国産オオクワガタの綺麗な個体やイキヒラタ、ゴトウヒラタなど大型クワガタの羽化情報

5月中旬になり、山の緑も濃くなり初夏の昆虫のシーズンが近づいています。

近所の川辺では、例年よりもかなり早い5月10日にゲンジボタルを見掛けました。

もう少し気温が高くなったら夜間の昆虫採集に出かけてみたいと思います。

本日は、4月から5月に掛けて羽化したクワガタの新成虫を少しだけ紹介します。

国産オオクワガタ久留米産79ミリ超え

画像は、4月18日に羽化した国産オオクワガタ(福岡県久留米産)79ミリ超えの綺麗な大型個体です。

バランスが良い美形個体だと思います。

国産オオクワガタ79ミリの尺寸の様子

ノギスを当てた尺寸の画像です。(79.7ミリ)

下記のエサ交換リレーで羽化させました。

・1本目(2023年5月20日/初齢):クヌギ遮光菌糸ビン500cc

・2本目(2023年8月18日/終齢):クヌギ遮光菌糸ビン800cc

・3本目(2023年11月20日/終齢):クヌギ遮光菌糸ビン800cc

→2024年2月下旬に蛹室を確認したので4本目への交換なし。

※1本目から2本目の交換時は、体重測定の価値がないほどのノーマルサイズでした。

終齢の最も大きく育つ時期に2本目へ交換できた事が良かったと思います。

ただし、3本目への交換時にの想定外(30グラム超え)の大きさに育っており、1400ccの菌糸ビンを用意しておらず、仕方なく800ccを使いました。

80ミリを狙う場合は、十分な広さがあるクヌギ菌糸ビン1400ccをお勧めします。

オオクワガタは、その他にも数ペア羽化していますので近日中に少しずつ販売できると思います。


次は、離島産ヒラタクワガタの紹介をします。

イキヒラタクワガタ77ミリ

画像は、2024年5月1日に羽化したイキヒラタクワガタ(郷ノ浦)77ミリ超えの大型個体です。

※左上翅に小さな凹みがありますが、やや大アゴが短めで胴体が太くドッシリとした感じなので重量感があります。

日本海側(対馬、五島、壱岐)に生息するヒラタクワガタは、極太の短歯型(本土タイプ)と細長い長歯型(対馬タイプ)と呼ばれる極端に見た目が異なる2つの形状が存在します。

いずれも頭楯(とうじゅん)と呼ばれる口の部分の分岐した突起が本土産よりも前方に突き出した感じ(高さがある)になり、真ん中の溝が深くなる(隙間が大きい)傾向があります。

また、アゴの先端のカギ歯と呼ばれる小さな突起が発達して目立つ傾向もあります。

イキヒラタ77ミリをノギスで尺寸した様子

ノギスで尺寸した画像です。(77.6ミリ)

※大きな個体ですが、幼虫期間が長くなりすぎて兄妹のメスがいませんのでお蔵入りになるかもしれません。(現在は、昨年の夏に入荷した天然個体の子の蛹化や羽化が始まっています。)

■下記のエサ交換で羽化させました。

・1本目(2023年5月14日、二齢):ブナ遮光菌糸ビン500cc

・2本目(2023年7月13日、終齢):遮光マットボトル800cc

・3本目(2023年11月23日、終齢):同上

→2024年3月24日に蛹室を確認したので4本目の交換なし。

終齢幼虫の菌糸ビンの暴れによる縮みを避ける為に2本目からはマット飼育に切り替えています。

※菌糸ビンは、当店の商品の場合だとクヌギ(カンタケ)よりもブナ(オオヒラタケ)の方がヒラタクワガタの仲間に適しています。

菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>


【マットボトルとは?】

マットボトル800ccの説明

マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットをボトルに計算された圧で1本ずつ丁寧に手間を掛けて詰め込んだ一本入魂の商品です。

添加剤を一切使用しておりませんので幼虫に有害な発酵ガスが発生しませんので安心です。

また、持ちが良いので確実に3から4ヶ月間持ちます。

無添加虫吉幼虫用マットの説明書(クワガタ版)>>


ゴトウヒラタクワガタ74ミリ

こちらは、4月20日に羽化したゴトウヒラタクワガタ(中通島)74ミリの大型個体です。

先に紹介したイキヒラタとは、大アゴの内歯(大アゴの内側に付く左右の大きな突起)の前方に連なるノコギリ状小歯の部分に厚みがあり先端に向かって急激に細くならないところです。

※イキヒラタは、ノコギリ状の小歯の部分がアゴの先端に向かって絞り上げる様に急に細くなって行きます。

ゴトウヒラタの方がツシマヒラタに雰囲気が似ている個体が多いのですが大型になりにくい傾向があります。(五島列島は、無数の島があるので島によって個体差が大きい事も考えられますが。)

過去に紹介した79ミリの羽化の記事>>

ゴトウヒラタ74ミリの尺寸の画像

ノギスを当てた尺寸の画像です(74.36ミリ)

■エサ交換リレーは下記のとおりです。

・1本目(2023年7月14日、二齢):ブナ遮光菌糸ビン500cc

・2本目(2023年10月19日、終齢):遮光マットボトル800cc

→2月下旬に蛹室を作っていたので3本目の交換なし。

なお、1本目から2本目への交換時の体重は、24グラムでした。

エサ交換の概要は、既に紹介済みなので省略します。


ヤクシマノコギリクワガタ70ミリ

こちらは、4月18日に羽化したヤクシマノコギリクワガタ70.4ミリの超大型個体です。

しかもメチャクチャ綺麗でハイレベルな個体です。

過去に虫吉のInstagramで紹介して3月23日のブログで改めて飼育の詳細を紹介した70ミリ超級の兄弟になります。

2024年3月23日の超特大ノコギリクワガタの紹介記事

天然採集品の子ですが前回の70ミリよりも更に時間を掛けて羽化してくれました。

ヤクシマノコギリ70ミリの大顎の湾曲

大アゴの画像です。

付け根から大きく外に張り出す様に湾曲した大アゴが上下に大きく波打ち、先端付近が上に向かってシャクレ上がっている面白いラインです。

▼エサ交換のリレーは下記の通りです▼

・1本目(2022年10月28日、二齢):遮光クヌギ菌糸ビン500cc

・2本目(2023年1月19日、終齢):遮光マットボトル800cc

・3本目(2023年6月1日、終齢):同上

・4本目(2023年12月7日、終齢):同上

→2024年3月24日に蛹になっているのを確認したので5本目の交換無し。

★交換タイミングを逸してしまい途中から半年交換になってしまっていますが本来なら3から4ヶ月に1回の交換がベストです。

(決してマットボトルの持ちの良さをPRする為ではございません。)

蛹化不全や羽化不全の確率が上がりますので引っ張らずに定期的な交換を推奨します。

なお、当店のマットボトルは、超固詰めなのである程度の引っ張り(ズボラ)が可能ですが、お客様がご自身でお詰めになられる場合は、責任が持てませんので引っ張りを避けていただく事をお勧めします。

これから産卵や羽化の時期を迎えますので面白い情報があれば紹介したいと思います。