今回は、トクノシマヒラタクワガタの産卵方法をご紹介したいと思います。
トクノシマヒラタは、文字通り徳之島に生息する日本のヒラタ屈指の太さと大きさを誇る重量感抜群のカッコ良いクワガタです。
飼育品の場合、気温や季節にもよりますが羽化して概ね3から4ヶ月以上経過して気温が23℃を超え始めると産卵可能になります。
冬眠させた個体であれば初夏頃から産卵可能になります。
※春に羽化したペアは、梅雨明け前後から夏に掛けて繁殖可能になります。
基本的に本土ヒラタと同じ活動サイクルです。
それでは、実際の産卵方法を紹介したいと思います。
こちは、今回の産卵に使用する主な飼育用品です。
・飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中)
・産卵木:クヌギMサイズx2本
・マット:産卵用マット(ヒラタ、ノコギリ、カブト兼用)4リットル
まず、最初にクヌギ産卵木(M)2本をバケツもしくは洗面器に入れて加水します。
産卵木の加水は、晴れた日に行った方が産卵木の余分な水分を飛ばせて容器内を清潔に保てます。
産卵木は、水に浮かんでしまうので画像の様に水を入れたペットボトルを上に乗せて沈め込むと早く水が浸透します。
当店の産卵木(M)は、少し柔らかめなので重しをした状態で20から30分の加水で十分です。
※水切れが悪くなるので1時間以上の加水を避けてください。
加水が終わったらカゴの上に乗せて日陰干しを行い余分な水分を切ります。
※逆さにしたカゴの上に乗せる理由は、地面から浮かせて効率良く水切りを行う為です。
日陰干しの時間は、6から8時間ほどで大丈夫です。
日陰干しが終わったらステーキナイフで樹皮を全部剥がします。
ステーキナイフが最も安全で簡単に作業が出来る道具だと思います。
2本の産卵木の樹皮を全部剥がした様子です。
次は、マットのセッティングです。
コバエ防止飼育ケース(中)に産卵用マットを半分の2リットルだけ注ぎます。
容器が曇ってしまい少し分かりにくいですが2リットルのマットを入れた容器の横からの画像です。
※画像は、固める前の状態です。
この分量(最初に2リットルだけ入れる)が4リットルのマットをちょうど使いきれる目安になります。
次に木製マットプレスを用いて押し固めて行きます。
先ほどから緑色の玄関マットを敷いている理由は、この作業の際に容器の底を押し割らない様にする為のクッションにしているからです。
※雑誌や重ねて折りたたんだ新聞でも代用できます。
容器の底の部分のマットを十分に押し固めたら、先ほど樹皮を剥がした産卵木を2本とも入れます。
飼育容器(中)に産卵木(M)2本がちょうど良い感じに納まります。
産卵木の上から残りのマット(約2リットル)を全部入れます。
軽く手で押さえて表面を整えます。
酸欠や嫌気性発酵の原因になってしまいますので絶対に上の部分のマットは押さえ付けないでください。
これでトクノシマヒラタの産卵セットの完成です。
こちらは、産卵セットを組む数日前からBeケース(ミニ)で交配(ペアリング)させていたトクノシマヒラタのペアです。
※容器内には、ココナッツマット、高たんぱくワイドカップゼリー、ワイドカップ用エサ皿(1つ穴)を入れています。
天然採集品の小振りなオスを使っているので特に何も行っていませんが大きなオスを使う場合は、保険でオスのアゴを縛っておくとメスが挟み殺されずに済みます。
オスを一緒に入れるとメスの挟まれ事故の恐れがありますので交配済みのメスのみを産卵セットに入れます。
※容器内には、クヌギの落ち葉(足場)、イエロー果汁ゼリー、ブラウン黒糖ゼリー、プチエサ皿を入れています。
冒頭に説明した参考の産卵温度(23℃以上)の環境で3から4週間経過しても容器の底に卵や幼虫が見えない時だけオスを3日ほど容器内に投入して様子を観ると良いです。