離島産などノコギリクワガタの幼虫のエサ交換

3月も下旬に差し掛かり、いよいよ本格的な春が近付きつつあります。

車の運転中に田んぼの土手の横を通ると沢山のツクシが顔を出していました。

今日は、離島産など幼虫のエサ交換の様子を少しだけ紹介したいと思います。

トカラノコギリの終齢です。画像は、トカラノコギリクワガタの終齢です。

幼虫は、スリムで小振りな体型ですが、羽化すると意外と大きなサイズで出てくる事が有ります。

ボトル内の食痕先ほどの幼虫を取り出した後のマットボトル内を見てみると中心に大きな食痕が有りました。
※奥には、ゴロゴロとした糞も見えます。

マットボトルについて

菌床と朽木をブレンドして無添加で発酵させたマットなのでストレス無く食べてくれます。(ガス抜き不要、加水不要です。

また、発酵ガスや発酵熱が発生しない上に劣化が遅いのでボトルに固く詰めておくと4ヶ月に1回の交換頻度に抑える事ができて大型化しやすいです。

終齢15グラム先ほどの終齢の体重を測ってみると15グラムでした。

最後に一伸びして大型化してくれる事もあるので少しだけ期待したいと思います。※過去の経験上、65から69ミリくらいで羽化すると思います。

■今回は、下記のエサ交換で育てています。

  • 1本目(2016年8月21日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年11月24日、終齢):マットボトル850cc
  • 3本目(2017年3月20日、終齢):同上

幼虫15グラム全く同じ交換リレーの兄弟の幼虫で同じく15グラムの幼虫が出てきました。

こちらの幼虫は、夏ごろには羽化すると思います。

クチノエラブノコギリの終齢13gこちらは、クチノエラブノコギリクワガタの13グラムの終齢です。

本土の種と同系統の亜種ですがこの体重でも羽化すると65ミリ前後の大きさまで育つと思います。

※少し小振りな感じもしますが、大型個体に十分な体重なので心配ご無用といった感じです。

■下記のエサ交換で育てています。

  • 1本目(2016年8月21日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年11月24日、終齢):マットボトル850cc
  • 3本目(2017年3月20日、終齢):同上

冒頭の個体のリレーと全く同じです。

※虫吉では、一度に50から100本単位でボトルを詰めを行い、一気に幼虫の投入や交換を行っています。

なので概ね同時期の割り出しの物は同じリレーになる事が多いです。

国産ノコギリの終齢11グラムこちらは、国産ノコギリクワガタの終齢11グラムです。

大きさはそこそこですが、終齢の時のエサ交換直後に気温が高いと、極端に落ち着きが悪くなり潜らなくなってしまう事が多いです。

なので気温が低い春先に最後のエサ交換を済ませて秋まで引っ張る『ズボラ飼育』が上手くハマります。

※上手くタイミングを合わせると良いです。

現時点で11グラムでも最後のボトルで成長して65ミリオーバーで羽化する事が多いです。

加温飼育の際は、終齢の投入直後の過度な(急激な)温度上昇を避けてください。

バクテリア等の微生物が急激に活性し始めるので酸素が足りなくなります。

■画像のの幼虫は、下記のエサ交換で育てています。

  • 1本目(2016年8月19日、二齢):マットボトル850cc
  • 2本目(2016年11月24日、終齢):同上
  • 3本目(2017年3月20日、終齢):同上

※たぶん最後の交換になると思います。

オキナワノコギリの終齢こちらの画像は、1本目のクヌギ菌糸ビン550ccからエサ交換の為に取り出したオキナワノコギリクワガタの終齢です。

秋になって天然のメスをダメ元で産卵させて何とか産まれた幼虫です。

終齢10g体重は10グラムですが、1本目では十分な重さです。

マットボトルに入れました2本目からは、いつもの様に菌糸ビン⇒マットへの切り替え飼育を行っています。

※前述のとおり、暴れを防止して大きく育てる為です。

オスの幼虫11グラムこちらも先ほどのオキナワノコの兄弟のオスの幼虫11グラムです。

■先ほどの幼虫と同じ下記の交換リレーで育てています。

  • 1本目(2016年12月2日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 3本目(2017年3月20日、終齢):マットボトル850cc

幼虫は、成長(加齢)速度が遅いので、3本目が発生するかもしれません。

今後が楽しみです。


離島産などノコギリクワガタの幼虫のエサ交換” への3件のコメント

  1. どうしても、マット交換が夏になったらどうしたらいいですか?

    • コウチャン様

      いつもお世話になっております。
      クワガタ工房 虫吉です。
      ブログの記事の補足を記載しておきます。
      過去の飼育経験やお客様からのご報告の限りでは、真夏や真冬の過度な加温管理の際はノコギリやミヤマの終齢幼虫の落ち着きが悪くなって潜らなくなる事が多いです。
      理由は、一定の温度を超えたり急激な温度変化で菌糸ビンやマットの土壌菌や菌糸、バクテリアが急激に増え過ぎて(活性し過ぎ)て酸素が不足するからです。
      したがって、マットのバクテリアが落ち着いた状態(投入から1ヶ月以上経過)で夏を迎えた方が幼虫の落ち着きが良いです。

      真夏の交換の際は、エアコンを効かせた状態でマットの温度を1から2日ほど下げてから幼虫を投入していただいたり、通常よりも温度を下げる等の工夫が必要ですが夏の低温下の飼育は、他のクワガタを飼育の際に蛹化や産卵の支障が出てしまう恐れがあります。

      そこで逆算をして交換を行うと良いです。
      例えば、9月に割り出した幼虫の夏前の最後の交換を4月末から5月上旬に行うと決めておけば、その前の交換を12月末頃と設定する事が可能です。
      したがって、交換リレーは、9月→12月→4月といった感じになります。(3ヶ月毎と4ヶ月毎の交換を上手く組み合わせてと記載した理由です)
      ※8月割り出しなら8月→12月→4月。
      10月割り出しなら10月→1月(もしくは2月)→4月(もしくは5月上旬)。

      虫吉では、ミヤマやノコギリは投入日から交換リレーを計算するのではなく、春から5月上旬から逆算して交換リレーを行っています。
      (なので少々のズボラ飼育でも大型個体が羽化しています。)
      参考にしてみてください。

  2. 丁寧に説明して頂きありがとうございました。

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