本土ヒラタの12月の菌糸ビン→マットへの切り替え飼育の様子

今日の福岡県は、曇り時々雨の天気でしたが、12月とは思えない程の暖かさで日中は、25度くらいまで気温が上がりました。

流石に幼虫飼育場の温度が上がりすぎるので冷房を入れてしましました。

※12月で冷房をつけるのは初めてです。

今回は、先週末に行った本土ヒラタクワガタの2本目のエサ交換の様子をお伝えします。

20グラム級が何匹も出てきました。

★現在、この記事で登場するボトルは、550cc→遮光タイプ500cc、850cc→遮光タイプ800ccへ変更になっております。

本土ヒラタの終齢のオス

画像は、2018年9月8日に二齢でブナ菌糸ビン550cc(現在は遮光ブナ500cc)に入れて今回の交換を迎えた丸々と太った本土ヒラタのオスの終齢です。

菌床を粉々に食い尽くしていました。

今年の初夏に採集した天然のメスから生まれた幼虫です。

終齢20グラム

体重を測ると1本目で既に20グラムまで育っていました。

21グラムの終齢

先ほどの幼虫と兄弟で21グラムも出てきました。

宮崎県産の終齢22グラム

こちらは、今回の交換で最大サイズの22グラムの本土ヒラタの宮崎県産の終齢です。

1本目は、2018年9月2日に二齢でブナ菌糸ビン550ccに投入しました。

※宮崎県産で70ミリオーバーの期待が膨らみます。

今回の交換作業で20グラム級の終齢は、全部で10匹くらいいました。

※18グラム以下が出て来なかったのでかなりの期待が持てます。

現在、虫吉では2本目から無添加虫吉マットでの添加剤フリーの飼育を行なっています。【切り替え飼育】

ボトルに投入しています。

2本目は、マットボトル850cc(現在は遮光タイプ800cc)に投入しました。

幼虫が大きい場合は、表面をスプーンなどで少し削って捨てても大丈夫です。

※ただし、捨てすぎると後で緩むのでご注意ください。

菌糸ビン飼育の際に、終齢で突然暴れと呼ばれる掻き混ぜ行動による激縮みで小型化してしまったり、羽化不全などの事故が多くなってしまいます。

また、菌糸ビンだと持ちが悪いので交換回数が増えてしまい掘り出し時のストレス痩せの原因にもなります。

虫吉では、そういったトラブルを事前に防いで幼虫が自然に近い状態で大きく育つ様に切り替え飼育を行っています。

飼育のイメージとしては、最初の1本目の菌糸ビンで大きく育つ素質を持った終齢へ一気に育てた後でマットボトルでの飼育を行って、じっくりと最大限まで育て上げるといった感じです。

※因みにパーソナルベストの大型個体の殆どが切り替え飼育で羽化させています。

菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>

マットボトルについて

添加剤を一切加えずに発酵させていますのでボトルに思いっきり強く押し固めても発酵ガスや発酵熱が発生せず幼虫に安心安全です。

【ガス抜き不要、加水不要タイプ】

また劣化が遅いので固く詰めておくと本土ヒラタの場合、確実に3から4ヶ月に1回の交換頻度で済みます。

交換頻度を減らすことで交換時の幼虫への負荷(ストレス痩せ)のリスクを軽減できます。

※水を加えると劣化速度が早まってしまい大型個体作出には良くありません。

無添加虫吉幼虫マット

当店のマットに対する考えですが幼虫が成長するのに必要な栄養素は、原材料の朽ち木屑に含まれる菌類(キノコの菌や土壌菌)を一緒に食べる事で腸内で生成される「糖質」。

さらに朽ち木に住んでいる微生物(土壌分解生物=小さなミジンコみたいな生物)を食べて得られる「タンパク質」になります。

マットの主な原材料がシイタケのホダ木(廃材)などの朽ち木や廃菌床なので自然由来の糖質源やタンパク源が元々多い事になります。

今回紹介した本土ヒラタの幼虫も上記の方法で大きく育つ為の栄養源を摂取しています。

添加剤(小麦粉などのタンパク質)を加えてしまうと本来の自然のバランスが壊れてしまいタンパク過多(タンパク質の上塗り状態)になってしまい羽化不全や死亡率の増加の原因になってしまいます。

※自然界では、流石に小麦粉や麩(ふすま)、大豆プロテインなどを食べていませんので個人的にこれらが良い環境とは決して思えません。

こういった拘りから添加剤フリー(無添加)や減添加剤飼育などの独自の飼育方法の発信を行なっています。

70ミリオーバーが羽化しましたら紹介したいと思います。