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オスだけ?メスだけ?の注意点

クワガタのオス

お電話やメールで「オスだけ採集したのでメスだけが欲しい」「オスを拾ったのでメスだけ欲しい」「メスがいるのでオスだけ・・・」など雌雄のうち片方だけいるのでもう一方を購入したいという趣旨のお問い合わせを多くいただきます。

但し、当店では環境や種の多様性の観点から実際に該当のクワガタ(産地)を購入頂いたお客様への死亡時のサポート販売以外は一切行っておりません。

日本は、北海道、本州、四国、九州、周辺の小さな島々で成り立った島国です。
また、陸地の殆どが高い山脈で隔たりが出来ています。

その為、同じ種類のカブトムシやクワガタでも住んでいる気候や植生などの環境が異なりますので遺伝子の情報や形も異なります。
クワガタに限らず、全ての野生生物には地域固有の遺伝子が存在します。

例えるなら関東のカブトムシから見ると九州産のカブトムシは余所者(よそもの)になります。
勿論、ヒラタやノコギリ、コクワ、ミヤマ等のクワガタやその他の昆虫も他の産地(地域)から持ち込まれた種類は同様になります。
海だけでなく、山を一つ超えた時点で遺伝子が異なる種類も実際に確認されています。

同じ種類でも他の地域から人為的に持ち込まれた個体は、『国内外来種』と同等であると認識する必要があります。

上記の事を踏まえた上で身近な里山で採集した昆虫と他の地域から持ち込まれた昆虫を一緒に飼育(交配)させた際の注意点を考える必要があると思います。

異なる産地同士の交配によって、その地域に古くから生息している種(土着の在来種)に他所から持ち込まれた種(外来種、国内外来種)の遺伝子が入り込んでしまい遺伝子汚染、遺伝子撹乱を起こした子供が生まれます。

最も懸念される問題は、異産地交配で遺伝子汚染(撹乱)を起こしている事を気付かずに飼育される事です。
その結果、殖え過ぎて飼育出来なくなった場合に「在来種だから野外に逃がしても良い」という誤った認識や交配済みのメスを元の自然に帰してしまう事が最大の自然環境破壊になってしまいます。
勿論、例えになりますが九州産の昆虫を関東の自然に放してしまう様な事も環境の為に絶対に行ってはならない行為です。

在来の遺伝子を持った固有種がいなくなったり、本来いないはずの昆虫が住み着いたりして、長い年月を掛けて生態系が壊れてしまう恐れが有ります。
※実際に、大学や生物研究機関が懸念している問題の一つです。


オスだけ、メスだけしかいない場合は、繁殖を諦めて単品で最期まで責任を持って飼育して頂く事や無理に採集(持ち帰り)をしない割り切りも必要かもしれません。

現在は、通販の普及で手軽かつ簡単に昆虫が入手できる時代になっております。
購入した昆虫は、国内外の種類を問わず、絶対に野外に離さないでください。
その為にご自身の飼育のキャパシティを超えない様に計画的に管理を行ってください。

なお、産卵に使用した産卵木やマットも中に幼虫や卵が残っている可能性が有りますので絶対に野外放棄しないでください。
1回目の割り出し後に使用したマットと産卵木片(割りカス)を念の為、飼育容器に戻して4週間から1ヶ月ほど保管してから再び幼虫の有無の確認を行ってください。
幼虫がいない事を確認してから週2回の家庭ゴミ(収集ゴミ)に入れて処分して頂くと自然や環境にも優しいと思います。


日本の里山の自然を守る為の飼育マナーとしてご理解とご協力をお願いいたします。