アマミノコギリの産卵セットの幼虫を一気に割り出しました

今日の福岡県北部は、生憎の雨模様ですが暖かい一日でした。

アマミノコギリクワガタの産卵セットを夕方から2セット一気に割り出してみました。

8月末にセットした天然のメスの2ヶ月を経過しての割り出しになります。

詳しい産卵方法を紹介した記事>>>

産卵開始までの速度に個体差が大きい種類なので少し引っ張り気味です。

(但し、爆産させたくない場合は早めの割り出しをお勧めします)

アマミノコギリの産卵セットをひっくり返した様子です。
こちらは、産卵セットをひっくり返した様子です。

ひっくり返した途端にボロボロとマットから幼虫がこぼれ落ちて来ました。

二齢が殆どで少しだけ終齢と初齢がいます。

マットの塊から出て来た幼虫
出て来た幼虫です。

マットの塊の中にも入り込んでいるので潰さない様に慎重に解してください。

※強く押しつぶさない様に優しく扱うのがポイントです。

(熟練すると数十匹の割り出しでも潰しゼロで済ませる事が出来ます)

初齢、二齢、終齢
画像は、左から初齢、二齢(オス)、終齢(メス)です。

本種は、日本最大級のノコギリクワガタなので脱皮する毎に見違える様に大きく育ちます。

因に二齢のオスと終齢初期のメスの幼虫をご覧いただいて分かるのですが1回脱皮回数が少ないオスの大きさと余り変わりません。

オスは、脱皮後に上手く成長すると最終的には20から23gになります。

朽ち木からも幼虫が出て来ました
このセットは、少し柔らかめのクヌギ産卵木Mサイズを使いました。

大きく育った二齢が綺麗に食い尽くしていましたので手で軽く割れました。

幼虫は、朽ち木を食べるとお腹(腸内)が薄茶色に見えます。

一方、マットを食べると焦げ茶から黒っぽい色になりますが食べた物による一時的な変化で大きな違いは有りません。

セットをひっくり返した様子
こちらは本日、2セット目の産卵セットをひっくり返した様子です。

最初の物と同様に8月下旬の割り出しです。

申し遅れましたが最初の産卵セットは30ミリのメスで、こちらは38ミリのデカメスですが明らかに後者の方が幼虫のサイズや頭、胴の幅が小振りです。

天然の個体は、厳しい自然環境で育つので本来は大きくなれる優秀な血筋を持っているにも関わらず育った環境のエサや気候で大きくなれない場合も多いので親のサイズで次世代のサイズを必ずしも断定出来ません。

通称、隠れ大型血統といって天然物からの繁殖は大当たりが有るので面白い一面があります。

クヌギ材(LL)から出て来た幼虫
こちらは、クヌギ産卵木(LL)を使ってみました。

材質が良いので最適です。

こちらも最初のセットと同様に幼虫が入り込んで綺麗に食べた食痕が見えます。

幼虫の割り出し結果
本日の2セット分の割り出し結果です。

最初に紹介したセットから36匹(左から6列)、

次に紹介した分から30匹(右から5列)、

合計66匹でした。

カップに幼虫マットを入れて養生させます
幼虫管理用カップに無添加虫吉幼虫マットを入れて4から5日ほど養生させて色艶が良い二齢からブナ菌糸ビン550ccに入れると良いです。

※終齢になっている場合は、こちらを優先させてください。

マット飼育も可能ですがアマミノコギリクワガタは大きく育つ分、幼虫期間が長くなる傾向が有りますので1本目だけでも菌糸ビンを与えて成長を加速させる事をお勧めします。

それと、本種の未活動の繁殖品の成虫は、これから寒くなる時期は、絶対に加温しないでください。

寒さに弱いと思われる方も多いですが実際は、本土種類と同様の低温環境(5℃前後)でも普通に越冬します。

※屋外の物置の様な場所での飼育でも時々雪が降っても普通に越冬します。

新成虫(未活動/未後食個体)を無理に加温すると雌雄の活動のズレだけで無く、早期活動を起こしてペアリングののタイミングが合わなかったり、短命の原因になってしまいます。

現時点での長寿飼育は、私の場合で羽化してから1年9ヶ月が最高ですがお客様からも同様(それ以上)のご報告を頂いております。