クチノエラブノコギリ70ミリなど離島産ノコギリクワガタの大型個体の羽化情報

1月もあっという間に中旬を迎え、春に向けて急ピッチで飼育作業を進めています。

今年の九州北部は、例年よりも気温が高く暖冬なので年末から庭の梅の花が咲き始めて満開を迎えようとしています。

今回は、お正月休み明けから行なっている、羽化した成虫の掘り出し作業で出て来た大型個体を、少しだけ紹介したいと思います。

※パーソナルベストを更新する離島産のノコギリクワガタの仲間も羽化しています。

クチノエラブノコギリ70.5ミリ

画像は、2018年12月最新羽化のクチノエラブノコギリクワガタの超特大サイズ(約70.5ミリ前後)のオスです。

昨年の12月にこのブログでも紹介させて頂いた69ミリのベスト記録を大幅に更新するサイズで初めて70ミリの大台を超えてくれました。
勿論、パーソナルベスト更新です。

2018年12月2日の69ミリを紹介したブログ記事です>>

2017年の夏に入荷した天然のメスを産卵させて生まれた幼虫を下記のエサ交換リレーで育てて羽化させました。

繁殖方法を紹介した記事>>

・1本目(2017年11月11日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc(現在はクヌギ遮光タイプ500ccへ仕様変更)

・2本目(2018年2月4日、終齢):無添加マットボトル850cc(現在は遮光クリアボトル800ccタイプへ変更)

・3本目(2018年9月14日、終齢):同上

→2018年11月23日に蛹になっているのを確認したので4本目の交換無し。

2本目からは、何時もの事ですが終齢での菌糸ビンの暴れ(掻き混ぜ行動)による縮みを回避して大きく育てる為に無添加マットボトルへ切り替えました。

菌糸ビンからマットへの切り替えについて


マットボトルについて

マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットのボトル詰め商品の事です。

添加剤を一切加えずに発酵させた昆虫マットなので残留有機物の腐敗による発酵ガスや発酵熱が発生しないので幼虫の死亡率を下げる事ができます。

無添加虫吉幼虫用マットの説明書(クワガタ版)

また劣化が遅く持ちが良いのでボトルに超固詰めしておくとクチノエラブノコギリの場合は、確実に4ヶ月に1回の交換頻度で済みます。

2本目から3本目は、実に7ヶ月以上の間隔が空いていますが終齢は、気温が高い環境や季節にエサ交換を行うと極端に落ち着きが悪くなって潜らずに上に出て来る事が多くなります。

そこで無添加虫吉幼虫マットの持ちの良さの利点を活かして夏の交換を省略する飼育(超ズボラ飼育)を行なっております。

※虫吉では、真夏は冷房で21から23度に保っていますので半年くらい引っ張る事が多いですが温度が高い環境での飼育の場合は、劣化が通常よりも早まるので4ヶ月以内の交換をお勧めします。

★ズボラ飼育は、ノコギリなどの体形が立体的でアゴが湾曲する種類(自然界では活動後の越冬が無い種)のみ有効です。

壱岐産ノコギリ71ミリ

こちらも同じく12月最新羽化の壱岐産ノコギリクワガタの超特大の水牛(71ミリ)です。

壱岐産は、亜種ではありませんが明らかに大型化する傾向があります。

2017年の夏に入荷した天然のメスを産卵させて生まれた幼虫を育てて羽化させました。

エサ交換リレーは、下記のとおりです。

・1本目(2017年11月24日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc(現在は遮光ボトル500cc)

・2本目(2018年2月22日、終齢):無添加マットボトル850cc(現在は遮光ボトル800cc)

・3本目(2018年9月16日、終齢):同上

→2018年12月6日に既にサナギになっているのを確認したので4本目の交換無しです。

エサの切り替えおよび2本目から3本目への引っ張りの理由は、前記の個体で説明していますので省略させていただきます。

クロシマノコギリ67ミリ

こちらの画像は、12月最新羽化のクロシマノコギリクワガタの極湾曲系の水牛67ミリです。

赤味が強い綺麗な色の個体で迫力も満点です。

繁殖方法を紹介した記事>>

下記のエサ交換リレーで羽化させました。

・1本目(2018年1月14日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc(現在は遮光ボトル500cc)

・2本目(2018年4月12日、終齢):無添加マットボトル850cc(現在は遮光ボトル800cc)

→2018年11月13日にサナギになっているのを確認したので3本目の交換無しです。

クロシマノコギリも最初の菌糸ビンで終齢まで育ててしまえば、2本目からマットボトルで交換頻度を落としてストレス痩せのリスクを軽減する方法が上手くハマってくれます。

なお、ご自身でボトル詰めを行う場合は、詰め込みが弱すぎると途中で緩んでしまい交換回数が増えてしまう場合があります。

またマットが緩んだ状態で蛹化させてしまうと蛹室が肥大化してアゴズレや羽化不全のリスクが高まります。

なお、高温下の飼育の場合、幼虫が潜らずに上で蛹化してしまう恐れがありますので真夏は冷房管理をお勧めします。