国産カブトムシのブロー容器飼育の羽化やツチヤカブトなど離島産亜種の大型個体の羽化

今年の5月は、暑くなったり、肌寒くなったり寒暖差が大きいので風邪をひかない様に体調管理に注意して過ごしています。

今回は、4月下旬最新羽化のカブトムシを幾つか紹介したいと思います。

国産カブトムシ77ミリ(ツートンカラー)

画像は、2023年4月26日に羽化した国産カブトムシ(福岡県福津市産)77ミリの大型のオスです。

胸部と上翅の色が異なるツートンカラーで立派な角を持った綺麗なオスです。

昨年の夏に採集したメスを産卵させて生まれた幼虫をブロー容器1000ccに入れて1匹ずつ(単独)飼育を行い羽化させました。

使用したマットは、無添加プレミアム虫吉マット(幼虫用)です。

飼育温度は、基本的に21から23℃の一定管理ですが年明けから2月は夜間の冷え込みが厳しいので多少下回っているかもしれません。

■なお、餌交換の回数や日付は、下記のとおりです。

1回目/最初の投入(2023年9月21日)→2回目(10月21日)→3回目(11月7日)→4回目(12月1日)→5回目(12月22日)→6回目(2024年1月19日)→7回目(2月16日)→8回目(3月13日)→4月3日蛹室を確認。

※終齢幼虫時の最大体重は、34グラムでした。
(年末年始に大きな幼虫から優先的に販売しましたので残った中くらいのサイズを育てました。)

年内は、終齢になってから一気に食欲が増して大きく育つ時期(通称、「爆食期」)なので糞食によるサイズロスを防ぐ為に交換を少し早めています。

フルイを掛けたカブトムシのフン

なお、終齢幼虫に育った後の11月から3月の餌交換は、画像の様にボトル内のマットをフルイ(5ミリの網目を推奨)に掛けて糞だけを取り除いて下に落ちたマットを使い回しても大丈夫です。

常温飼育の場合は、5月頃から気温が急に上がり始めますのでマットの劣化が早くなってしまいます。
古いマットが残っていると病気による死亡リスクが上がりますので4から5月の交換の際に1度だけ全部交換する事をお勧めします。


■蛹室について

ブロー容器の中のカブトムシの蛹

ブロー容器の場合、画像の様に見える場所(ベストポジション)で蛹室を作って蛹化する事が多いです。

蛹室が見えたら絶対に餌交換やマットを掘り起こしたり、ボトルを触ったり動かしたりしないでください。(死亡や羽化の失敗の原因になります)

稀にボトルの中身(ど真ん中)で蛹化する事があり横から見えない場合があります。

その場合の画像を下に掲載しておきます。

ブロー容器の真ん中のカブトムシの蛹室

▲ブロー容器の真ん中のカブトムシの蛹室のです▲

ボトルの中身に黒いシミの様な物が見えます。

カブトムシの蛹室は、ニワトリの卵を立てた様な形をしていますので底の部分に必ず小さな黒いシミが見えます。

餌交換の際に蛹になっているか分からない(姿が全く見えない)場合は、容器の底を覗き込むと良いです。


国産カブトムシのメスです。

同じく国産カブトムシ(福岡県福津市産)のメス49ミリ前後の大型のメスです。

※飼育情報は、最初のオスと同じなので省略します。

メスは、土の潜った際に泥が付着しない様に体中に微毛があります。

オスと異なりツノがない理由は、子孫を残す為の体力を温存しなければならないからです。

※因みに日本のカブトムシのメスは、一生のうちに1匹のオスと1回しか交尾しない事が近年の研究で明らかになっています。(こういった事も繁殖の効率化や体力の温存に関係するのかもしれません。)

オスは、パートナーのメスと確実に出会う為にツノという武器を持って縄張り争いに明け暮れますが、メスは喧嘩すると産卵の体力がなくなってしまうので進化の過程で不要なツノが無くなったと言われています。

クワガタやカブトムシのメスがマットに潜ったままになる事が多いのも体力を温存する為です。

★余談ですが雌雄の寿命を比較するとオスの方が短命、メスの方が長寿傾向が強いのもこういった理由があるからです。


ツチヤカブトムシ70ミリ

こちらは、4月29日羽化のツチヤカブトムシ(口永良部島亜種)超特大70ミリです。

国産カブトと比べると頭角(前ツノ)が短く、発達しない少し小振りな種類です。

※頭角の先端の左右に分かれた部分がボヤけた感じになります。

飼育方法は、最初の個体と同じですので餌交換のリレーだけ記載しておきます。

1回目/最初の投入(2023年8月8日)→2回目(9月18日)→3回目(10月17日)→4回目(11月17日)→5回目(12月15日)→6回目(2024年1月26日)→7回目(3月1日)→4月2日蛹室を作っているのを確認。

因みに終齢幼虫の最大時の体重は27グラムでした。

ツチヤカブトのツノの画像

ツチヤカブトのオスの胸部と頭部の画像です。

胸角(後ツノ)は、普通にV字型になっているのですが頭角が短くて大味な形をしています。

ツチヤカブトのメス

こちらは、ツチヤカブトのメスです。

国産カブトムシ(ヤマトカブト)よりも毛が短くて光沢が強い感じです。

オキナワカブトムシの65ミリ

こちらは、4月24日羽化のオキナワカブトムシの超特大65ミリです。

今シーズンから新たにラインナップする予定ですがメスが羽化していないので直ぐの販売ができません。

この種類は、頭角、胸角の双方が発達しない小振りなカブトムシです。

飼育方法は、他の種類と同じブロー容器飼育ですが餌交換の日付だけ記載しておきます。

1回目/最初の投入(2023年9月23日)→2回目(11月3日)→3回目(12月1日)→4回目(12月22日)→5回目(2024年1月19日)→6回目(2月23日)→3月22日蛹室を作っているのを確認。

オキナワカブトムシの頭部と胸部

頭角が短くて先端の分岐部分の溝も浅く発達しません。

胸角も先に紹介した2種類のカブトムシと異なり、大型になっても鋭いV字型になりません。
(分岐した部分が前に突き出ずに横に広がる感じです。)

今年は、冬から年明けに掛けての羽化が少なかった代わりに春以降にまとめて羽化しそうな感じもします。

今後の大型個体の羽化が楽しみです。