天然採集のカブトムシ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタの年越し個体の紹介

今回は、毎年恒例の前年夏の天然採集品の年越し個体の紹介を致します。

一夏限りの寿命と言われる天然採集品のカブトムシやノコギリクワガタ、ミヤマクワガタをどれだけ長く飼育できるかチャレンジするコーナーです。

寿命が限られている天然個体につき、一定の温度に保たれている幼虫飼育小屋の空きスペースを利用して御余生を過ごさせています。

国産種の新成虫の真冬の加温は、良くないので商品のクワガタは、全て別の寒い場所で冬眠させています。

※新成虫管理用の5℃前後の寒い冬眠倉庫と異なり、幼虫飼育スペースは温度差が無いので寿命が短い天然採集品も快適に過ごせています。

勿論、毎日の飼育は欠かせません。(定休日、お正月もお世話の為に毎朝出勤しています。)

餌は、いつもの通り国産プレミアム昆虫ゼリーです。

それでは、トップバッターを紹介します。

カブトムシの年越し個体

こちらは、2019年8月上旬に樹液採集した天然のカブトムシのオスとメスです。

流石に老化で脚の爪が欠損して動きも緩くなってしまいましたが毎日の様にワイドカップゼリーを爆食しています。

エサを残さず食べてくれると少し嬉しいです。

九州北部は、真冬が寒いのでカブトムシの発生ピークが7月の後半から8月上旬で太平洋側よりも少し遅いので、その分だけ長く生きてくれるのかもしれません。

年越しをした天然ノコギリクワガタ

こちらは、7月中旬に宮崎県から入荷した天然のノコギリクワガタのオスとメスです。

他にもメスが何匹かいるのですがチョロチョロと動き回るので他は、リザーブのメンバーです。

オスは、2匹だけですが威嚇しまくっています。

左のオスは、70ミリを超える超大型個体なので亡骸を標本にする予定でしたが元気が良いので未だ先の事になりそうです。

年越しをしたミヤマクワガタのメス

こちらも2019年の樹液採集品のミヤマクワガタのメス4匹です。

※オスは、11月下旬まで元気に過ごしていましたが急逝しました。

左の2匹が7月に入荷した宮崎県産、右の2匹は7月下旬に虫吉の森で自己採集した個体です。

九州北部の福岡県福津市は、ミヤマの発生が遅いので宮崎県産よりも色艶やコンディションが明らかに良いです。

年越しの壱岐産ノコギリクワガタのオス

こちらは、昨年の8月に入荷した天然樹液採集の壱岐産ノコギリクワガタのオスです。

※メスは、チョロチョロ動き回るので後から紹介します。

壱岐は、日本海側で寒い上に梅雨明けも遅いのでノコギリの発生が本州や九州本土よりも少し遅めです。

そのせいか年が変わってもコンディションが良い個体が多いです。

年越しをした壱岐産ノコギリのメス

こちらも天然採集品の壱岐産ノコギリのメスです。

現地の方から「壱岐産のノコギリは、本土産よりも長く生きると思う」と聞かされていましたので検証の為に多めに飼育しています。

無事に年を越したメスは、10匹ほどいるのですが動き回って収拾が取れないので4匹だけ撮影しています。

年を越したアマミノコギリのオスとメス

こちらは2019年7月上旬に入荷した天然アマミノコギリクワガタのオスとメスです。

メスは、8匹いるのですが動き回るので4匹のみで撮影しています。

1月に産卵セットから取り出した産卵済みの個体も含まれていますが、確実に2021年まで生きてくれそうなメスが何匹かいます。

オスは、年を越す前に死んでしまう事が多いのですが1匹だけ頑張ってくれています。

この種類のみ、寿命が未知の領域です。

過去に虫吉の方でも毎年の様に2回目のお正月を迎えるケースが発生しております。(後から紹介しますが2018年入荷した個体が2020年を迎えています。)

また、お客様がご自身で奄美で採集された個体でも普通に2年生きるという報告をいただいております。

これらの事から間違いなく、最も長く生きるノコギリクワガタだと思われます。

2018年採集の天然アマミノコギリのメス

こちらは、2018年7月上旬に入荷した天然採集のアマミノコギリのメスです。

昨年の9月に紹介しましたが無事に2020年を迎えてくれました。

但し、2017年7月に入荷した個体は、秋にブログで紹介した2ヶ月後の2019年11月7日に寿命で他界しました。

長寿の天然クワガタなどを紹介したブログ記事>>

今年は、東京オリンピックの年なので1匹でも多く開会式を見させてあげられる様に日々頑張ります!


天然採集のカブトムシ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタの年越し個体の紹介” への2件のコメント

  1. 長寿なクワカブさん達、凄いですね。私も出来るだけ長生きしてほしいと飼育してますが、越年させたことはないです。やはり、温度管理がポイントになるのでしょうか?

    • 初田様

      いつもお世話になっております。
      コメントありがとうございます。

      天然の一夏性の種類の長期飼育のポイントは、真冬だけでなく夏から秋の冷房も必要になると思います。
      国産昆虫ゼリーのみを与え、エサ切れをしない様にコマメな管理を心掛けています。
      急激にコンディションを落とさない事だけに集中しています。

      あとは、昆虫自身の生命力の問題が大半を占めると思います。
      同じ天然採集品でも厳しい自然界で生き抜いていますのでコンディションに大きな差があります。
      私の場合、夏の終わりの時点で年越しできるか否かがある程度分かります。

      因みに当店では、天然のカブクワ(ミヤマも含む)にもお届け後3日間の死亡補償がございますので日頃よりベストなコンディションの昆虫の見極めを行なっております。
      詳しい見極めのポイントは、慣れが必要なのでお伝えするのが難しいのですが、動きだけでなく、腹筋(腹部と前胸板間)の力強さなど様々です。

      宜しくお願い致します。

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