ヒラタクワガタの仲間の大型個体とエサ交換リレーの紹介

本日の九州北部は、雨天で少し肌寒い1日です。

桜(ソメイヨシノ)は、まだ3分咲きといった感じで関東よりも少し開花が遅いみたいです。

今回は、先日ボトルから出したヒラタクワガタの仲間の新成虫を紹介したいと思います。

本土ヒラタクワガタ71ミリ前後のオス

画像は、2月下旬最新羽化の本土ヒラタクワガタ(福岡県福津市産)の71ミリ前後の大型個体です。

今年最初の70ミリオーバーです。

昨年の初夏に自己採集したメスを産卵させて生まれた幼虫を育てました。(産卵方法はこちら

エサ交換リレーは、下記のとおりです。

・1本目(2019年7月14日、二齢):ブナ菌糸ビン500cc

・2本目(2019年10月23日、終齢):マットボトル800cc

→2020年1月16日に前蛹になっているのを確認したので3本目の交換無しです。

幼虫用ボトルのサイズ選びについて>>

昨年は猛暑に加え、エアコンのローラーファン(送風ファン)の汚れで冷房の効きが悪くなっていたので例年よりも少し早く羽化している様に感じます。

エアコンは、一年中、稼働させているとファンが汚れて効きが悪くなってしまいますので定期的に分解洗浄を業者にお願いするか、パイプ用のロングブラシ(ナイロン毛タイプ)を突っ込んで念入りにローラーを掃除する必要があります。

エアコンを年中稼働しておられる方は、汚れが溜まりやすい夏に備えて、必ず3から4月にローラーファンとフィルターの掃除を行う事をお勧めします。

ファンが汚れた状態で夏を迎えるとリモコンの設定温度と大きくかけ離れて高温になってしまいますし、機械にも負荷が掛かってしまいます。

本土ヒラタクワガタ72ミリ

こちらも冒頭の個体と兄弟の本土ヒラタです。

72ミリ超えの大型サイズです。

交換リレーは、先ほどの個体と全く同じなので省略します。

飼育の概要としましては、1本目だけ菌糸ビンを与えて終齢まで育て、次の2本目からマットボトルに切り替えて低ストレスで大型化させる方法です。

菌糸ビン→マットへの切り替えについて>>

↑今回の本土ヒラタ70ミリオーバー2匹の掘り出しを紹介した動画です。

タカラヒラタクワガタ70ミリ

こちらは、3月上旬最新羽化のタカラヒラタクワガタの70ミリ超えの超大型個体です。※こちらも今年最初の70ミリオーバーです。

本土ヒラタは、大型化すると第一内歯の上のノコギリ状小歯がやや斜め前を向き、基部側(内歯の少し前方付近)に行くにしたがってボヤけて不明瞭になります。

一方、タカラヒラタは内歯付近までビッシリとギザギザの小歯が付き、画像では伝わりにくいですが横幅があり、カッコ良いので人気があります。

※本土ヒラタは、後脚の脛節の真ん中より少し下付近にトゲ状の突起が出る特徴がありますので、よく似た南西諸島の亜種との見分け方が容易です。

下記のエサ交換リレーで羽化させました。

・1本目(2019年5月19日、二齢):ブナ菌糸ビン500cc

・2本目(2019年9月19日、終齢):無添加虫吉マットボトル800cc

→2020年1月上旬に蛹室と思しき空洞を作っていたので3本目の交換無しです。

※昨年より、人手不足でマットボトル詰めが追い付かずに少し引っ張り(ズボラ飼育)気味になっています。

終齢からは、菌糸ビンの暴れ防止だけでなく、交換頻度を落として「ストレスフリー」に近づける為、無添加虫吉マットボトルへ切り替えています。

マットボトルについて

マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットのボトル詰め商品の事です。

添加剤を一切加えずに発酵させた昆虫マットなのでボトルに固く詰め込んでも添加物の腐敗による発酵ガスや発酵熱が発生しないので安心です。

850ccのボトル(現在は遮光クリア800cc)に固く詰め込んでおくと4ヶ月くらいに1回のエサ交換頻度で済みますのでストレス痩せのリスクも軽減できます。

マットボトルの詰め方>>

↑マットボトルの詰め方と投入時の注意点を紹介した動画です。

オリジナル木製プレス>>

※動画の補足ですがマットには、幼虫のタンパク源となる無数の微生物が住んでおり呼吸しています。

到着直後や詰めて直ぐに幼虫を投入してしまうと微生物がボトル内の酸素を消費しており、幼虫が潜れないというトラブルが発生しやすいので事前に2から3日ほどサーキュレーター(送風機)や扇風機を用いて風を当てると良いです。

サーキュレーター

また、飼育ルーム内には、幼虫のストレス軽減対策で画像の様に常にサーキュレーターを稼働させて空気循環(サーキュレーション)を行う事をお勧めします。

※暖房時は上方向、冷房時は横方向に向けると効果的です。

サーキュレーションに関する説明>>

トクノシマヒラタクワガタ75ミリ

こちらは2月下旬羽化のトクノシマヒラタクワガタ特大75ミリのオスです。

この種類は、内歯が少し上に付き、アゴの先端付近が大きく湾曲します。

オスはアマミヒラタに似ますが、メスはオキナワヒラタに似ます。

※オスもアゴ先部分が急角度で内側に湾曲する点がオキナワヒラタと共通します。

近年の研究で遺伝子の分岐順序(系統)は、奄美と宝島、徳之島と沖縄が比較的近い事が分かっています。

他の動植物同様に太古の昔の地形が変わってしまうほど大規模な地殻変動や天変地異が大きく影響していると言われています。

今回の個体のエサ交換リレーは、下記のとおりです。

・1本目(2019年6月7日、二齢):ブナ菌糸ビン500cc

・2本目(2019年9月23日、終齢):無添加虫吉マットボトル800cc

→2020年1月中旬に前蛹を確認したので3本目の交換無し。

今回紹介したクワガタは、近々販売できると思います。

また面白い情報があれば紹介したいと思います。


ヒラタクワガタの仲間の大型個体とエサ交換リレーの紹介” への2件のコメント

  1. 72ミリの本土ヒラタクワガタは圧巻です。
    販売を今や遅しと定期的にチェックしながら待ち、ようやく購入できました。
    到着を楽しみにしています。

    • へいぽん様

      いつもお世話になっております。
      コメントありがとうございます。

      兄(店長)曰く、70ミリ級は他の産地でも狙えそうな幼虫がいたとの事ですので今後が楽しみです。

      リクエストにお応えして今年は、採集や産卵セットの割り出し、デカイ幼虫のエサ交換などもお伝え出来ればと思っております。

      宜しくお願い致します。

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