投稿日:2025/12/14
離島産ノコギリクワガタのマットボトルでモンスター級(残念無念アマミノコギリ82.5ミリも)
今回は、過去にInstagramや月イチ恒例のメルマガで紹介した離島産ノコギリクワガタの化け物レベルの個体をダイジェストで紹介したいと思います。
全て無添加虫吉幼虫用マット(マットボトル)のみで飼育した2025年羽化の個体達です。

まず、最初はに紹介するのは、ヤクシマノコギリクワガタの69.5ミリのオスです。
(詳細は、過去のInstagramに公開していますが現在は売り切れです)
昔から当店のブログをご覧いただいて普通に70ミリ台を見ている方にとっては、普通のサイズに思えるかもしれませんが、最終交換時の体重と大顎の湾曲、胴体の太さがモンスタークラスでした。
因みに5月19日のブログで紹介した幼虫が羽化した個体で最終交換時の体重が何と17グラムもありました。
※過去の経験上、70ミリオーバーを目指すなら16グラムが通過点になります。
72ミリを期待しましたが、分厚い横幅と下に垂れ下がる様な強い湾曲の影響でサイズが伸びませんでした。
胴体の幅だけで見ると70ミリオーバーの個体と同等レベルでした。

正面からの大アゴの画像です。
言い訳になりますが、ここまで湾曲して下に垂れ下がってしまうと流石に70ミリ台は無理です(笑)
※5月のブログでパーソナルベストの71ミリ(x2頭)の大幅記録更新を期待させてしまい申し訳ございません。
昨年入荷した野外採集品のメスを産卵させて生まれた幼虫(WF1)を羽化させています。
★飼育情報は、下記のとおりです。
常時エアコンで22から23℃の一定温度管理。
※繁殖上内では、常時4台以上のサーキュレーターで空気循環を行なっております。
▼エサ交換のリレーです。
・1本目(2024年10月13日、二齢):マットボトル800cc
・2本目(2025年1月16日、終齢/測る価値なし、おチビちゃん):同上
・3本目(2025年5月9日、終齢17g):同上
7月21日に既に前蛹になっているのを確認、8月24日羽化。

補足説明になりますが、酸欠や幼虫が潜る事ができないトラブルを防止する為に特殊な円錐形にマットをプレスするマシーン(最大1トンの加圧が可能)でボトル内側の壁面に向けて強い圧を加え、残りの部分を手作業でプレスしていますので「3ヶ月後の緩みにくさ」と「潜りやすさ」「通気性」の問題をクリアできている拘りのボトル詰め商品です。
因みに虫吉幼虫用マットは、自然界の腐植土や葉っぱにも付着している納豆菌、乳酸菌、酵母など人間の発酵食品にも用いられる微生物を発酵に干渉させた無添加のマットです。
人間の腸活同様に善玉菌が生きた状態で幼虫の腸内に届いて消化や糖質などの栄養吸収や成長に役立ってくれる様に作られたマットです。
今回のリニューアルバージョンは、「昆虫マットは、人間の口に入っても安心な微生物で発酵させたい」という強い思いを持っておられるマット工場の社長さんからの突然のお電話で、従来の虫吉マットの原材料とコンセプトをそのままに、粒子だけを細かくして、特殊な発酵、撹拌設備にて製造の話が進んで完成したマットです。
※従来品は、虫吉の方で撹拌や水分調整などを行なっており、品質のバラツキが弱点でしたが、工場生産に切り替える事で一気に品質が上がり、バラツキも無くなりました。
虫吉の無添加の拘りとマット工場の社長さんの思いがコラボした綺麗で食いついが良いマットに仕上がっています。
虫吉の意図的に発酵させないマット(初期の生物学的な酸素要求量を抑え、ボトル内で発酵が浅いオガクズを微生物のエサとして食わせて持続性を良くする)という吹っ飛んだ考えは、マット職人の常識とは全く違うみたいですが論より証拠という事で以下の大型個体群をご覧くださいませ。

こちらは、10月1日の月イチ恒例のメルマガ(お知らせを受け取り希望の会員様向け配信)で紹介したトクノシマノコギリクワガタ74ミリの赤くて綺麗な大型個体です。※既に売り切れです。
(以下、メルマガより抜粋)
※過去の虫吉のパーソナルベスト(73ミリ)を久し振りに更新しました。
トクノシマノコギリは、アマミノコギリと比べると頭部の幅が広いので横幅に取られて、大型個体の難易度が少し高めです。
画像の様な赤いタイプだけでなく、真っ黒、中間色など体色が異なる個体が存在します。
今回の個体は、昨年入荷した採集品(ワイルド)のメスを産卵させて生まれた幼虫を1本目から無添加虫吉幼虫用マット(マットボトル800cc)のみで羽化させています。
飼育温度はエアコンで22℃から23℃です。(サーキュレーターで空気循環)
▼エサ交換のリレーは下記のとおりです▼
・1本目(2024年9月15日、二齢):無添加虫吉マットボトル800cc
・2本目(2024年12月27日、終齢):同上
・3本目(2025年4月11日、終齢):同上
※最終交換時の体重は18グラムでした。
・7月30日に前蛹を確認→9月3日羽化。
マットボトル800cc場合、超固詰めにつき、3から4ヶ月に1回の交換で大丈夫です。
※ノコギリクワガタ限定ですが、交換が面倒な場合、4ヶ月以内に1回の交換(ズボラ飼育)でも問題ありません。
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ノコギリクワガタの仲間に菌糸ビンを使うとメスが極端に早く羽化して雌雄の羽化ズレが発生しやすくなります。
また終齢で暴れ(菌床のかき混ぜ)を起こして逆に小型化しやすいので、ここ数年、虫吉ではマットボトルのみで飼育しています。
是非、参考にしてみてください。

こちらは先日のInstagramで紹介した壱岐産ノコギリクワガタ74.24ミリの超大型個体の羽化紹介です。
(以下、Instagramより一部抜粋)
※天然のメスの子 /WF1です。
昨年の初めに羽化したパーソナルベストの74.89ミリには、少し及びませんが久し振りの大物です。
・ノコギリクワガタのモンスター級を紹介した昨年3月のブログ記事>>
日本海側の壱岐のノコギリクワガタは、屋久島や種子島など太平洋側の離島産と異なり、大アゴの湾曲が緩やかで直線的な個体が多い様に感じます。
※最初に紹介したヤクシマノコギリよりも明らかに大アゴが直線的(リーチが長い)で胴体もスリムなので大型個体が羽化しやすいのも事実です。
幼虫の飼育温度は、22から23℃前後です。
▼エサ交換のリレーは、下記のとおりです。
・1本目(2024年11月17日、二齢):無添加虫吉マットボトル800cc
・2本目(2025年2月21日、終齢12g):同上
・3本目(2025年6月19日、終齢15g):同上
※10月6日に蛹室を確認したので4本目の交換なし→11月8日羽化。
販売したいのは、山々なのですが、大型化しすぎるとメスと半年前後の極端な羽化時期のズレが発生してしまい販売が出来ません。
今回も只単に飼育しただけで終わってしまい私のペットになってしまうかもしれません。

こちらも先日のInstagramで紹介しましたが残念無念な結果になってしまったアマミノコギリクワガタの82ミリ超えです。
(以下、Instagramより一部抜粋)
こちらも5月19日のブログで紹介したアマミノコギリクワガタ(天然のメスの子/WF1)終齢26グラムが10月下旬に羽化した個体です。
82.5ミリで羽化しましたが、写真のとおり下翅が収まらず、横から飛び出して羽化不全を起こしてしまいました。
日本一大きなノコギリクワガタを夢見て育てましたが、非常に残念な結果に終わってしまいました。
(こちらも5月19日のブログで圧倒的なサイズを期待させてしまい申し訳ございません。)
3本目で1400ccのボトルを使いましたが、少し引っ張りすぎてマットが緩んで蛹室の肥大化により蛹化や羽化時のトラブルが発生したのかもしれません。
※画像の様に胴体が少しカーブする様に傾いて変形している場合は、ブカブカ蛹室でサナギの時点で歪みが発生している可能性が高いです。
この個体も私のペットして飼育して、亡くなりそう時に個人的な記念として標本で残す事になると思います。
羽化不全でもこのサイズは、なかなか見る事ができないと思いますので飼育情報だけ公開します。
★飼育温度は、エアコンにて常時22から23℃の一定管理。
(サーキュレーターで常時空気循環)
★餌は菌糸ビンを一切使わずに無添加虫吉幼虫用マットだけ。
▼エサ交換のリレーは下記のとおりです。
・1本目(2024年9月24日、二齢):マットボトル800cc
・2本目(2024年12月19日、終齢/測る価値なし、おチビちゃん):同上
・3本目(2025年5月2日、終齢26g):マットボトル1400cc
※9月12日に蛹室を作っていたので4本目の交換なし→10月27日羽化。
交換回数を増やすとストレスで痩せてしまいサイズロスを起こしやすくなり、交換をしなければマットの分解(劣化)で詰めが緩み始めるという4本目の交換を迷ってしまう様な厳しいタイミングになってしまいました。
羽化不全につき、「パーソナルベストへの登録ならず」ですが、11月に生まれ変わった虫吉マットでリベンジをしてみたいと思います。
★虫吉マットは、持続性を良くする為に初期の発酵(微生物の数)を制御していますのでボトル内で幼虫の成長と同時進行で少しずつ微生物が増加する様に計算したマットです。
その為、1本目の食い上げ時点では、「測る価値なし、おチビちゃん」の場合が多いですが、2本目の終齢時に一気に大きくなる遅効性が強いマットです。
微生物の酸素要求量が一気に上昇しにくいので幼虫へのストレスも少ないはずです。














