糸ビン500
ccに幼虫を入れる様子

割り出して最初の幼虫(若齢幼虫)は、小さいので菌糸ビン500ccに入れます。

※当店では、クヌギとブナの2種類の樹種が御座いますがヒラタクワガタにはブナの方が大きく育っています。

(スジブトヒラタは、どちらでも大丈夫です。)

投入の際は、専用スプーンやシャベルで端っこの部分を少しだけ削って出来た穴に幼虫を入れると自力で潜って行きます。

軽く埋め戻しても大丈夫ですが誤って幼虫を押し潰さない様にご注意ください。

幼虫を投入した後は、フタを閉めて25℃を超えない環境で飼育します。

エサ交換以外は、無闇に動かしたり掘り起こしたりしないでください。

菌糸ビンは、ボトルの中で生きたキノコの菌がオガクズを絶えず分解しており、2から3ヶ月後には、見た目は綺麗でも劣化が進んでしまいます。

従って小さな若齢と呼ばれる幼虫の菌糸ビンのサイズは、上記の2から3ヶ月で食い尽くしてしまう容量の500ccでなければなりません。

小さな幼虫をいきなり大きな容量のボトルに投入してしまうと食い尽くしてしまう前に劣化が進んでしまい効率が悪くなってしまいます。

※特に大型個体を狙う場合、1本目に大きなボトルに入れて長期間引っ張る飼育は余りお勧めしません。


■若齢幼虫(初齢、二齢)に最適な菌糸ビン

ブナ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc
クヌギ菌糸ビン500cc
クヌギ菌糸ビン500cc


■以降の菌糸ビンの交換例について

・1本目(二齢):500cc

・2本目(終齢):800cc

・3本目(終齢):800cc(離島産の大型のオスは1400cc)

※上記の交換パターンは、参考例につき飼育温度で大きく異なります。

例えば真夏の高温下の飼育の際は、メスが1本目、オスが2本目で蛹室(サナギになる為の空洞)を作る事が多いです。

低温飼育で成長速度が鈍化した場合に4本目以降が発生する場合も御座います。

また寒い季節に割り出した幼虫の場合、気温が下がるので1本目から2本目への交換の際に若齢のまま出て来る事もあります。

その場合は、2本目も500ccへの投入で問題ございません。


■菌糸ビンの交換タイミングについて

白い部分が無くなった様子

交換のタイミングは、画像の様に6から7割ほど白い部分が無くなった状態。

もしくは、白い部分が多くて余り食べていなくても2から3ヶ月で交換する必要があります。

従って、冬場でも余り食べていなくても中身が劣化しているので最低でも3ヶ月後の交換が必要になります。

2から3ヶ月での交換の理由として前述の『劣化』と中心だけを食い尽くして外見が真っ白のままの『居食い』と呼ばれる食べ方があるからです。


◆『居食い』についての解説

居食いのボトル
食べた形跡が全く無い居食いのボトル
中央だけ食い尽くしています
中心部分を綺麗に食い尽くしています

★1本目→2本目以降の交換について

終齢

因に2本目は、基本的に終齢(頭部のオレンジ色の部分が7ミリから1センチ前後)になっている事が多いので雌雄を問わず、800ccでも大丈夫です。

但し、気温が低い秋から冬に掛けて1本目に投入した際は、二齢幼虫のままの可能性も御座います。

外見で幼虫の年齢を判断出来る様でしたら再び500ccでも構いません。

離島産の大型亜種の大きなオスの終齢は、菌糸ビン1400ccでチャレンジしても面白いかもしれません。

ボトルの通気口が大きいので幼虫の落ち着きが早く暴れにくいです。

■終齢幼虫に最適な菌糸ビン

ブナ菌糸ビン800cc
ブナ菌糸ビン800cc
クヌギ菌糸ビン800cc
クヌギ菌糸ビン800cc
ブナ菌糸ビン1400cc
ブナ菌糸ビン1400cc
クヌギ菌糸ビン1400cc
クヌギ菌糸ビン1400cc

◆幼虫を取り出す際の注意点

菌糸ビン交換の様子

交換の際は、専用スプーンを用いて慎重に行います。

幼虫は、衝撃や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり、落下させるなど乱暴な扱いをしてしまうと傷が原因で死亡してしまう事も御座います。

潰さない様に交換用スプーンを用いて慎重に掘り出したり移動させると良いです。

エサ交換の手順に関する説明>>


◆終齢の投入について

菌糸ビン1400ccへ幼虫を入れ替える様子

交換の際は、専用スプーンかシャベルで端っこの部分を幼虫が入る大きさに削り取ります。

出来た穴に幼虫を入れると自力で菌糸ビンに潜って行きますので投入後は、フタを閉めて出来るだけ涼しい場所で飼育します。

終齢幼虫は、若齢幼虫よりも更にデリケートなので投入直後の急激な温度上昇は、『暴れ』と呼ばれる菌糸ビンの掻き混ぜの原因になってしまいます。
※菌糸ビンは、飼育下の気温で1から3日ほど温度慣らしを行って投入直後の1週間は、少し気温を落とした環境が最適です。

特に野外で1年で羽化して直ぐに活動を開始するとされる『スジブトヒラタ』は、成長速度が異常に早く2本目への交換直後に暴れ始める事があるので注意が必要です。


●終齢幼虫まで育っていると雌雄の判別が可能になっている事が多いので管理ラベルに性別を記載しておくと以後のエサ交換や管理に役立ちます。

◆幼虫の雌雄の判別法

幼虫のオス
・オスの終齢
お尻から腰に掛けて斑紋がありません
幼虫のメス
・メスの終齢
後部に左右一対の斑紋(雌班)あり。

◆菌糸ビンの暴れについて

菌糸ビンで暴れた幼虫
菌糸ビンで暴れた幼虫の画像。
主に終齢幼虫の後半(成熟期)の蛹室を作り始める直前に発生しやすくなります。
グルリと周囲を掻き混ぜる様に動き回って白い部分が無くなってしまいます。
放置すると小型化したり水っぽくなってしまい羽化不全の危険性が高くなります。

・菌糸ビンの暴れについて>>

暴れた際は、後半で説明する菌糸ビン→マットへの切り替え飼育をお勧めします。

※その際に使用する【無添加虫吉幼虫マット】は、切り替え飼育に対応する為に数万匹単位の飼育を元に研究、進化させ続けている商品です。

菌糸ビンの蛹室

菌糸ビンでサナギになった
菌糸ビンの中のサナギの画像です。
サナギになる数週間前から終齢幼虫は、画像の様な空洞(蛹室)を作り始めます。
蛹室と思われる空洞を作っていたら交換を避けて様子を見てください。
蛹室を壊してしまうと羽化出来なくなる恐れが御座いますので十分にご注意ください。


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)
慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。
※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

蛹室の露天掘り
蛹室の露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室の作り方について


ご自身で菌糸ビンをお詰めになられる場合

菌糸ビン飼育の説明のコーナーで紹介した各菌糸ビンは、ご自身でお詰めいただく事も可能です。
但し、詰める強さや温度によっては、菌が回らない(白くならない)というリスクも御座いますので初めての方や菌糸を回す為の温度管理ができない場合には余りお勧め出来ません。

菌糸ビンの『飼育温度』と『菌を回す温度』は、全く異なります。
具体的には、菌が回って白くなってしまえば少々の温度変化(低温や高温)でも問題ありません。
但し、菌床を砕いて菌を回す(二次発菌)場合は、菌糸ビンを白くするために必要な温度や詰め方が必要になります。

菌糸ビンを詰めて白く発菌させる為の推奨温度は、20から24℃です。

20℃を下回るほど白くなるのに時間が掛かります
したがって真冬の寒い状態では、菌が回らずに終わってしまう恐れも御座います。
また、25℃以上の環境の場合、菌が回らずにカビてしまう事も予想されます。
真夏の高温下での作業は、菌糸が回る際の発菌温度も高くなってしまい菌が死滅して白くならない場合があるのでご注意ください。


◆菌糸ビンのボトル詰めについて

菌糸ビン詰めの様子

クワガタ用の(ハンド)マットプレスという道具を用いて砕いた菌床をボトルに詰めて蓋を締めます。

温度や詰め方に不備が無ければ概ね3から7日後には真っ白になります。

※ヒラタの仲間の終齢幼虫は、10日ほど経過してからの投入の方が落ち着きが良くなります。

・菌糸ビンの詰め方について>>


■菌糸ビン詰めに必要なアイテム

ブナブロック
ブナ菌床ブロック
クヌギブロック
クヌギ菌床ブロック
飼育ボトル500cc
飼育用空ボトル500cc
飼育ボトル800cc
飼育用空ボトル800cc
飼育ボトル1400cc
飼育用空ボトル1400cc
木製プレス
木製プレス



菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について

これから紹介する飼育方法は、当店が実際に行っている飼育方法です。
双方の『いいとこ取り』で虫吉が最も得意としている飼育方法です。

ヒラタクワガタの場合、双方の飼育方法で下記のメリットとデメリットがあります。

・菌糸ビン飼育のメリット:成長が早く巨大な終齢幼虫を育てる事も可能
・デメリット:コストが高い。終齢幼虫の投入では結果が得られないタイミングがある。直ぐに暴れやすい(逆に小型化する確率が高い)

・マット飼育のメリット:エサの持ちが良い、低コスト、羽化不全が少ない、暴れの心配が無いなど。
・デメリット:成長が遅く、大型個体作出に必要な巨大な終齢幼虫(巨頭の大型オスの幼虫=通称:ビッグヘッド)を得られにくい。

上記のメリットとデメリットを考察するとヒラタクワガタの幼虫は、若齢(二齢)までに菌糸ビンに投入しなければ大型個体を得られにくい。
反面、終齢幼虫の育ち切った状態で菌糸ビンに入れると『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を起こしてしまい小さくなってしまうリスクが高くコストと結果が釣合わない確率があがる。

結論から申し上げると菌糸ビン飼育で大型化する条件を満たした幼虫に育っていれば後は、ストレスが少ない『無添加虫吉マット』での飼育で問題無いと言う事になります。

上記の商品は、切り替え飼育に対応する様に菌床を強化配合した無添加でも大きく育つ様に研究開発しています。

発酵ガスが発生しない上に劣化が遅いので幼虫へのストレスを軽減できます。

■切り替え時の交換例

・1本目(二齢幼虫):菌糸ビン500cc

・オスの2本目:菌糸ビン800ccもしくは1400cc

・メスの2本目及びオスの3本目:マットボトル800cc(離島産の大型のオスは1400cc)

基本的に終齢幼虫まで育っていれば、雌雄に関係なく2本目から切り替えても大型個体が羽化しています。

※3本目の菌糸ビンは、ギャンブル性を伴いますので自己判断でお願いします。


上記の交換例は、参考であり温度や幼虫の成長具合で大きく異なる場合があります。

交換直後に暴れ(菌床の掻き混ぜ)を行ったらマットへの切り替えで問題無いです。

朝晩や季節に関係なく20℃以上の一定の温度管理や真夏の高温下の飼育の場合は、成長が早まるので2本目もしくは3本目で暴れて直ぐに蛹化してしまう事もあります。

●温度管理(夏の冷房、冬の暖房)の飼育の場合は、2本目の菌糸ビンを2ヶ月経つか経たないかで切り捨ててマット飼育に切り替えると暴れる前にマットで蛹化させるベストなタイミングになる事が多い。

●無加温飼育(冬が寒く夏が高温)の場合は、春から初夏(4から5月に掛けて)の最後のエサ交換でマット飼育へ切り替えて蛹化させるという方法が良いかもしれません。


菌糸ビンの暴れについて
菌糸ビンの暴れについて>>>


終齢幼虫末期の幼虫
幼虫は蛹化が近付くと徐々に黄色みが強くなるので画像を目安にしてみてください。
ヒラタクワガタの幼虫は、加齢速度も速いので画像よりも少し手前の段階(微妙に黄色みを帯び始める頃)の菌糸ビン投入で暴れやすくなってしまいます。

菌糸ビン飼育やマット飼育の説明でもお伝えしておりますがエサの種類に限らず、交換直後の高温下の飼育は極端に幼虫の落ち着きが悪くなってしまうので少し温度が低い涼しい場所へ移動させるか温度を下げるなどの工夫が必要です。

切り替え飼育について>>

虫吉が実際に羽化させたサキシマヒラタ80ミリの飼育情報>>

ノコギリクワガタの幼虫飼育方法

1本目:ブナ菌糸ビン550cc→2本目:マットボトル850ccの切り替え飼育で羽化したトカラノコギリ70ミリ、驚きの4連発の動画。

1本目:クヌギ菌糸ビン550cc→2本目:マットボトル850cc→3本目:マットボトル850ccの交換リレーで羽化したノコギリクワガタ(壱岐産)70ミリ超え、驚きの4連発の動画。

このコーナーでは、離島産を含む日本のノコギリクワガタ の飼育方法を紹介しています。

国産種であれば飼育方法は、殆ど同じです。

★大型個体作出の為のポイントがあれば、その都度ご紹介します。

●幼虫の飼育温度:5から25℃(真夏の高温に注意してください。)

成長を促す為(大型個体作出)の推奨飼育温度として秋冬は10から18℃前後、春夏は20から24℃前後をお勧めします。

前述のとおり、真夏の30℃を超える高温環境で死亡しやすいので必ず冷房が効いた部屋で飼育してください。

★一般的に菌糸ビン、マットを問わずボトル内の温度は、外気温よりも2から3℃(場合によっては、それ以上)も高くなると云われています。

※一方、最低気温は記載した温度よりも多少低くても問題はありません。

幼虫は、個体差や環境にもよりますが15℃を大きく下回ると冬眠してエサを余り食べなくなります。

冬眠中は、成長が一時的に止まりますが問題は御座いません。

※但し、氷点下での飼育はボトル内のマットや菌床が凍ってしまいますので避けてください。

基本的に本土に生息するノコギリクワガタは、夏場の冷房管理のみで真冬の加温無しでも大型個体を育てる事が可能です。

加温飼育の際は、急激な温度の上昇で幼虫の落ち着きが悪くなって上に出て来てしまい羽化不全や蛹化不全のリスクが上がります。

真夏の高温下の飼育の際も同じです。

真冬のエアコン以外の方法での加温の際(簡易温室など)は、温度が安定せずに異常加熱のリスクが上がるので温度を低めに保つなど自己責任で行ってください。

大きさの割りに幼虫の成長速度が遅く秋以降に割り出した幼虫を常温(10度以下の低温)で飼育すると冬眠してしまい二年一化(2年掛けて羽化)の発生率が上がります。

但し、幼虫期間が長くなる分だけ巨大化する確率が高くなるメリットがあります。

他の種類に比べると明らかに成長速度が遅く、幼虫も小さいです。

成虫は、細身の体型なので国産ノコギリでしたら終齢幼虫の8から10グラム前後のオスでも普通に60ミリを超えて70ミリに迫るサイズで羽化する事があります。

※因にトカラノコギリやアマミノコギリなど離島産の大型亜種でも16から20グラム前後の体重で70ミリを大きく超える成虫が羽化する事が多いです。

因に後ほど紹介する「マット飼育」でも大きく育ちます。

菌糸ビン飼育」の場合は、若齢(初齢、二齢)から終齢幼虫への成長速度が速いですが2本目もしくは、3本目で菌糸ビン投入時に『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を起こして小さくなってしまう事が多いです。

ノコギリクワガタは、終齢まで育つと菌糸ビンよりも【マットの方が大きく育つ種類】です。

したがって菌糸ビン→マットへの切り替え飼育が最も大型個体が羽化しやすいのでお勧めです。

※それぞれの飼育方法の詳細は後ほど説明します。

特にノコギリクワガタの仲間は、終齢幼虫で新しいボトルに入れ替えた際に潜らないという事が多くなります。

マットや菌糸ビンは、到着後に必ず箱から出して飼育環境で最低でも3日ほど慣らしてから幼虫を入れてください。

ご自身でマットをお詰めになられる場合は、詰めてから3日ほど経過してから使用してください。

真夏の25℃を大きく超える環境は、早期羽化(幼虫期間の縮小)を招き大型個体を狙いにくくなります。

また終齢幼虫での高温下での飼育は、エサの種類に関わらず、交換直後の落ち着きが悪くなり潜らずに上に出てくるので避けてください。

サーキュレーターにて空気循環

画像の様にサーキュレーターや扇風機を用いて空気循環を促し、ボトルの微生物やバクテリアを十分に落ち着かせてから幼虫を投入する事が重要です。

サーキュレーションと微生物への酸素供給について


◆産卵セットから割り出した幼虫について

産卵セットから出て来た幼虫

産卵セットから出て来た幼虫です。

幼虫は、傷を付けない様に専用スプーンを用いて慎重に一時管理用のカップに入れると良いです。

大型個体を狙う為には、出来れば若齢幼虫(初齢、二齢)の段階で割り出す事をお勧めします。

長期間割り出さずにいると親メスによる捕食などで数が減ってしまう事があります。

・産卵方法について>>

・卵から羽化までの成長過程>>

幼虫をカップに入れます。

産卵セットから割り出し採取した幼虫は、画像の様に一時管理用カップに無添加虫吉マットを固めずに入れて4から7日前後養生させてからボトル(菌糸ビンまたはマットボトル)に入れ替えると良いです。

※割り出し時に傷付いたり、摂食障害などで成長出来なかったり死んでしまう場合もあるので見極める為の期間です。

・幼虫管理ラベルに種類や日付を記載して貼っておくと今後の飼育に役立ちます。


☆幼虫の摂食障害(通称:ブヨブヨ病)について

摂食障害(ブヨブヨ)の幼虫
摂食障害の幼虫
正常な幼虫
正常な幼虫

左の画像の幼虫の様に体の半分以上が透き通っている幼虫は、摂食障害を起こしてしまい成長出来ずに死んでしまいます。

気になる場合は、無理に菌糸ビンやマットボトルに入れずにカップの中で様子を見ていただく事をお勧めします。

産卵セットの割り出しの遅れ等の幼虫にとって不衛生な環境が長引くと雑菌の発生やバクテリアの異常で発症率が上がってしまう事が推察されます。

摂食障害(ブヨブヨ病)に関する説明>>


■幼虫割り出し時に役立つアイテム

無添加虫吉幼虫マット
>>無添加虫吉幼虫マット
幼虫管理用カップ
>>幼虫管理用カップ
幼虫管理ラベル
>>幼虫管理ラベル
幼虫エサ交換用スプーン
>>幼虫エサ交換用スプーン

★これから紹介する3パターンの飼育方法は、お客さまのお好みで選んでください。

手軽なマット飼育、ギャンブル性を伴う菌糸ビン飼育、当店が実際に行なっているお勧めの菌糸ビン→マットへの切り替え飼育といった感じになります。

※飼育例に乳白色のボトル(旧製品)の画像がある事がございますが現在は、茶色い遮光クリアボトル(新製品)を用いた商品のみを販売しております。


●【手軽でお勧め】マット飼育について>>>


●【あまりお勧めしません】菌糸ビン飼育について>>>


●【当店お勧め】菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>>


マット飼育について【手軽なのでお勧め】

幼虫のマット飼育

マット飼育は、菌糸ビン飼育と異なり『菌糸のコンディション(劣化)』や暴れ(菌床の掻き混ぜ行動)を気にせずに低コストで気軽に飼育が出来ます。

またノコギリクワガタの仲間の幼虫は、終齢幼虫になると菌糸を嫌がって潜らなかったり、暴れてしまい羽化不全(羽化の失敗)があるのでマット飼育の方が手堅く飼育出来ます。

手軽にかつシンプルに飼育したい方、菌糸ビン飼育で『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を避けたい場合の飼育に最適です。

>>菌糸ビンの暴れについて>>

※前述のとおり、幼虫は高温に弱いのでマット飼育の際も死亡防止の為に30℃を超えない環境で飼育する必要があります。

出来れば真夏でも25℃以下(冷房)を推奨します。

マットなら高温でも大丈夫と思っておられる方も多いので念の為、記載しておきます。

本土産の場合は、冬場の過度な加温を避けて自然の温度環境に近付けてあげた方が幼虫が落ち着いてくれます。

寒い時期に無理に加温してしまうと上に出てくる場合があります。

※真冬は20℃を大きく超えない様にしてください。

ノコギリクワガタに関して言えば、マット飼育のみでも大型個体を育てる事が可能です。

マット飼育で国産ノコギリ70ミリが羽化した記事>>

割り出し時に既に終齢幼虫だった場合は、菌糸ビン飼育で結果が得られない場合が多いのでマット飼育をお勧めします。

幼虫の年齢(二齢、終齢幼虫)、雌雄(性別)に関係なく、下記の「マットボトル」と呼ばれるボトルに幼虫専用マットを固く詰めた物に投入する飼育方法です。

★当店の幼虫マットは、「幼虫に優しい無添加」につきボトルに固く詰めて使用しても安全です。

但し、他社様の添加剤配合マットを使用された際の再発酵によるアンモニア等のガスや発熱による幼虫のトラブルに関しましては自己責任でお願いします。


■超固詰めタイプ!マットボトルのご案内(初めての方、マットを詰めるお時間が無い方に最適です。)

マットボトル800cc
>>虫吉マットボトル800cc

基本的にこれで大丈夫!
マットボトル1400cc
>>虫吉マットボトル1400cc

アマミノコギリのオスの終齢に最適!

◆ご自身でボトルにマットを詰める場合

マットを詰めている様子

「マットプレス」というボトルにマットを強く詰める道具を用いて固く押し固めます。

時間と体力が必要ですが既にボトルをお持ちの方は、経済的に済ませる事が可能です。

固く詰めるコツは、一度に沢山のマットをボトルに入れない事です。

※少しの量を何回かに分けて固めます。

・マットの詰め方について>>


■マットボトル作成の際に必要なアイテム

無添加虫吉幼虫マット
>>無添加虫吉幼虫マット
幼虫飼育ボトル800cc
>>幼虫飼育ボトル800cc
幼虫飼育ボトル1400cc
>>幼虫飼育ボトル1400cc
木製マットプレス
>>木製マットプレス


◆幼虫のマットへの投入について

マットボトルは、到着後または詰めてから3日ほど飼育環境で慣らしてから幼虫を入れてください。

環境の変化で微生物やバクテリアが安定するまで待ってから使用しなければ幼虫の落ち着きが悪くなって上に出てきてしまいます。

スプーンを用いて穴を空けます
交換用スプーンを用いて穴を空けます。
交換用スプーンを用いて幼虫を投入します
交換用スプーンを用いて幼虫を投入します

マットは、幼虫が入る大きさに合わせてスプーンで穴を空けて余分なマットは取り除いてください。

※特に終齢幼虫の場合、潜る際にマットが盛り上がって通気口が塞がってしまう恐れが御座いますので思い切って捨ててください。

(勿論、小さな幼虫の場合だと殆ど取り除く必要もありません。)

終齢幼虫の場合、穴に入れると勝手に潜って行きますので埋め戻す必要は御座いません。

若齢幼虫(二齢まで)は、軽く埋め戻した方が早く潜って行きます。

投入後は、フタを閉めて涼しい静かな場所で飼育します。

また、エサ交換以外に無闇にボトルを触ったり幼虫を掘り起こしたりしないでください。

マットボトルにサーキュレーターの風を当てる

幼虫が潜らない場合は、画像の様に蓋を閉めたままで構いませんので3日ほどボトルに風を当ててみてください。

ボトル周辺の空気が動く事でボトル内の微生物にも空気が行き渡りやすくなります。

産卵セットから割り出して間も無い若齢幼虫(初齢、二齢)に使用される場合、摂食障害の有無を見極める為に出来れば二齢幼虫で投入される事をお勧めします。(初齢の場合は、二齢までカップで育ててから)

幼虫の摂食障害(ブヨブヨ病)について


マット交換のタイミングとして、基本的に蛹室(サナギになる為の空洞)を作り始めるまで3から4ヶ月毎の交換の必要があります。

少しズボラ気味の交換でも大丈夫です。

但し、終齢幼虫での気温が上がり始める季節(概ね4月中旬から8月)の交換の際は、エサの種類を問わず環境の変化で幼虫が落ち着かなくなったり潜らなくなって上に出て来るトラブルの発生率が上がります。

初めての方で良く分からない場合、エサ交換が4月に終わる様に「3ヶ月後の交換」「4ヶ月後の交換」を上手く組み合わせて調整すると良いです。

マットは、良質は土壌菌(目に見えない生き物)が絶えずオガクズを分解しているので菌糸ビン同様に時間の経過と共に劣化します。
余り食べていなくても4ヶ月後の交換をお勧めします。


■マットの交換例について

※大きさや雌雄に関係なく基本的に800ccのボトルを3から4ヶ月に1回の交換で問題ありません。

  • 1本目:800cc
  • 2本目:800cc
  • 3本目以降:800cc(アマミノコギリの大型のオスの終齢は1400ccでも可。)

上記は、飼育例につき飼育環境や気温によって成長速度が異なります。

基本的に成長速度が遅い傾向がありますが気温が高い場合、2から3本目で蛹化してしまう場合も御座います。

大きなオスや低温での飼育の際は、4本目以降の交換が発生する場合も御座います。

飼育温度や幼虫の成長具合にもよりますが羽化迄に2年掛かる事もあります。

※特に大型のオスが羽化迄に時間が掛かる傾向があります。

オオクワやヒラタに比べて幼虫が小さいの外見から幼虫の姿が確認出来ない事が有りますが元気に生きている事が殆どです。

冬場の常温(無加温)飼育の際は、余り食べずに越冬して気温が上がり始める5月以降に成長や蛹化が始まる場合が御座います。

【蛹室】と呼ばれるサナギの部屋を作り始めるまで3から4ヶ月ごと にマットを交換するという単純作業で大丈夫です。

冒頭でもお伝えしましたが成長が遅いので、1年目で羽化しない事もあり二年一化(2年目で羽化)の発生率が高いです。
その場合も根気づよく3から4ヶ月毎の交換の必要があります。


◆幼虫のマット交換の方法について

ボトルから慎重に幼虫を取り出します。

幼虫は、衝撃や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり衝撃を与えるなどの乱暴な扱いをしてしまうと傷が原因で死亡してしまう事も御座います。

交換用スプーンを用いて慎重に掘り出したり移動させると良いです。

幼虫のエサ交換に関する説明>>


◆蛹室について

蛹室

蛹室の画像です。

空洞を作っていたらエサ交換を中止してください。


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)

慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。

※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

蛹室の露天掘り
蛹室の露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室の作り方について


菌糸ビン飼育について【お勧めしません】

菌糸で育った幼虫

★菌糸ビン飼育は、マット飼育と共に一般的な飼育方法ですがノコギリクワガタの場合、終齢幼虫時に潜らなかったり、暴れを起こしたりトラブルが多いです。

当店ではお勧めしていない飼育方法ですが一般的な飼育例のみを紹介します。

菌糸ビンとは、キノコの栽培に使用される菌床を幼虫のエサとして改良して作られた商品です。

栄養価やオガクズ、含水率など成長に最適な状態に整えられている物が多く、マット飼育に比べて早い成長が見込まれます。

但し、菌床の鮮度が2から3ヶ月しか持たない事や菌床の劣化を防ぐ為に20から24℃で飼育する必要があるなど、少し気をつける点が多いのも事実です。

近年の飼育で菌糸ビンは、「大型個体の必需品」的な存在になっていますが、ノコギリクワガタの場合、終齢での暴れ(菌床の掻き混ぜ)を行ってしまい逆に縮んでしまう場合もあります。

※25℃を超える環境での飼育の場合は、成長が早まり2本目もしくは3本目で高確率で暴れてしまう事もあります。

高温下の飼育は、早熟に伴う「菌糸ビンの暴れ」だけで無く、菌糸ビンの劣化を招くので出来るだけ涼しい環境での飼育をお勧めします。

※大型個体を狙う場合は、25℃以下(理想として18から22℃:冬眠せずに菌糸を食べる温度)をお勧めします。

真冬が寒い環境だと食べずに冬眠して成長が止まってしまい菌糸ビンだけが劣化するので温度管理の環境が無い場合は「マット飼育」もしくは、「菌糸ビン→マットへの切り替え飼育」をお勧めします。

国産ノコギリと同亜種は、真冬の過度な加温を避けて常温に近い気温の方がトラブルが少ないです。

※何度も申し上げておりますとおり、ノコギリの終齢は、暴れて大きくなりにくいので個人的に菌糸ビンが勿体無いと思います。

最初からマット飼育もしくは、2本目からマット飼育への切り替えをお勧めします。

ノコギリクワガタの幼虫は、地中の根っこなどの腐植土に生息している為か終齢になると菌糸ビンに適応しにくいです。

菌糸ビンをゴリ押しした飼育だと少し早く羽化する程度でサイズが出にくいのでコストパフォーマンスが落ちて『時間を買っている程度』で終わってしまう事が多いです。

暴れたらマット飼育でも大丈夫ですが、暴れる前に「マット飼育へ切り替え」の方が大型個体が狙いやすいのも事実です。


★最初の1本目の菌糸ビン投入の適齢期は?

二齢幼虫
二齢幼虫の画像
終齢幼虫
終齢幼虫の画像

冒頭にお伝えしたとおり、摂食障害(ブヨブヨ病)の幼虫を見極める為に出来れば二齢まで育った健康な幼虫を菌糸ビンに投入される事をお勧めします。


因に初齢や二齢幼虫は、『若齢幼虫』と称する場合も御座います。

終齢幼虫に関しては、既に成長の伸びシロが決まっているので大型化しない事が多く、マット飼育の方が無難です。

終齢での菌糸ビン飼育は、『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』や潜らないなどの原因によるサイズの縮小のリスクもあります。

ノコギリクワガタの菌糸ビン飼育は、他の種類に比べて投入や交換のタイミングが難しいのも事実です。


◆若齢幼虫の最初の1本目の菌糸ビン投入

菌糸ビン用シャベルで穴を空けます。
菌糸ビン用シャベルで表面に穴を空けます。
>>菌糸ビン専用シャベルはコチラ!
交換用スプーンで幼虫を入れます。
交換用スプーンで幼虫を穴に入れます。
エサ交換用スプーンはコチラ!

割り出して最初の幼虫(若齢幼虫)は、小さいので菌糸ビン500ccに入れます。

★当店では、クヌギとブナのオオヒラタケの菌糸ビンが御座いますが下記の使用をお勧めします。

・クヌギ…国産ノコギリ(離島産も含む)及び亜種(屋久島、種子島、口永良部島、黒島、三島硫黄島)、八重山ノコギリ。

・ブナ…リュウキュウノコギリの仲間(トカラ、奄美、徳之島、沖永良部、久米島、沖縄、伊平屋島)

※リュウキュウノコギリの仲間のオスは、頭楯(とうじゅん)と呼ばれる左右のアゴの間の突起部分の先端が二股に分かれて前方に突き出すのが特徴です。

菌糸ビンに幼虫を入れる様子

菌糸に空ける穴は少し深めにしておくと投入した幼虫は、自力で潜って行きます。

軽く埋め戻しても大丈夫ですが誤って幼虫を押し潰さない様にご注意ください。

幼虫を投入した後は、菌糸ビンのフタを閉めて出来る限り涼しいの環境(出来れば24℃以内)で飼育します。

エサ交換以外は、無闇に動かしたり掘り起こしたりしないでください。

菌糸ビンは、ボトルの中で菌糸が生きている状態(生き物)なので絶えず菌糸によるオガクズの分解が進んでおり2から3ヶ月後には、見た目は綺麗でも劣化が進んでしまいます。

従って小さな若齢と呼ばれる幼虫の菌糸ビンのサイズは、上記の2から3ヶ月で食い尽くしてしまう容量でなければなりません。

小さな幼虫をいきなり大きな容量の菌糸ビンに投入してしまうと食い尽くしてしまう前に劣化が進んでしまい効率が悪くなってしまいます。

※特に大型個体を狙う場合、1本目に大きなボトルに入れて長期間引っ張る飼育は「暴れ」だけで無く「糞食」や「食い止まり」を起こしてしまう事があるので余りお勧めしません。


■若齢幼虫(初齢、二齢)に最適な菌糸ビン

クヌギ菌糸ビン500cc
クヌギ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc


■菌糸ビンの交換例について

  • 1本目(二齢幼虫):500cc
  • ・2本目以降(終齢幼虫):800ccもしくは、1400cc(アマミノコギリの大型のオスの幼虫飼育に最適です。) 

※上記は、参考例です。

2本目の交換の際は、マットへ切り替えていただいても構いません。

気温が低い場合は、1本目から2本目への交換の際に若齢のまま出て来る事もあります。

その場合、500cc、800ccのどちらへ投入しても問題ございません。


ノコギリクワガタは、地中の朽ち果てた根っこや腐葉土化した朽ち木に生息している事から「根食い系」「泥食い系」と呼ばれます。

終齢幼虫になると菌糸ビンを突然嫌がって暴れるので要注意です。

万が一、暴れたら即 虫吉マットでの飼育で大丈夫です。


■菌糸ビンの交換タイミングについて

菌糸ビン550ccを食い尽くした幼虫です。

エサ交換のタイミングは、画像の様に6から7割ほど白い部分が無くなってからか白い部分が多くて余り食べていなくても2から3ヶ月で交換する必要があります。

冬場だけで無く、暖かい季節でも菌糸ビンを余り食べ無いままの場合も御座いますが菌床が劣化しているので最低でも3ヶ月後の交換が必要になります。

2から3ヶ月での交換の理由として前述の『菌糸の劣化』と中心だけを食い尽くして外見が真っ白のままの『居食い』と呼ばれる食べ方があるからです。

◆『居食い』についての解説

居食いの菌糸ビンです。
外見上は、食べた形跡が全く無い菌糸ビン
投入から約3ヶ月経過
居食いしています。
菌糸ビンの上の方をスプーンで掘った様子
中央だけ綺麗に食い尽くしています。

★1本目→2本目以降の交換について

終齢幼虫

因に2本目は、基本的に終齢幼虫(頭部のオレンジ色の部分の大きさが5ミリから10ミリ前後)になっている事が多いので雌雄を問わず、菌糸ビン800ccでも大丈夫です。

★前述のとおり、暴れのリスクが高いのでマットボトルへの切り替えをお勧めします。

但し、気温が低い秋から冬に掛けて1本目に投入した際は、二齢幼虫のままの可能性も御座います。

外見で二齢を判断出来る様でしたら再び500ccでも構いません。(勿論、マットボトルでも大丈夫す。)

■終齢幼虫に最適な菌糸ビン

ブナ菌糸ビン800cc
>>ブナ菌糸ビン800cc
クヌギ菌糸ビン800cc
>>クヌギ菌糸ビン800cc
ブナ菌糸ビン1400cc
>>ブナ菌糸ビン1400cc
クヌギ菌糸ビン1400cc
>>クヌギ菌糸ビン1400cc

菌糸ビン1400ccは、通気口が大きいので幼虫の落ち着きが良いので、離島産の大型亜種のオスの終齢に使用されても面白いかもしれません。


◆菌糸ビンから幼虫の取り出す際の注意点

幼虫を菌糸から取り出します。

幼虫の菌糸ビン交換は、エサ交換専用スプーンを用いて慎重に行います。

幼虫は、衝撃や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり衝撃を与えるなどの乱暴な扱いをしてしまうと傷が原因で死亡してしまう事も御座います。

幼虫の圧迫に注意しながら交換用スプーンを用いて慎重に掘り出したり移動させると良いです。

幼虫のエサ交換に関する説明>>


◆終齢幼虫の菌糸ビン投入について

大きめの穴をくり抜きます。
専用シャベルで大きめの穴を空けます。
※幼虫の大きさに合わせてくり抜きます
幼虫を菌糸ビンに入れます。
交換用スプーンを用いて投入します。
ストレスを与えない様に慎重に行います

交換する菌糸ビンは、全く同じ菌種であれば問題無いのでクヌギかブナの樹種に関してはお好みで大丈夫です。

例)1本目クヌギ→2本目ブナなどの交換もOK!【当店で検証済み】

なお、自力で菌糸ビンに潜って行きますので投入後は、フタを閉めて出来るだけ涼しい場所で飼育します。

終齢幼虫は、若齢幼虫よりも更にデリケートなので投入直後の急激な温度上昇は、『暴れ』と呼ばれる菌糸ビンの掻き混ぜの原因になってしまいます。

※菌糸ビンは、飼育下の気温で1から3日ほど温度慣らしを行って投入直後の1週間は、少し気温を落とした環境が最適です。

交換直後の急激な環境の変化で幼虫が落ち着かずに縮んでしまう事が多いので大型個体を狙う為には注意が必要です。


●終齢幼虫まで育っていると雌雄の判別が可能になっている事が多いので管理ラベルに性別を記載しておくと以後のエサ交換や管理に役立ちます。

◆終齢の雌雄の判別法

幼虫のオス
・オスの幼虫
お尻から腰に掛けて斑紋がありません
クワガタの幼虫のメス
・メスの幼虫
後部に左右一対の斑紋(雌班)あり。

◆菌糸ビンの暴れについて

菌糸ビンで暴れた幼虫

菌糸ビンで暴れた幼虫の画像。

主にエサ交換直後や終齢幼虫の後半(成熟期)の蛹室を作り始める際に発生しやすくなります。

グルリと周囲を掻き混ぜる様に動き回って白い部分が無くなってしまいます。

放置すると小型化したり水っぽくなってしまい羽化不全の危険性が高くなります。

・菌糸ビンの暴れについて>>

暴れた際は、特殊製法の【無添加虫吉幼虫マット】での菌糸ビン→マットへの切り替え飼育をお勧めします。

※【無添加虫吉幼虫マット】は、菌糸ビンからマットへの切り替え飼育に対応する為に数万匹単位の飼育を元に研究、進化させ続けているマットです。

当店が育てている大型個体の全てがこの飼育方法です。

他社様のマットの使用に関するトラブルにつきましては自己責任で行ってください。

菌糸ビンの蛹室

菌糸ビンでなったサナギ

菌糸ビンの中のサナギの画像です。

サナギになる数週間前から終齢幼虫は、画像の様な空洞(蛹室)を作り始めます。

蛹室と思われる空洞を作っていたら交換を避けて様子を見てください。

蛹室を壊してしまうと羽化出来なくなる恐れが御座いますので十分にご注意ください。


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)

慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。

※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

蛹室の露天掘り
蛹室の露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室の作り方について


ご自身で菌糸ビンをお詰めになられる場合

菌糸ビン飼育の説明のコーナーで紹介した各菌糸ビンは、ご自身でお詰めいただく事も可能です。

但し、詰める強さや温度によっては、菌が回らない(白くならない)というリスクも御座いますので初めての方や菌糸を回す為の温度管理ができない場合には余りお勧め出来ません。

菌糸ビンの『飼育温度』と『菌を回す温度』は、全く異なります。

具体的には、菌が回って白くなってしまえば少々の温度変化(低温や高温)でも問題ありません。

但し、菌床を砕いて菌を回す(二次発菌)場合は、菌糸ビンを白くするために必要な温度や詰め方が必要になります。

菌糸ビンを詰めて白く発菌させる為の推奨温度は、20から24℃です。

20℃を下回るほど白くなるのに時間が掛かります。

したがって真冬の寒い状態では、菌が回らずに終わってしまう恐れも御座います。

また、25℃以上の環境の場合、菌が回らずにカビてしまう事も予想されます。

真夏の高温下での作業は、菌糸が回る際の発菌温度も高くなってしまい菌が死滅して白くならない場合があるのでご注意ください。


◆菌糸ビンのボトル詰めについて

菌糸ビン詰めをしています

マットプレス(ハンドプレス)という道具を用いてボトルに砕いた菌床を詰めます。

強く詰め過ぎると酸欠で菌が死滅して白くならない事もあり注意が必要です。

※マットと異なり菌糸が広がると勝手に固まりますので絶対に強く押さえ付けないでください。

温度や詰め方に不備が無ければ概ね5から7日後には真っ白になります。

※ノコギリクワガタの仲間の終齢は、詰めてから10日ほど経過して投入の方が落ち着きが良くなります。

・菌糸ビンの詰め方について>>


■菌糸ビン詰めに必要なアイテム

ブナ菌床ブロック
ブナ菌床ブロック
クヌギ菌床ブロック
クヌギ菌床ブロック
幼虫飼育ボトル500cc
飼育ボトル500cc
飼育ボトル800cc
飼育ボトル800cc
飼育ボトル1400cc
飼育ボトル1400cc
木製マットプレス
木製マットプレス



切り替え飼育について

これから紹介する飼育方法は、当店が実際に行っている飼育方法です。

菌糸ビン飼育とマット飼育の『いいとこ取り』で虫吉が最も得意としている飼育方法です。

ノコギリクワガタの菌糸ビン飼育は、コストが高い、終齢幼虫で暴れて小型化しやすい、持ちが悪い、他の種類に比べて効果が薄い、などのデメリットがあります。

※あえてメリットを挙げるなら、1本目が500ccの小さなボトルで済む、一部の離島産ノコギリでは終齢までの伸びの加速が違う、といった点です。

・マット飼育は、エサの持ちが良い、低コスト、羽化不全が少ない、暴れの心配が無い、交換タイミング次第では大型化しやすい、などのメリットが多いです。

あえてデメリットを挙げるなら、乾燥防止のために1本目(若齢)でも800ccの高さがある大きなボトルを使用しなければならない事くらいです。

※リニューアルした無添加虫吉幼虫用マットは、食い付きや成長の伸びが良いので一般的なマット飼育の幼虫期間が長くなるというデメリットがありません。

上記の事を考察するとノコギリクワガタの幼虫は、若齢(二齢)までに菌糸ビンに投入して早く終齢幼虫まで育ててしまう事がエサの無駄も減り得策です。

※終齢幼虫で菌糸ビンに入れると『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を起こしてしまい小さくなってしまい対費用効果が悪くなるので菌糸ビンをゴリ押しする飼育を避ける必要があります。

若齢幼虫を菌糸ビンに入れて短期間で一気に終齢幼虫まで育ててしまえばストレスが少ない『無添加虫吉マット』での飼育で問題無いと言う事になります。

※当店及びお客様の飼育でも最も大型個体が出ている必殺飼育法です。

何度か申し上げておりますが『無添加虫吉マット(幼虫用)』は、菌糸ビン⇒マットへの切り替え飼育に対応する様に菌床を強化配合した無添加でも大きく育つ様に研究されたマットです。

他社様のマットをご使用の際のトラブルに関しては自己責任でお願いします。


■マット飼育への切り替え時の交換例

・1本目(二齢幼虫):クヌギ菌糸ビン500cc(沖縄、奄美方面の亜種は、ブナ)

・2本目以降:終齢幼虫まで育っていればマットボトル800ccもしくは、1400cc(アマミノコなど離島産大型種用)でも大丈夫です。

二齢幼虫のままだった場合は、再び菌糸ビン500ccかマットボトル800cc。

※終齢での菌糸ビン投入は、暴れというギャンブル性を伴いますので自己判断でお願いします。

暴れた際もマットへの切り替えをお勧めします。

●飼育例は、少し難しく感じるかもしれませんが基本的に1本目だけ菌糸ビン、次の交換でマット飼育というシンプルな方法です。

無加温飼育(冬が寒く夏が高温)の場合は、夏季の高温時(6から8月)の終齢幼虫でのエサ交換は、落ち着きが悪くなってしまうので3から5月で交換を完了させていただく事をお勧めします。


菌糸ビンの暴れについて
菌糸ビンの暴れについて>>>


終齢幼虫末期の幼虫

画像の様に終齢幼虫は成長し切って成熟すると徐々に黄色みが強くなるので菌糸ビンは避けていただく事をお勧めします。

ノコギリの終齢は、暴れやすいので少し手前の段階(微妙に黄色みを帯び始める頃)でも暴れてしまう事がありますので余り欲張らずに早めのマットへの切り替えが良いです。

菌糸ビン飼育やマット飼育の説明でもお伝えしておりますがエサの種類に限らず、交換直後の高温下の飼育は極端に幼虫の落ち着きが悪くなってしまうので少し温度が低い涼しい場所へ移動させるか温度を下げるなどの工夫が必要です。

■終齢時の初夏から夏の交換を避ける為に春(3から5月)にエサ交換を済ませる様に調整すると良いです。

幼虫の菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>


■菌糸ビン⇒マットへの切り替え飼育で紹介したアイテム

クヌギ菌糸ビン500cc
クヌギ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc
マットボトル800cc
マットボトル800cc
マットボトル1400cc
マットボトル1400cc

コクワガタの幼虫飼育方法

コクワガタの画像

このコーナーでは、離島産を含む日本のコクワガタ の幼虫の飼育方法を紹介しています。
大型個体作出の為のポイントがあれば、その都度ご紹介します。

●幼虫の飼育温度:5から25℃(真夏はエアコン管理が必要です)
成長を促す為(大型個体作出)の推奨飼育温度として秋冬は15から18℃前後、春夏は20から24℃前後をお勧めします。

高温に弱いので30℃以上での飼育は避けてください。
★一般的に菌糸ビン、マットを問わずボトル内の温度は、外気温よりも2から3℃(場合によっては、それ以上)も高くなると云われています。

※一方、最低気温は記載した温度よりも多少低くても問題はありません。
幼虫は、個体差や環境にもよりますが15℃を大きく下回ると冬眠してエサを余り食べなくなります。
冬眠中は、成長が一時的に止まりますが問題は御座いません。
※但し、氷点下での飼育はボトル内のマットや菌床が凍ってしまいますので避けてください。

基本的に本土に生息するコクワガタは、夏場の冷房管理のみで真冬の加温無しでも大型個体を育てる事が可能です。

真冬の加温飼育と真夏の高温化での際は、早期羽化(早過ぎる羽化)や死亡率の上昇の原因になる。

真冬のエアコン以外での加温の際(簡易温室など)は、温度が安定せずに異常加熱のリスクが上がるので温度を低めに保つなど自己責任で行ってください。

成虫が小型なので幼虫も小さく他の種類に比べて成長(加齢)が早いです。
5から9月までに割り出した幼虫の殆どは、1年以内に羽化します。

体重に関しては、本土コクワの亜種のオスの幼虫でも6グラム以上で50ミリ前後の大きさで羽化する事が多いです。
一回り小さな種類のリュウキュウコクワの亜種でも4から5グラム前後で35から40ミリ前後の超特大サイズで羽化する事があります。

因に後ほど紹介する「マット飼育」でも大きく育ちます。
菌糸ビン飼育」の場合は、若齢(初齢、二齢)から終齢幼虫への成長速度が速いが終齢幼虫で菌糸ビン投入時に『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を起こして小さくなってしまう事が多い。
したがって菌糸ビン→マットへの切り替え飼育が最も大型個体が羽化しやすい。
※それぞれの飼育方法の詳細は後ほど説明します。

真夏の25℃を大きく超える環境は、早期羽化(幼虫期間の縮小)を招き大型個体を狙いにくくなる。
また終齢幼虫での高温下での飼育は、エサの種類に関わらず、交換直後の落ち着きが悪くなり潜らずに上に出てくる事もあるので避けておきたい。


◆産卵セットから割り出した幼虫について

産卵セットから出て来た幼虫
産卵セットから出て来た幼虫です。
幼虫は、孵化して間も無い初齢だと2から3ミリにも満たない事もあり、非常に小さいので傷を付けない様に専用スプーンを用いて慎重に一時管理用のカップに入れると良いです。
大型個体を狙う為には、出来れば若齢幼虫(初齢、二齢まで)の段階で割り出した方が良い。

・産卵方法について>>

・の成長過程の紹介>>

幼虫をカップに入れます。
産卵セットから割り出し採取した幼虫は、画像の様に一時管理用カップに無添加虫吉マットを固めずに入れて4から7日前後養生させてからボトル(菌糸ビンまたはマットボトル)に入れ替えると良いです。
※割り出し時に傷付いたり、摂食障害などで成長出来なかったり死んでしまう場合もあるので見極める為の期間です。

・幼虫管理ラベルに種類や日付を記載して貼っておくと今後の飼育に役立ちます。


☆幼虫の摂食障害(通称:ブヨブヨ病)について

摂食障害(ブヨブヨ)の幼虫
摂食障害の幼虫
正常な幼虫
正常な幼虫

左の画像の幼虫の様に体の半分以上が透き通っている幼虫は、摂食障害を起こしてしまい成長出来ずに死んでしまいます。

コクワガタは、発生率が低いとされていますが割り出しの遅れで発生する事があります。
気になる場合は、無理に菌糸ビンやマットボトルに入れずにカップの中で様子を見ていただく事をお勧めします。
産卵セットの割り出しの遅れ等の幼虫にとって不衛生な環境が長引くと雑菌の発生やバクテリアの異常で発症率が上がってしまう事が推察されます。

摂食障害(ブヨブヨ病)に関する説明>>


■幼虫割り出し時に役立つアイテム

オオクワマット
>>虫吉オオクワマット
幼虫管理用カップ
>>幼虫管理用カップ
幼虫管理ラベル1500cc
>>幼虫管理ラベル
幼虫エサ交換用スプーン
>>幼虫エサ交換用スプーン


★これから紹介する3パターンの飼育方法は、お客さまのお好みで選んでください。

手軽なマット飼育、ギャンブル性を伴う菌糸ビン飼育、当店が実際に行なっているお勧めの菌糸ビン→マットへの切り替え飼育といった感じになります。

※飼育例に乳白色のボトル(旧製品)の画像がある事がございますが現在は、茶色い遮光クリアボトル(新製品)を用いた商品のみを販売しております。


●【手軽でお勧め】マット飼育について>>>


●【あまりお勧めしません】菌糸ビン飼育について>>>


●【当店お勧め】菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>>


マット飼育について

幼虫のマット飼育
マット飼育は、菌糸ビン飼育と異なり『菌糸のコンディション(劣化)』や暴れ(菌床の掻き混ぜ行動)を気にせずに低コストで気軽に飼育が出来ます。
特にコクワガタの仲間の幼虫は、成虫が小型な分だけ成長速度も速く、マット飼育でも二年一化(2年掛けての羽化)の発生率も低いので手軽に飼育を行いたい方にはオススメです。
また、終齢幼虫になると菌糸を嫌がって暴れてしまう事が多いのでマット飼育の方が手堅く飼育出来ます。

手軽にかつシンプルに飼育したい方、菌糸ビン飼育で『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を避けたい場合の飼育に最適です。

>>菌糸ビンの暴れについて>>

※前述のとおり、高温に弱いのでマット飼育の際も30℃を超えない環境で飼育する必要があります。
出来れば真夏でも25℃以下(冷房)を推奨します。

マットなら高温でも大丈夫と思っておられる方も多いので念の為、記載しておきます。

本土コクワは、冬場の加温を避けて自然の温度環境に近付けてあげた方が幼虫が落ち着いてくれます。
寒い時期に無理に加温してしまうと上に出て来たり、早く羽化して小型化してしまう事もあります。
※離島産も真冬は、無理に20℃以上にする必要はありません。
その他の種類に関しましても真冬の加温飼育の場合、冒頭に説明した15から18℃(15℃前後)で大丈夫です。

マット飼育のみでも大型個体を育てる事が可能です。
菌糸ビンよりも成長速度が遅くサイズが少し劣る程度です。

割り出し時に既に終齢幼虫(1円玉の大きさ前後)だった場合は、菌糸ビン飼育で結果が得られない場合が多いのでマット飼育をお勧めします。

幼虫の年齢(二齢、終齢幼虫)、雌雄(性別)に関係なく、オオクワマットを幼虫飼育ボトル(550ccもしくは850cc)に木製マットプレスを用いてを固く詰めた物に投入する飼育方法です。

マットは、菌床と異なり皮膜(白い膜)が無いので乾燥しやすい性質があります。
真冬の加温飼育の際は、乾燥しやすいので小さな550ccのボトルよりも850ccのボトルの方が乾燥の心配が無く安全です。

★当店の幼虫マットは、「幼虫に優しい微添加」につきボトルに固く詰めて使用していただいても安全です。
但し、他社様の添加剤配合マットを使用された際の再発酵に伴うアンモニア等のガスや発熱による幼虫のトラブルに関しましては自己責任でお願いします。


◆マットの詰め方について

ボトルにマットを詰めている様子 マットプレスというボトルにマットを強く詰める道具を用い朽ち木に見立てて強く押し固めます。
固く詰めるコツは、一度に沢山のマットをボトルに入れない事です。
※少しの量を何回かに分けて固めます。
オオクワマットボトルの販売の件ですが、添加剤配合マットにつきボトルに固く詰めた状態で発送すると環境の変化で再発酵によるリスクがあるので行う事が出来ません。予めご了承ください。

・マットの詰め方について>>

■マットボトル作成の際に必要なアイテム

虫吉オオクワマット
>>虫吉オオクワマット
幼虫飼育ボトル550cc
>>幼虫飼育ボトル550cc
幼虫飼育ボトル850cc
>>幼虫飼育ボトル850cc
木製マットプレス
>>木製マットプレス


◆幼虫のマットへの投入について

スプーンを用いて穴を空けます
交換用スプーンを用いて穴を空けます。
交換用スプーンを用いて幼虫を投入します
交換用スプーンを用いて幼虫を投入します

マットは、幼虫が入る大きさに合わせてスプーンで穴を空けてていただくか表面を少し解して投入してください。
※幼虫が小さいのでマットを取り除く必要はありません。
マットの上に乗せると自力で潜って行きますので埋め戻す必要は御座いません。

投入後は、フタを閉めて涼しい静かな場所で飼育します。
また、幼虫はストレスに弱いのでエサ交換以外に頻繁にボトルを触ったり幼虫を掘り起こしたりしないでください。

産卵セットから割り出して間も無い若齢幼虫(初齢、二齢)に使用される場合、摂食障害の有無を見極める為に出来れば二齢幼虫で投入される事をお勧めします。(初齢の場合は、二齢までカップで育ててから)

幼虫の摂食障害(ブヨブヨ病)について


マット交換のタイミングとして、基本的に蛹室(サナギになる為の空洞)を作り始めるまで3から4ヶ月毎の交換の必要があります。

少しズボラ気味の交換でも大丈夫です。
但し、550ccの容器で加温飼育の際は、乾燥の恐れがあるので3ヶ月毎の交換をお勧めします。
終齢幼虫での気温が上がり始める季節(概ね5月中旬から8月)の交換の際は、エサの種類(マットか菌糸ビン)を問わず環境の変化で幼虫が落ち着かなくなったり潜らなくなって上に出て来るトラブルの発生率が上がります。
初めての方で良く分からない場合、エサ交換が4から5月に終わる様に「3ヶ月後の交換」「4ヶ月後の交換」を上手く組み合わせて調整すると良いです。

マットは、良質は土壌菌(目に見えない生き物)が絶えずオガクズを分解しているので菌糸ビン同様に時間の経過と共に劣化します。
余り食べていなくても最低でも4ヶ月後の交換をお勧めします。


■マットの交換例について

・1本目:550cc(加温飼育の際は850cc)
・2本目以降:550ccもしくは850cc

基本的に成長速度が早い傾向がありますので飼育温度にもよりますが概ね2から3本目で蛹化する場合が殆どです。

真夏など気温が高い環境での飼育の際は、孵化した年に蛹化する事もあります。
※1から2本目で蛹化する事もあります。

オオクワやヒラタに比べて幼虫が小さいので外見から幼虫の姿が確認出来ない事が有りますが元気に生きている事が殆どです。

冬場の常温(無加温)飼育の際は、余り食べずに越冬して気温が上がり始める5月以降に成長や蛹化が始まる場合が御座います。

【蛹室】と呼ばれるサナギの部屋を作り始めるまで3から4ヶ月ごと にマットを交換するという単純作業で大丈夫です。


◆幼虫のマット交換の方法について

幼虫を取り出します。
幼虫は、衝撃や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり衝撃を与えるなどの乱暴な扱いをしてしまうと傷が原因で死亡してしまう事も御座います。
交換用スプーンを用いて慎重に掘り出したり移動させると良いです。

幼虫のエサ交換に関する説明>>


◆蛹室について

蛹室
蛹室(ようしつ)の画像です。
空洞を作っていたらエサ交換を中止してください。

成長過程(卵から羽化までの紹介)>>


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)
慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。
※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

蛹室の露天掘り
蛹室の露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室の作り方について



菌糸ビン飼育について


菌糸で育った幼虫
菌糸ビンとは、キノコの栽培に使用される菌床を幼虫のエサとして改良して作られた商品です。
栄養価やオガクズ、含水率など成長に最適な状態に整えられている物が多く、マット飼育に比べて早い成長が見込まれます。
但し、菌床の鮮度が2から3ヶ月しか持たないので交換の頻度の他に菌床の劣化を防ぐ為にマットよりも低温で飼育する必要があるなど、少し気をつける点が多いのも事実です。

近年の幼虫飼育で菌糸ビンは、「大型個体の必需品」的な存在になっていますが、コクワガタの場合は成長が早く、早く終齢に加齢して暴れ(菌床の掻き混ぜを行ってしまい逆に縮んでしまう場合もあります。
※25℃を超える環境での飼育の場合は、成長が早まり1本目もしくは2本目で高確率で暴れてしまう事もあります。

高温下の飼育は、早熟に伴う「菌糸ビンの暴れ」だけで無く、菌糸ビンの劣化を招くので出来るだけ涼しい環境での飼育をお勧めします。
※大型個体を狙う場合は、25℃以下(理想として18から22℃:冬眠せずに菌糸を食べる温度)をお勧めします。
真冬が寒い環境だと食べずに冬眠して成長が止まってしまい菌糸ビンだけが劣化するので温度管理の環境が無い場合は「マット飼育」もしくは、「菌糸ビン→マットへの切り替え飼育」をお勧めします。

国産(本土)コクワは、真冬の加温を避けて常温の方がトラブルが少ないです。

前述のとおり、終齢での暴れのリスクが高いので暴れたらマット飼育へ切り替えても大丈夫です。

暴れる前に切り替えた方が大型個体が狙いやすいのも事実です。


★最初の1本目の菌糸ビン投入の適齢期は?

二齢幼虫
二齢幼虫の画像
終齢幼虫
終齢幼虫の画像

冒頭にお伝えしたとおり、摂食障害(ブヨブヨ病)の幼虫を見極める為に出来れば二齢まで育った健康な幼虫を菌糸ビンに投入される事をお勧めします。
因に初齢や二齢幼虫は、『若齢幼虫』と称する場合も御座います。

若齢幼虫時に菌糸ビンを食べずに育った終齢幼虫に関しては、既に成長の伸びシロが決まっているので大型化しない事が多く、マット飼育の方が無難です。
成長し切っている幼虫の菌糸ビン飼育は、『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』によるサイズの縮小のリスクもあります。

小型な上に幼虫期間も短いコクワガタの菌糸ビン飼育は、他の種類に比べて投入や交換のタイミングが難しいのも事実です。


◆1本目の菌糸ビン投入について

菌糸ビン用シャベルで穴を空けます。
菌糸ビン用シャベルで表面に穴を空けます。
菌糸ビン専用シャベルはコチラ!
交換用スプーンで幼虫を入れます。
交換用スプーンを用いて幼虫を穴に入れます。
エサ交換用スプーンはコチラ!

コクワガタの幼虫は、小さいので菌糸ビン550ccに入れます。
※当店では、クヌギとブナのオオヒラタケの菌糸ビンが御座いますが樹種はお好みで構いません。

菌糸に空ける穴は少し深めにしておくと投入した幼虫は、自力で潜って行きます。
軽く埋め戻しても大丈夫ですが誤って幼虫を押し潰さない様にご注意ください。

幼虫を投入した後は、菌糸ビンのフタを閉めて出来る限り涼しいの環境(出来れば24℃以内)で飼育します。
エサ交換以外は、無闇に動かしたり掘り起こしたりしないでください。

菌糸ビンは、ボトルの中で菌糸が生きている状態(生き物)なので絶えず菌糸によるオガクズの分解が進んでおり2から3ヶ月後には、見た目は綺麗でも劣化が進んでしまいます。

従って菌糸ビンのサイズは、上記の2から3ヶ月で食い尽くしてしまう容量でなければなりません。

小さな幼虫を大きな容量の菌糸ビンに投入してしまうと食い尽くしてしまう前に劣化が進んでしまい効率が悪くなってしまいます。
※大きなボトルに入れて長期間引っ張る(放置)飼育は「暴れ」だけで無く「糞食」や「食い止まり」で成長障害(摂食障害)を起こしてしまう事があるので余りお勧めしません。


■最適な菌糸ビンのご案内

ブナ550cc
ブナ550cc
クヌギ550cc
クヌギ550cc


■以降の菌糸ビンの交換例について

・1本目(二齢幼虫):550cc
・2本目以降(幼虫の年齢に関係なく):550cc

※菌糸ビン飼育の場合は、基本的に蛹室を作るまで2から3ヶ月毎の交換で大丈夫ですが気温により多少異なる場合もあります。
例えば真夏の高温下の飼育の際は、1本目で蛹室(サナギになる為の空洞)を作ったり、『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を行う事が多いです。

蛹室(サナギになる為の横向きの空間)を作っていたらエサ交換をせずに羽化を待ちます。

低温飼育で成長速度が鈍化した場合に3本目以降が発生する場合も御座います。
また寒い季節に割り出した幼虫の場合、気温が下がるので1本目から2本目への交換の際に若齢のまま出て来る事もあります。

万が一、暴れたら即 マット飼育で大丈夫です。


■菌糸ビンの交換タイミングについて

6割ほど食い尽くした状態
エサ交換のタイミングは、画像の様に6から7割ほど白い部分が無くなってからか白い部分が多くて余り食べていなくても2から3ヶ月で交換する必要があります。
小型なので冬場だけで無く暖かい季節でも菌糸ビンを余り食べ無いままの場合も御座いますが菌床が劣化しているので最低でも3ヶ月後の交換が必要になります。

2から3ヶ月での交換の理由として前述の『菌糸の劣化』と中心だけを食い尽くして外見が真っ白のままの『居食い』と呼ばれる食べ方があるからです。

◆『居食い』についての解説

外見上は綺麗な居食いの菌糸ビンです。
外見上は、食べた形跡が全く無い菌糸ビン
投入から約2から2.5ヶ月経過
中央だけ食い尽くして居食いしています。
菌糸ビンの上の方をスプーンで掘った様子
中央だけ綺麗に食い尽くしています。

★1本目→2本目以降の交換について

終齢幼虫

因に2本目は、年齢や雌雄を問わず、菌糸ビン550ccで大丈夫です。


◆菌糸ビンから幼虫の取り出す際の注意点

菌糸から取り出します。
菌糸ビン交換は、専用スプーンを用いて慎重に行います。
幼虫は、衝撃や温度変化等のストレスに敏感なので直接手で触れたり衝撃を与えるなどの乱暴な扱いをしてしまうと傷が原因で死亡してしまう事も御座います。
幼虫の圧迫に注意しながら交換用スプーンを用いて慎重に掘り出したり移動させると良いです。

幼虫のエサ交換に関する説明>>


◆終齢幼虫の菌糸ビン投入について

菌糸ビン用シャベルで大きめの大きめの穴をくり抜きます。
専用シャベルで大きめの穴を空けます。
※幼虫の大きさに合わせてくり抜きます
交換用のスプーンで菌糸ビンに入れます。
交換用スプーンを用いて投入します。
ストレスを与えない様に慎重に行います

交換する菌糸ビンは、全く同じ菌種であれば問題無いのでクヌギかブナの樹種に関してはお好みで大丈夫です。
例)1本目クヌギ→2本目ブナなどの交換もOK!【当店で検証済み】

なお、自力で菌糸ビンに潜って行きますので投入後は、フタを閉めて出来るだけ涼しい場所で飼育します。

終齢幼虫は、若齢幼虫よりも更にデリケートなので投入直後の急激な温度上昇は、『暴れ』と呼ばれる菌糸ビンの掻き混ぜの原因になってしまいます。
※菌糸ビンは、飼育下の気温で1から3日ほど温度慣らしを行って投入直後の1週間は、少し気温を落とした環境が最適です。


●終齢幼虫まで育っていると雌雄の判別が可能になっている事が多いです。
但し、性別に関係なく、全く同じエサ交換で済む上に雌雄の羽化時期のズレも少ないので参考程度でラベルに記載されると良いかもしれません。

◆終齢の雌雄の判別法

幼虫のオス
・オスの幼虫
お尻から腰に掛けて斑紋がありません
幼虫のメス
・メスの幼虫
後部に左右一対の斑紋(雌班)あり。

◆菌糸ビンの暴れについて

菌糸ビンで暴れた幼虫
菌糸ビンで暴れた幼虫の画像。
主にエサ交換直後や終齢幼虫の後半(成熟期)の蛹室を作り始める際に発生しやすくなります。
グルリと周囲を掻き混ぜる様に動き回って白い部分が無くなってしまいます。
放置すると小型化したり水っぽくなってしまい羽化不全の危険性が高くなります。

・菌糸ビンの暴れについて>>

暴れた際は、特殊製法の【微添加オオクワマット】での菌糸ビン→マットへの切り替え飼育をお勧めします。
※虫吉のオオクワマットは、菌糸ビンからマットへの切り替え飼育に対応する為に添加量を減らして幼虫に優しい配合になっております。
当店が羽化させている大型個体の全てがこの飼育方法です。

他社様のマットの使用に関するトラブルにつきましては自己責任で行ってください。

菌糸ビンの蛹室

菌糸ビンでサナギになった
菌糸ビンの中のサナギの画像です。
サナギになる数週間前から終齢幼虫は、画像の様な空洞(蛹室)を作り始めます。
蛹室と思われる空洞を作っていたら交換を避けて様子を見てください。
蛹室を壊してしまうと羽化出来なくなる恐れが御座いますので十分にご注意ください。


◆万が一、蛹室を壊してしまったら!!(蛹室崩壊時の救援策)
慌てて埋め戻したり掻き出したりせずに下記の方法を試してみてください。
※折角、羽化まであと一歩の所まで育てたので是非頑張ってください。

蛹室の露天掘り
蛹室の露天掘りについて
人工蛹室
人工蛹室の作り方について


ご自身で菌糸ビンをお詰めになられる場合

菌糸ビン飼育の説明のコーナーで紹介した各菌糸ビンは、ご自身でお詰めいただく事も可能です。
但し、詰める強さや温度によっては、菌が回らない(白くならない)というリスクも御座いますので初めての方や菌糸を回す為の温度管理ができない場合には余りお勧め出来ません。

菌糸ビンの『飼育温度』と『菌を回す温度』は、全く異なります。
具体的には、菌が回って白くなってしまえば少々の温度変化(低温や高温)でも問題ありません。
但し、菌床を砕いて菌を回す(二次発菌)場合は、菌糸ビンを白くするために必要な温度や詰め方が必要になります。

菌糸ビンを詰めて白く発菌させる為の推奨温度は、20から24℃です。

20℃を下回るほど白くなるのに時間が掛かります
したがって真冬の寒い状態では、菌が回らずに終わってしまう恐れも御座います。
また、25℃以上の環境の場合、菌が回らずにカビてしまう事も予想されます。
真夏の高温下での作業は、菌糸が回る際の発菌温度も高くなってしまい菌が死滅して白くならない場合があるのでご注意ください。


◆菌糸ビンのボトル詰めについて

菌糸ビン詰めをしています

ステンレス製マットプレスという道具を用いてボトルに砕いた菌床を詰めます。
強く詰め過ぎると酸欠で菌が死滅して白くならない事もあり注意が必要です。
※マットと異なり菌糸が広がると勝手に固まりますので絶対に強く押さえ付けないでください。
温度や詰め方に不備が無ければ概ね5から7日後には真っ白になります。※ヒラタの仲間の終齢幼虫は、10日ほど経過してからの投入の方が落ち着きが良くなります。

・菌糸ビンの詰め方について>>


■菌糸ビン詰めに必要なアイテム

ブナ菌床ブロック
ブナ菌床ブロック
クヌギ菌床ブロック
クヌギ菌床ブロック
幼虫飼育ボトル550cc
飼育ボトル550cc
ステンレス製マットプレス
ステンレス製マットプレス



切り替え飼育について

これから紹介する飼育方法は、当店が実際に行っている飼育方法です。
菌糸ビン飼育とマット飼育の『いいとこ取り』で虫吉が最も得意としている飼育方法です。

コクワガタのマット飼育と菌糸ビン飼育では、下記の一長一短があります。

・菌糸ビン飼育のメリット:成長が早く大きな幼虫に育ちやすい。
・菌糸ビン飼育のデメリット:コストが高い。終齢幼虫で直ぐに暴れてしまい折角育った幼虫が小型化しやすい。持ちが悪い

・マット飼育のメリット:エサの持ちが良い、低コスト、羽化不全が少ない、暴れの心配が無いなど。
・マット飼育のデメリット:成長が遅く羽化迄に時間が掛かる。若齢から投入すると若干サイズが小さい。

上記のメリットとデメリットを考察すると他の種類よりも成長が早いコクワガタの幼虫は、若齢(二齢)までに菌糸ビンに投入して早く大きな終齢幼虫まで育ててしまう事が得策。
※終齢幼虫で菌糸ビンに入れると『暴れ(菌床の掻き混ぜ)』を起こしてしまい小さくなってしまい対費用効果が無くなるリスクが上がる。

結論から申し上げると菌糸ビンで終齢幼虫まで育てて、暴れる前に低ストレス、低刺激の微添加オオクワマットへ切り替えて大型個体を狙うという方法です。
※当店及びお客様の飼育でも最も大型個体が出ている必殺飼育法です。

何度か申し上げておりますが『虫吉オオクワマット(幼虫用)』は、菌糸ビン⇒マットへの切り替え飼育に対応する様に添加剤を減らして自然に近いミネラルのみで大きく育つ様に研究されたマットです。
他社様の添加マットをご使用の際のトラブルに関しては自己責任でお願いします。


■マット飼育への切り替え時の交換例

・1本目(二齢幼虫):菌糸ビン550cc

・2本目以降:終齢幼虫まで育った時点でオオクワマット(ボトルは550ccもしくは850cc)
※二齢幼虫のままだった場合は、再び菌糸ビン550cc。

終齢幼虫まで育っていたら思い切って即マット飼育へ切り替えてください。
ここでは、終齢幼虫を菌糸ビンに入れる必要はありません。

●飼育例は、少し難しく感じるかもしれませんが基本的に菌糸ビンで終齢幼虫まで育ててマット飼育というシンプルな方法です。
また菌糸ビン飼育で暴れてしまった際の幼虫の救済策です。

上記の交換例は、参考であり温度や幼虫の成長具合で大きく異なる場合があります。

気温が高いと1本目の菌糸ビンで蛹化や暴れが発生する事も予想されます。

夏季の高温時(6から8月)の終齢幼虫でのエサ交換は、落ち着きが悪くなってしまうので温度管理や交換タイミングに注意が必要です。

菌糸ビン飼育やマット飼育の説明でもお伝えしておりますがエサの種類に限らず、交換直後の高温下の飼育は極端に幼虫の落ち着きが悪くなってしまうので少し温度が低い涼しい場所へ移動させるか温度を下げるなどの工夫が必要です。

菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>


菌糸ビンの暴れについて
菌糸ビンの暴れについて>>>


■菌糸ビン⇒マットへの切り替え飼育で紹介したアイテム

ブナ菌糸ビン550cc
>>ブナ菌糸ビン550cc
クヌギ菌糸ビン550cc
>>クヌギ菌糸ビン550cc
虫吉オオクワマット
>>虫吉オオクワマット
幼虫飼育ボトル550cc
>>幼虫飼育ボトル550cc

クワガタのマット飼育

マット飼育はクワガタの幼虫をより簡単でより安全に飼育する方法です。

菌糸ビン飼育の場合、キノコの菌糸がナマモノなので劣化が早いですが、マット飼育でしたらこの様な心配がありません。

推奨飼育温度は、5から25℃です。

暑さに弱いのでボトル内の温度上昇を抑える為、真夏は冷房で25℃を超えない様にしてください。

真冬は、5℃以上であれば問題ありません。

冬場の加温の際はエアコンで18から20度前後で構いません。(ミヤマは、加温飼育をお勧めしません。)

菌糸ビン飼育と比べて、成長に若干時間が掛かりますが、より安全に大きく育てる事が可能です。

マット飼育に使うマットボトル(850cc)です。幼虫はこの中の昆虫マットを食べてすくすくと育ちます。
※1本のボトルで1匹ずつ大切に飼育します。

マットボトル

約3から4ヶ月おきにエサ交換をします。

まず、古いマットボトルからマットを専用スプーンなどを用いてそっとかき出します。

マットをかき出します。

幼虫を傷つけない様にそっと取り出します。

幼虫を取り出します。

取り出した幼虫は新しいマットボトルに入れ替えます。幼虫の大きさに合わせて容器の大きさを変えます。

幼虫をマットボトルに入れます。

幼虫をマットボトルに入れます。

日本に生息する殆どの種類の幼虫は、雌雄を問わず、マットボトル850ccで十分です。

大きく育ったオスの幼虫はマットボトル1500ccで飼育します。


種類にもよりますが、オスで半年から1年前後でサナギになります。

メスで概ね3から6ヶ月でサナギになります。

温度により多少変動しますので目安として下さい。

サナギになる時は土マユ(蛹室)を作りますのでこの時期から成虫になるまで大きな振動や衝撃を与えないで下さい。

オスのサナギの写真

オスのサナギの写真

このページで紹介した飼育用品は、ホームページ内で好評販売中です。

菌糸ビン飼育

多くのクワガタの幼虫は、キノコの菌糸が大好きです。

自然界でもキノコの菌糸部分を食べて育っています。

このため、「菌糸ビン(菌床)」という物で飼育します。

菌糸ビンは幼虫用の昆虫マットより早く大きく育つ特徴があります。

菌糸ビン550cc

まず、小さな幼虫(初齢から二齢の若齢幼虫)には、菌糸ビン550ccを用意してください。

後から説明しますが菌糸ビンは、生物(なまもの)なので小さな幼虫が2から3ヶ月で食べきることができるサイズで大丈夫です。

幼虫をいれます

小さな若い幼虫(初齢)を菌糸ビンに入れる場合は画像の様に菌糸ビンの中央に菌糸ビン穴あけ用シャベルやドライバー等で穴を開けます。

この中に幼虫を入れます。

交換間近の菌糸ビン

菌糸ビンはキノコの菌床で出来ておりナマモノです。

出来ましたら20℃以上25℃未満の環境で飼育して頂けることを推奨します。

下の画像のように菌糸の白い部分が6から7割ほど無くなりましたら新しい菌糸ビンと交換して下さい。

また、菌糸ビンは常に菌床のオガ(木くず)を分解してますので使用期限があります。

幼虫を入れてから2から3ヶ月を目安に菌糸ビン交換が必要です。

幼虫の掘り出し

中の幼虫を潰さない様に専用スプーンで優しく掘り出してください。

幼虫

手で触るとストレスを与えてしまうので同様にスプーンで優しく運び出します。

850cc

2本目以降の菌糸ビン交換は幼虫の成長過程に合った容量の物を用意します。

日本に生息する種類の殆どの終齢は、菌糸ビン850ccで大丈夫です。

1500cc

オオクワガタなどの30グラム前後の特大のオスの終齢は、菌糸ビン1500ccが最適です。

くり抜き

幼虫を菌糸ビンに入れる際は幼虫の大きさ分だけ菌床をくり抜き幼虫をそっと入れます。

幼虫を入れます

幼虫をくり抜いた穴に専用スプーンでそっと入れます。

基本的に蛹室と呼ばれる蛹の部屋(空洞)を作るまで2から3ヶ月毎に交換します。

オスのサナギ

オスのサナギの写真です。

種類にもよりますが、オスで概ね半年から1年前後でサナギになります。

メスで3から6ヶ月前後でサナギになります。温度により多少変動しますので目安として下さい。

サナギになる時は土マユ(蛹室)を作りますのでこの時期から成虫になるまで大きな振動や衝撃を与えないで下さい。

このページで紹介した飼育用品は、ホームページ内で好評販売中です。

幼虫飼育ボトルのサイズ選び

クワガタの幼虫をボトルに入れる様子

生まれて来たクワガタの幼虫の飼育にどの大きさの容器を使用して良いのか分からないという方の為に当店が実際に使用(販売)している適切なサイズのボトルを説明致します。

※外来種の取り扱いはございませんので国産種の幼虫飼育の目安です。

ボトルのサイズ選びの鉄則は、エサが新鮮な内【出来れば3ヶ月前後】にエサを食べ切る事が出来る大きさの物を使用する事です。

小さな幼虫をいきなり大きなボトルに入れて長く引っ張る(放置する)事で劣化した餌を食べさせたり、逆に大きな幼虫を小さな容器に入れて頻繁な交換や糞食をさせるとよく有りません。

■餌交換のタイミングについて

・菌糸ビン…白い部分が6から7割程度無くなった時、もしくは投入から3ヶ月。

・マットボトル…投入から3から4ヶ月。


それでは、ボトルのサイズについて詳しい説明を致します。


◆遮光500ccボトル【初齢や二齢、コクワガタの菌糸ビン向け】

飼育ボトル500cc
飼育用空ボトル500cc
クヌギ菌糸ビン500cc
クヌギ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc
ブナ菌糸ビン500cc

【ボトルのサイズ:高さ(フタ込み)約9.3センチ、直径約10センチ】

・500ccの容量のボトルは、種類を問わず主に菌糸ビン飼育の際の1本目(初齢、二齢幼虫時)に使用します。

小さな若い幼虫は、口も小さいので食べる速度も遅いです。

菌糸ビン(菌床)は、3ヶ月前後で劣化が始まるのでその前に食べ切って交換出来る容量が500ccです。

※菌糸ビン飼育の最初の1本目のボトルは、この大きさの物を与えて食い尽くすか3ヶ月以内で交換する方が良いです。

なお、菌糸ビンの加水は不要です。

また、コクワガタの仲間の菌糸ビン飼育にも使用可能です。

※但し、終齢幼虫で菌床をかき混ぜて暴れやすいのでオオクワマットでのマット飼育をお勧めします。

(1本目菌糸ビン→2本目からマットへの切り替えも可能です。)

ボトルが小さいのでマット飼育には、あまりお勧めしません。

500ccのマットボトルは、乾燥しやすい関係で当店では販売及びサポートができません。

どうしてもスジクワやオニクワなどの小型種のマット飼育に使用される場合は、乾燥する前に早めの交換をされるか1ヶ月に1回程度の霧吹きが必要かもしれません。


◆遮光800ccボトル【ノコギリ、ヒラタ、ミヤマ、オオクワのマット飼育や菌糸ビン飼育の終齢幼虫向け】

飼育ボトル800cc
飼育用空ボトル800cc
クヌギ菌糸ビン800cc
クヌギ菌糸ビン800cc
ブナ菌糸ビン800cc
ブナ菌糸ビン800cc
マットボトル800cc
マットボトル800cc

【ボトルのサイズ:高さ(フタ込み)約13センチ、直径約10センチ】

★800ccは、国産種の飼育に雌雄を問わず、幅広く使える最もポピュラーな容器で大変人気が高いです。

・主にマット飼育及びオオクワ、ヒラタの仲間などの菌糸ビン飼育の際に2本目以降(終齢)で使用する事が多いです。

・日本に生息する殆どの種類のマット飼育は、幼虫の年齢や性別、交換回数(○本目)を問わずマットボトル800ccで大丈夫な場合が多いです。

マット飼育の際は、若齢(初二齢)から終齢まで全ての年齢で使用可能です。

ミヤマクワガタは、腐植土を食べて育つ種類なので菌糸ビンに適応できませんのでマットボトル800ccが大活躍します。

★マットボトルとは、無添加プレミアム幼虫マットをボトルにカチカチに固く詰め込んだ商品の事です。

■ヒラタ、ノコギリ、コクワの仲間は、終齢で「暴れ」と呼ばれる菌糸ビンの掻き混ぜ行動を起こしやすいです。

なので初二齢(若齢)で菌糸ビン500ccを1本だけ与え、次の交換からマットボトルへ切り替える方が安定して大きく育ちます。(勿論、菌糸ビンを使わずに1本目からマット飼育も可能です。)

※特に国産ノコギリクワガタ及び亜種(屋久島方面に生息)は、終齢で菌糸ビンに適応しにくいのでマットを主体とした飼育の方が大きく育ちます。

なお、菌糸ビン、マットボトル共に加水は不要です。


このボトルは、無駄な高さが無いので800cc以下に見えるというお問合せがございますが、計量カップで測ると肩口まで(首の部分に掛からない部分)で800ccです。

なお、円柱の容積は、底面積x高さの計算で求めることも可能です。(円周率は3.14としています)

{(半径x半径)x3.14}x高さ

※半径5センチ、容器の厚みが1.5ミリ(0.15センチ)と仮定すると内側の半径は、4.85センチになります。

上記の計算を応用して800ccを入れた際の高さを求めることも可能です。

4.85x4.85x3.14=約73.9(底面積)

800÷73.9=約10.8

若干の誤差はあると思いますが高さ約10.8センチ(概ね肩口)の部分が800ccという事を計算可能です。


◆遮光1400ccボトル【オオクワや離島産ヒラタ、アマミノコギリ、ミヤマなどの特大終齢幼虫向け】

飼育ボトル1400cc
飼育用空ボトル1400cc
クヌギ菌糸ビン1400cc
クヌギ菌糸ビン1400cc
ブナ菌糸ビン1400cc
ブナ菌糸ビン1400cc
マットボトル1400cc
マットボトル1400cc

【ボトルのサイズ:高さ(フタ込み)約13.6センチ、直径約12.4センチ】

・1400ccのボトルは、主にオオクワ30グラム超級、大型離島産ヒラタ25グラム超級、アマミノコギリやミヤマの20グラム超級、などの超特大のオスの終齢(VIP待遇)に使用すると良いです。

大型個体を羽化させる場合に最適なボトルです。

オオクワガタの場合、菌糸ビン(3本目以降)に使用、

その他の大型種の場合、マット飼育(2もしくは3本目から)に用いると良いです。

※菌糸ビン飼育の際、どうしても使用するタイミングが終齢幼虫後半になってしまいますので暴れによる縮みの心配が発生します。

種類によっては、マットボトルを選択するなど戦略的な駆け引きが発生します。

なお、菌糸ビン、マットボトル共に加水は不要です。


◆1000ccブロー容器【国産カブトムシのマット飼育(観察)向け】

ブロー容器1000cc
ブロー容器1000cc

・ブロー容器1000ccは、柔らかいのでカブトムシの観察飼育の際に用います。

マットは、クワガタの幼虫と異なり、固める必要はありません。

■カブトムシの幼虫の餌交換のタイミングについて

約1ヶ月に1回(真冬の交換は、園芸用のフルイで糞を取り除いて減った分を足す方法でも可)

※上記のタイミングで小まめに交換される場合は、途中の加水は不要です。

5から6月頃に蛹室と呼ばれる卵を立てた様な縦型の空洞を作り始めます。

ボトルの側面やボトルの側面や底に空洞から空洞が見えた場合は、マット交換を中止してください。

空洞(蛹室)を壊すと正常に羽化できない場合があります。

・カブトムシの観察飼育について>>

※クワガタに使用されると噛み破ってしまう事がありますのでお勧めしません。

マットボトルの詰め方

超固詰めマットボトルの作業動画

マットボトルとは、クワガタの幼虫のマット飼育に使うエサの事です。

このページでは、ボトルにマットを固く詰める方法を紹介いたします。

飼育ボトル

まず、幼虫の飼育容器(ボトル)を用意します。

※現在、画像のボトルは、遮光クリアボトル800ccへ商品の変更が発生しています。

・ボトルのサイズ選びについて>>

幼虫用マット

無添加幼虫用マットを用意します。※オオクワガタの場合は、オオクワマットを使用。

使用する道具

木製マットプレス(虫吉オリジナル版)、園芸用スコップ、マットを入れるコンテナが有れば意外と簡単に作れます。

用意する備品はこんな感じです。

それでは、簡単に詰め方を紹介します。

ボトルにマットを入れます。

スコップでボトルにマットを入れます。

一度に沢山の量を入れると固く詰まらないのでスコップ2杯ずつ入れると良いです。

マットプレスで固める

マットプレスで固めにコツコツと詰めていきます。

※ボトルにマットをスコップ2杯入れて固めて→また2杯入れて固めるの作業を繰り返します。

容器の肩口くらいまでマットを詰めていきます。

あまり沢山マットを入れると幼虫を入れた際に容器の通気口が詰まってしまい窒息死の原因となります。

遮光クリアボトルのマットを詰める位置

現在販売している遮光クリアボトルの場合、本体の首の位置にある蓋のストッパー(出っ張り)まで詰めてください。

マットボトル

完成したマットボトルです。

詰め終わったら蓋を閉めた状態で飼育環境下で2から5日ほど温度慣らしを行ってから幼虫を投入してください。

そうする事で微生物や菌類が安定して幼虫が早く落ち着いてくれます。

交換タイミングは、3から4ヶ月に1回の間隔で大丈夫です。


★詰めるお時間がない場合は下記の商品がお薦めです。

マットボトル800cc
マットボトル800cc
マットボトル1400cc
マットボトル1400cc

菌糸ビンの詰め方(上級者向け)

菌糸ビンは、クワガタの幼虫をより大きく早く育てるためのクワガタの幼虫専用のエサです。

菌糸ビンはキノコの菌床で出来ています。キノコの菌床はカビ等の雑菌に非常に弱いために消毒等の衛生管理と温度管理(20℃から25℃)をしなければなりません。

そのため菌糸ビン作りはある程度クワガタ飼育に慣れた人向けです。

菌糸ビンを作るための菌床ブロックです。

菌床ブロック

菌糸ビン作成に使うクワガタの幼虫飼育容器です。

※幼虫の大きさに合わせて550cc、850cc、1100cc、1500ccを取り扱っております。

飼育容器

菌糸ビン詰めに用意する道具は、幼虫飼育容器、アルコールを入れたスプレー(アルコールは薬局で販売されている医療用)、20リットルくらいの収納ケース、衛生ゴム手袋、園芸用ショベル、マットプレス、ステーキナイフ、ピンセット、ティッシュ、ハサミです。

菌糸ビン詰めの道具

まず、衛生手袋をはめて手をアルコール消毒します。

菌床ブロックを詰める容器(飼育ポリボトル等)をアルコールで消毒します。

飼育容器の消毒

消毒した容器はティッシュとピンセットを使って綺麗に拭き取ります。

アルコールを拭き取ります。

使用する道具は全てアルコール消毒をします。

道具をアルコール消毒します。

菌床ブロックをほぐすための収納ケースもアルコール消毒をして綺麗に拭き取ります。これで前処理は終了です

収納ケースの消毒

菌床ブロック<の袋をハサミで切り、中身を収納ケースに出します。

菌床ブロックを収納ケースに移します。

菌床ブロックの上部1センチ位をステーキナイフを使って削り取ります。
※上の部分は、フィルター越しに外気に最も接触している箇所なので雑菌が付着している恐れがあるので剥ぎ取ります。

菌床の上部を削り取ります。

菌床ブロックを手を使って小さくほぐします。
※ほぐす際は、金網に擦り付けて粉々に擦りおろすと簡単です。

ほぐします。

ほぐし終わったら園芸用ショベルを使って飼育容器の中に菌床を入れます。

飼育容器に入れます。

マットプレスで容器の中に入れた菌床を固めます。あまり固く詰め過ぎないのがコツです。概ねの目安は以下のとおりです。
550cc容器:6~7本。
850cc容器:4~4.5本。
1500cc容器:2本+550cc容器が1本詰まる程度です。

大きな容器に詰める場合は、酸欠防止の為に少し緩めに詰めてください。
また、初めての方も上記の目安より若干緩く詰めてください。

菌床ブロックを砕く際に穴網で擦りおろして頂いた方が細かく解れるので軽い力で隙間無く詰める事ができて確実です。

マットプレスで固めます。

飼育容器にショベルで菌床を入れてはマットプレスで固める作業を数回繰り返し、写真の様に飼育容器の肩口まで詰めます。(飼育容器の上部から3センチくらいののりしろを空けます。)

あまり上まで詰め過ぎると通気性が悪くなり幼虫の成長に良くありません。

飼育容器の肩口くらいまで詰めます。

飼育容器のフタを閉めて菌床詰めの作業、終了です。

残りの菌床も同じ工程で全部詰めていきます。

注意事項ですが、一度袋から出した菌床は全部使い切って下さい。菌床はナマモノですので一度でも外気に触れるとカビや雑菌に侵されてしまいます。
また使用未使用に関わらず、不必要なフタの開け閉めは避けてください。

菌床詰め完了

詰め終わった>菌糸ビンは20℃から25℃以下の温度で1週間から10日くらい養生します。

下の写真の様に白くなっていれば菌糸ビンの出来上がりです。

菌糸ビンの出来上がり

詳しい飼育は、幼虫の菌糸ビン飼育をご覧下さい。

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