本土ヒラタクワガタ70ミリなど羽化情報(菌糸ビン→マットへの切り替え)

前回より引き続き、5月上旬から中旬に掛けて羽化した新成虫の掘り出しの様子を紹介します。

※今回は、【菌糸ビン→マットへの切り替え飼育】で羽化した大型の本土ヒラタクワガタを実際の飼育例を交えて紹介します。

本土ヒラタ宮崎産65ミリ

画像は、2017年最新羽化の本土ヒラタクワガタ宮崎県宮崎市産65ミリのオスです。

※北部九州産とは、微妙に雰囲気が異なる感じですが未だ70ミリオーバーを羽化させた事が無いので今後も頑張ってみます。

65ミリでも大きさ的には、マズマズですが綺麗な個体です。

因みに昨年の夏に入荷した天然のメスでセットを組んで産まれた幼虫を育てました。

■エサ交換のリレーは、下記のとおりです。

  • 1本目(2016年9月2日、二齢):ブナ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年11月27日、終齢):無添加マットボトル850cc(中身は無添加虫吉幼虫用マット

→3月下旬に前蛹(サナギの直前段階の幼虫)を確認したので3本目への交換無し。

2本目は、いつもの様に終齢の菌糸ビンでの暴れ(菌床の掻き混ぜ)を避けて大きく育てる為に低ストレスのエサへ切り替えました。

マットボトルについて

添加剤による発酵ガスや発酵熱が一切発生しないので幼虫に安全な上にガス抜きや加水の必要がない初心者にも優しい商品です。

本土ヒラタの場合は、3から4ヶ月に1回の交換頻度で済みます。

当店での飼育温度は、幼虫の落ち着きを配慮して18から21度の範囲内です。

※特に交換直後の気温上昇は、幼虫の落ち着きが悪くなりやすいので注意が必要です。

67ミリの大型のオス

こちらの画像は、2017年最新羽化の本土ヒラタ福岡県福津市産67ミリの大型のオスです。

昨年の夏に自己採集した天然のメスを産卵させて産まれた幼虫を育てました。

■下記のエサ交換で羽化させました。

  • 1本目(2016年8月26日、二齢):ブナ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年11月13日、終齢):無添加マットボトル850cc
  • 3本目(2016年3月2日、終齢):同上

→4月10日にサナギになっているのを確認。

3本成りの羽化ですがやはり交換直後に蛹化するパターンは、70ミリが狙いにくいです。

68ミリのオス

こちらも前の画像の兄弟に当たる本土ヒラタ福岡県福津市産の68ミリです。

今回羽化した67ミリ以上の大型個体は、綺麗な個体ばかりでした。

エサ交換リレーは、先ほどの個体と全く同じなので省略させていただきます。

※8/26→11/13→3/2。の3本成りの羽化。

虫吉では、一度に数十から百本単位でマットや菌糸を詰めて一気に交換するので同時期に採取した幼虫のエサ交換が機械で管理された様に全く同じになってしまう事が多々あります。

※店長(兄)がしっかりと管理してくれているお陰です。

70ミリのオス

こちらの写真の個体は、本土ヒラタ福岡県福津市産の70ミリのオスです。

少しスマートですが綺麗な個体です。

先月に引き続き70ミリオーバーが羽化しました。

勿論、自己採集の天然のメスを産卵させて産まれた個体です。

■下記のエサ交換リレーで羽化させました。

  • 1本目(2016年9月20日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年12月6日、終齢):無添加虫吉マット850cc

→2017年3月下旬に前蛹になっているのを確認したので3本目への交換は行っておりません。

今年は、ボトル2本の最短リレー(少ないタッチ)で70ミリが何回も羽化しています。

菌糸ビンで一気に終齢まで育てて2本目からマットに切り替え→数か月後に蛹化というストレスを掛けない方法が功を奏しているのかもしれません。

※火力に例えると『はじめボウボウ、あとチョロチョロ』といった感じでしょうか。

因みに今回の70ミリは、2本目投入時の体重が20グラムでした。

エサは基本的に菌糸ビンは2から3か月後の交換、マットは3から4か月後の交換を行っています。

※蛹室を作って蛹化の準備が始まったら交換は中止です。

67ミリのオス

こちらは先ほどの福津市産70ミリと兄弟の67ミリの大型のオスです。

太くて綺麗な個体だと思います。

エサ交換のリレーも70ミリと全く同じなので省略させていただきます。

※9/26→12/6の交換で2本成りの羽化。

70ミリのオス(2匹目)

こちらも先ほどの70ミリ、67ミリと兄弟の本土ヒラタ(福津市産)70ミリ、2匹目のオスです。

※交換リレーは、前の個体と全く同じなので省略させていただきます。

兄弟でも微妙に雰囲気が異なりますがツルツルの綺麗な個体という共通点があります。

但し、こちらの個体は、大型個体にかかわらず内歯の小突起(鋸歯)が消失した変わった個体になります。【通称:ギザ無しです。】

本土ヒラタの場合、自然界、飼育下共に稀に出現します。

過去のギザ無しの採集記事>>>

過去の大型ギザ無しの飼育記事>>>

私の記憶が正しければ、12月のマット交換に立ち会った際に20グラムを超える終齢が何匹かいたので5月下旬以降の羽化が楽しみです。

※幼虫が大きくても羽化したら期待外れのサイズの場合も多いのであまり期待しないでください。(ノーマークの方が大化けしてくれる事が多々あります。)