ツシマヒラタクワガタの幼虫(産卵木)の割り出しの様子【2024年春の産卵】

ゴールデンウィークも終わりましたが如何お過ごしでしたでしょうか?

連休中は、これからの季節に向けてクワガタの飼育作業に明け暮れていました。
※連休中は、休業日につき、発送やお問い合わせの対応をお休みにしており申し訳ございません。

今回は、先日行ったツシマヒラタクワガタの幼虫の割り出しの様子を紹介したいと思います。

ツシマヒラタクワガタの産卵ケースをひっくり返した様子

画像は、3月中旬に産卵木をセットしたツシマヒラタの容器をひっくり返した様子です。

大きく育った複数の二齢幼虫が見えます。

■使用した飼育用品は下記のとおりです。

・容器:コバエ防止飼育ケース(中)

・土:無添加産卵専用マット

・朽木:産卵木LLサイズX1本

・餌:ホワイト高タンパクゼリーもしくはプロゼリーなど

※餌は、合成保存料が入っていない上記の2種類が産卵に適していますのでメインで使用いています。

マットの中から出てきたtツシマヒラタの初齢と二齢

固まったマットから出てきた初齢幼虫(左)と二齢幼虫(右)の画像です。

幼虫は柔らかいので潰さない様に慎重に取り出す必要があります。

幼虫は、たった1回の脱皮で見違える様に何倍も大きく育つ事ができます。

クワガタの卵から羽化までの成長過程の紹介>>

産卵木の表面のツシマヒラタの幼虫

産卵木の表面で見つけた幼虫です。

産卵用マットや産卵木は、生まれたばかりの幼虫の餌にもなります。

ただし、マットや朽ち木は、古くなって劣化すると幼虫の病気が発生しやすくなるので割り出さずに長期間放置しないでください。

また、親メスを一緒に入れたままにすると幼虫(自分の子供)を捕食してしまいますので早めに割り出すかメスを取り出す事をお勧めします。

産卵木の中から出てきたツシマヒラタの幼虫

産卵木の芯の付近から出てきた二齢幼虫です。

幼虫は朽ち木の中にも普通に食い進んで行きます。

なお、今回は産卵木をマットに埋め込むオーソドックスな産卵方法を行っていますが産卵用マットのみでも大丈夫です。

※但し、マットのみの産卵の場合、最低でも厚さ9から10センチのカチカチに固めた層を作らなければならない事(重労働)と幼虫がメスに捕食されやすいというネックがあります。

産卵木の破片から出てきたツシマヒラタの初齢幼虫

産卵木の破片の中から出てきた初齢幼虫です。

初齢幼虫は細かい朽ち木片の中にも入り込んでいる事が多いので潰さない様に慎重に取り出す必要があります。

※最初から産卵木の表面だけを細かく削ると潰しやすいので最初に大雑把に割ってから朽ち木片を細かく割り進めると良いかもしれません。

ツシマヒラタクワガタの幼虫の割り出し結果

今回のツシマヒラタクワガタの幼虫の割り出し結果です。

初齢と二齢を合わせて38匹の幼虫を回収できました。

寒暖差が大きく、一定の温度管理が難しい春(産卵効率が悪い季節)の繁殖でしたが、上々の結果だと思います。

ツシマヒラタの幼虫をカップで管理

回収した幼虫は、一時保管用のカップに無添加虫吉幼虫用マットを固めずに(フワッと)入れて蓋を閉めて4から7日ほど外傷や異常の有無を確認する為に養生させます。

その後に二齢幼虫から優先的にマットボトル800ccもしくは、ブナ菌糸ビン500ccに入れる予定です。

※割り出した幼虫を直ぐにボトルに入れると万が一、異常がある場合に直ぐに死んでエサのロスが発生するのでお勧めしません。

異常がある(病気の)幼虫の見分け方>>

幼虫を回収した後の割カスを保管

幼虫を割り出した後のマットや産卵木の破片は、まだ卵や小さな幼虫が残っている可能性がありますので直ぐに捨てずに元の容器に再び戻して4週間から1ヶ月ほど保管します。

(白いテープは、コバエ侵入防止策として、容器の本体と蓋との間のガタ付きによる隙間を無くす為に貼っています。)

※卵が出てきた場合は、この状態のケースの中に埋め戻すと勝手に孵化します。

割り出しから1ヶ月経過すると流石に孵化して幼虫も目立つ大きさまで育っているので確実に回収できます。

産卵で使用済みのマットや産卵木は、絶対に野外に捨てないでください。
万が一、卵や幼虫が残っていた場合、帰化して生態系や自然環境が壊れてしまう恐れがあります。
★幼虫を完全に回収したら市町村の燃えるゴミ(回収ゴミ)として出す事が一般的に推奨されています。