ダイトウヒラタクワガタの産卵方法

ダイトウヒラタの画像

今回はダイトウヒラタクワガタの産卵方法を紹介したいと思います。

沖縄県の東部に位置する大東島(北大東島と南大東島)に生息する赤みが強い小型の離島産のヒラタの亜種です。

綺麗な種類で手軽に飼育出来るので人気があります。

寿命は羽化してから最長で3年ほどですが繁殖は、羽化してから4ヶ月以降の方が効率が良いです。

繁殖推奨温度は、25℃前後がベストなので常温の場合は5から9月が良いです。

※出来れば6月から8月にセットを組むと確実です。

それ以外の季節は、エアコンで加温すれば産卵可能ですが環境次第では決して効率が良くないので余りお勧めしません。

晩夏から冬に羽化した個体は、寒い場所で越冬後の繁殖をお勧めします。

寒さに弱いと思われがちですが実際は、寒さに強く本土の種類と同様に無加温飼育が可能です。

【冬眠時の推奨温度は、5から10℃】

※因に2016年1月24日の大寒波の際に氷点下3から5℃の気温が2日ほど続きましたが、その環境でも無事に越冬しています。

それでは、実際のセットの組み方の紹介を行ってみます。

必要な用品

先ず最初に使用する主な用品です。

・飼育容器:コバエ防止ケース(中)

・昆虫マット:産卵用(菌床配合)4リットル

・産卵木(朽ち木):クヌギ材MサイズもしくはLサイズ。

※クヌギMサイズの場合、2本使った方がケースへの納まりが良いです。

朽ち木

先ず始めに朽ち木の準備をします。

今回は、クヌギ産卵木Lサイズを1本使用します。

加水します

朽ち木は乾燥しているのでバケツなどに入れて加水をする必要が有ります。

画像の状態ではプカプカと浮かんで水が染み込むまで時間が掛かるので上から重しを乗せて沈め込むと時間短縮が出来ます。

朽ち木に重しを乗せます

重しで沈めるとブクブクと気泡が出ているのが分かります。

※画像は、漬け物用の重しですが石やレンガ、水を入れた洗面器やビニール袋を乗せても大丈夫です。

この状態で30分前後(確実に1時間以内)で加水が完了します。

加水が完了

因に30分後に重しを外すとこんな感じです。

ずっしりと重たくなって4分の3ほど沈んでいます。

※余り長く水に漬け込み過ぎると水が染み込み過ぎて水切れが悪くなります。

日陰で干します

水から揚げたら、次に日陰で干します。

※画像の様にカゴやザルをひっくり返して上に乗せると水切れが良くなります。

この状態で6から8時間ほど日陰で干します。

樹皮を剥がします

日陰干しが終わったら樹皮を剥がします。

ステーキナイフを使うと簡単かつ安全に作業を行えます。

樹皮を完全に剥がします。

画像の様に樹皮は、完全に剥がしてしまって問題有りません。

Beケース(中)に産卵マットを入れます

飼育ケース(中)にマットを入れます。

固めない状態で容器の下から4分目(4割)のところ迄で一旦入れるのを止めます。

マットを固めます

次にマットプレスで固めます。

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その際に容器の底が割れない様に下に玄関用の足拭きマットを敷いています。(古新聞や古雑誌などでも代用が効きます)

※前の画像で紹介した分量(4分目)を固めると約4から5センチ前後の固い層が底に出来ると思います。

上に朽ち木を置きます

固め終えたら上に前述の朽ち木を置きます。

※画像の向きに入れると無理が無くスッポリと収まります。

(Mサイズの場合は、横に2本入ります。)

朽ち木を埋め込みます

残ったマットで完全に埋め込みます。

説明通りの量で作業を進めるとちょうど1袋(4リットル)を使い切って1セット組めると思います。

※使い残すとキノコバエの温床になりやすいので使い切る様にしてください。

隙間を埋めます

上から手で軽く押さえて容器や朽ち木の間に出来た隙間を埋めます。

ここでは、強く固める必要は有りません。

上を固め過ぎると底の部分が酸欠を起こしやすくなります。

※嫌気性の発酵を起こすと卵が死滅してしまう恐れがあります。

セットの出来上がり

セットの出来上がりです。

ペアリング

セットを組む4から5日前から画像の様に飼育ケース(ミニ)で予めペアリングをさせておくと効率が良いです。

※ケースの中には、ココパウダーマット、昆虫ゼリー(超高たんぱくワイドカップゼリー)、ワイドカップ用エサ皿(1つ穴空き)を入れています。

小型の種類ですが極稀にオスがメスを挟んで殺してしまう事が有るのでオスのアゴを縛った方が良いかもしれません。

クワガタのアゴ縛りペアリングについて>>

いきなりセットのケースに入れるとメスが潜ったままになって交配する迄に時間が掛かり過ぎる事があります。

メスを入れます

ケースには、事前にペアリングをさせたメスのみを入れます。

中には、クヌギの落ち葉(転倒防止)、ホワイト高たんぱく昆虫ゼリー、イエロー果汁昆虫ゼリー、プチエサ皿を入れています。

※エサ皿は、スペースに応じてお好みで構いません。

※気温や季節、メスのコンディションにもよりますが約1ヶ月経過しても卵や幼虫が見えない時だけ再びオスを3日ほど入れると良いです。

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